中庭の出来事

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著者 : 恩田陸
  • 新潮社 (2006年11月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971078

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中庭の出来事の感想・レビュー・書評

  • 面白くなくて、面白くなくて…
    私は恩田陸を楽しむ感性がなくなってしまったのか…と、不安になった。
    同じシーンを何度も角度を変えて書く感じ、戯曲を書く人になら参考になるのかな。
    まぁ、でも最後まで読めば、構成やら凄いな…とは思う。
    そして、きっと途中で放り出させない程度には面白かったのか。

  • マトリョーシカのように、物語がいくつも入っていた。
    しかも、どれが一番外側かよく分からないまま話が進むので、最初は少し混乱した。

    「見る」「見られる」というのがテーマの一つだった。
    たぶん、一番外側は、この話を読んだ私の話なのだろう。

  • この中庭で、何が起きているのだろう?

    さあ、この場面に、本物の役者は何人いるでしょう?

    ホント、これの連続だ。
    脚本家の神谷。
    中庭にいる女優の芳子と圭子。
    トンネルの中の昌夫と男。
    舞台の上の女優1,2,3。
    中庭にいる細渕と巴。
    最初はよくある話で、別々の場所のキャラクターからひとつの事件を見て
    最終的にはひとつの線で繋がるようなものだろうと思っていた。
    全力で裏切られた。いや、全力で正解だったのか。
    それを自分で決めていい小説を初めて読んだ。
    舞台に上がる人間が段々と増えていく。同心円状に広がる世界。
    どこまで舞台は広がるのかと思って読み進めてみれば、
    最終的には読んでる自分の目の前までやってきていた。
    私もいつの間にやらオーディエンス。
    椅子がキーだったとは気付かなかった。もう一度意識して読みたいな。


    女優1,2,3:犯人はあの男。悔しいけれど、河野百合子じゃない。
    なぜなら、あの日あの時、あたしは新橋であの子とぶつかったから。

    あなたは嘘をついている。
    あなたは河野百合子をかばっている。
    あなたたちは、共犯ですね?

    女優1,2,3:ええ、このあたしが、あの日、あの人を殺しました。


    楠巴:(後ろを振り返る)あら、あたしたち、今、どの中庭にいるのかしら?
    細渕:さあね。それを決めるのは観客だ。


    全員、深くお辞儀をする。

    暗転。

  • 煙に巻かれるような感覚。
    割と嫌いじゃないです。

    「中庭にて」「中庭の出来事」「旅人たち」の3章が入り組んで物語がすすんでいくが、次第にどれが現実でどれが芝居の世界なのかの判断ができなくなってくる。
    劇を演じている人を見ている人の舞台。
    劇中劇を演じる女優の芝居。
    本を読む読者を観客にした語りかけ。
    読み進むうちに、頭が混乱してくるのが楽しい。

  • 完全なるしっくり感はないんだけれども十分面白かった。恩田パワー。

  • いつか取るだろうと思っていたがこの間やっと直木賞を授賞した恩田陸さんの作品を読了。

     この作品は読むのがつらい人もいるだろうなあと思ったのが第一印象。非常に実験的な作品だからだ。まず事件はというか事件とされたものは脚本家がパーティで毒殺されるというお話で、その作品のオーディションに呼ばれていたタイプの違う3人お女優達の作中劇での語りが物語を形作って行く。

     同じシーンを3人が自分の色を加え演じ分け、お話を作り上げて行くので冗長と感じる人もいるかもしれないが、そこに描かれた女性の中に住む小さなモンスターの影がちらりちらりと感じられるのが実は怖く、同じシーンの演じ分けの妙にぞくぞくっとした。

     女優達の演技により一人の男の死にまつわる謎を色々な角度から突き詰めて行き真実がどこかで明かされるだろうと思い読み進むのだが、読み終えようとするそのときになって読者は作者から見事操られていた事に気付くという作品になっている。

     それはミステリはある結論というか一つの事実でもって話の結論を迎えるのが普通だとおもうが、この作品では台本、旅人、中庭と複雑なるあらゆる視点から真実に近づこうと一瞬しているように見せながら実はお望みの結末を求めて思い込みを深めているのが読者である自分だけであり、結論とされる事実はいくらでも作り出せるものなんだと言う事に気付かされるとてもびっくりの結末があるのも面白い。

     ミステリーの作り込みの際に陥ったどつぼの状態をそのまま読者にぶつけたともいえるが、此の様な実験的な物に取り組む勇気と構成力の高さを持っているから直木賞作家にもなれたのだろう。天邪鬼と言われるのが嫌いではない方は読んでみては。

    そんなミステリーの定石を見事に捨て去っている希有なミステリ作品を読むBGMに選んだのがJan Lundgrenの"Charade"。ジャケ買いした作品だけどあたりです。
    https://www.youtube.com/watch?v=wFjfhwYQY_I

  • 3人の女優などが登場して、戯曲バージョン。
    同じシーンを3人の女優が繰り返し演じてみせて、実際は何が起こっていたのかを検証してゆく。

    同じ場面ばかり、どう繋がるのかわからない場面を断片的に繰り返しセリフを変えて再現しているので、変化がなくて読んでいて退屈だった。

    実験的な手法で、自分には合わなかった。

  • 構造の妙はあるが、ミステリーとしてのストーリーは平凡。

  • ホテルの中庭での不可解な死。自殺?他殺?犯人は?全体の設定は「よくもこんなことを思いつく!」と驚愕しますが、構成がなかなかクセモノ。読み上げるのに非常に体力を使います。面白いが、辛い。設定が素晴らしいだけに残念。違う見せ方ができたような。。。実験的な作品なのかしら。。。

  • ぱらぱら見ると台本がちらほら目に入り、なんとなく読むまで時間がかかってしまったが私にはとんでも本だった。

    『木漏れ日~』の後に読み出したので、同じような隠されている印象にまたかと思ったのだが、謎を追いかけていくという点で第三者である読者が置いていかれるのは同じでも、まったく別の要素で見せられた。

    一人の男の死にまつわる謎を、台本、旅人、中庭とあらゆる視点から追いかけていく。何度も同じようなシーンが繰り返されるが、何所かしら違うことに気付く。また同じ話なのに出て来る女優3人が性格によって受ける印象が違うのも当然ではあるが魅力的だ。特にラスト、それぞれの女が選んだ作品がまさにらしさが出ていておもしろい。さらにそんななか、飽きさせない小話がまたなんとも珍妙でぐいぐい引き込まれる。

    ミステリでよく真実を問われるが、この劇は観覧者の望み通りの真実を叶えられる。お望みの真実を語ると女優は云う。果たしてどれが現実なのか、はたして現実とはなんなのか。あやふやな虚構で踊らされているのが自分だけだったと気付いた時には、それこそ拍手を送りたくなった。

    あまり評価が高くないため人を選ぶ実験的要素もあるかもしれないが、最後の一幕まで楽しませて戴いた。

  • 前に読んだ、女優さんが出てくる「チョコレートコスモス」が面白く、この「中庭の出来事」も女優さんが出てくるらしいので手に取りました。

    恩田陸さんは、不思議な世界観を作り出すのにかけてはホントにピカイチだな、と感じました。
    現実にありそうでない、美しく脆く繊細な世界。
    この作品も、そんな不思議な世界観にぐんぐん引き込まれていきました。
    全然関係のない3つの出来事が、まるでそこらじゅうに散らばった霧が混ざるように、少しずつ混ざっていく。またバラバラになったかと思ったら、今度は一瞬の内に混ざりきり、最後は濃くなってしまった霧で何もかも曖昧になってしまう。
    そのコントラストがたまらなく美しく、しばらく本の世界に留まって余韻に浸っていました。

    個人的に演劇をしてる身としては、役作りに関してのことは大変興味深く参考になりました。
    ただシェイクスピアの訳は小田島さんより福田さんの方が、恩田さんの美しい流れるような文章にあっていたかと思います。

  • 恩田陸の作品好きでけっこう読んでるが、これは酷い。
    はじめて100頁過ぎたあたりで挫折した。

    同じシーンをなんども繰り返す。意味があるんだと思うが、小説家としての技巧を見せつけたいだけか、頁数稼ぎかと鼻白んでしまい、物語になっていない。登場人物の素性が分からず、誰にもこころを預けられない。

    誰それを殺したのは誰か、という謎解きなのだろうが、ミステリーらしい種の巻き方がおかしいよな、と思う。

    図書館でいつも借りてないくらいきれいだし、古書店でもよく見かけるので気になっていたのだが、納得した。

    これが読みとおせた人はよほどの読書通なんだろうな。

  • 複雑。
    なかなか体力のいる読書でした。

  • 複雑な読み応え。何がどうなって、今どこにいるのか分からなくなり、何度も読み直した。
    私も途中まで場面が変わりすぎて読みにくかったが、ラストが近くなるにつれ一気に読めた。
    現実と虚構。この舞台を実際に観たら本当におもしろそうだ。

  • 最後のよくわからなさが初めてしっくりきた作品。
    とは言え全体のイメージを覆すまでには至らず。

  • この人の本はいつもぐいぐいと引き込まれて先を読まずにはいられなくなるのだけれど、本書は珍しく、むしろ小休止が必要だと感じた。頭の整理が追いつかない。。
    入れ子型なのかと思えばそんなに単純な設定ではなく。内側と外側、ときた。
    芝居をする人、見る人、語る人。はて、何が芝居だったのか。誰が誰を見ていたのか、見られていたのは誰か。

    芝居ものならストーリー展開の見事なチョコレートコスモスの方が好みだけれど、観点はまるで違う。あれは役者魂とでも言うべき演じる先にある世界を描いた話。これは演じることそのものの不思議を描いた話、だろうか。巧妙過ぎて、唸るしかなかった。

  • ≪県立図書館≫
    150ページくらいで飽きてしまった。

    でも、終盤になってくると、読むのに勢いがでてきた。
    本当、一連の劇を観ている感覚になった。
    一冊丸ごと、劇。

    最初は、読みにくくって、分かりにくかったけれど
    最後は、すごくまとまった感覚を得ました。
    変わった感じの本だったなぁ。

  • 一般的な小説の形式で書かれておらず、同じ場面が繰り返し登場するので、読み始めは少々面食らいました。途中から舞台の脚本という設定が入っている事がわかったが、やっぱり読みにくかったです。

  • 難しくて理解できなかったので、また読まなきゃなあ…と思ったまま時間が経っている。

  • 面白かった。でも、難しい。
    いま、どこにいるのだろう、と心細くなる。
    曖昧でいて、難解。難解なようで、単純なお話。
    一生懸命、考えようとすると疲れます。
    フジツボとか鴉とか、ちょくちょく挟まれる小話、ぞくっとする。
    それでいて、恩田さんの作品のこういう要素を、楽しみにしてる。
    怖いの、見たいよね。

  • 様々な物語がそれぞれに進んでいく。
    何が起こっているのか一見してわからないけれど、
    何かが着々と進んでいく様子に魅入られる。
    もともとの文章力のせいか、文章にひきこまれる。
    ざっくりとしかわからないのに、なんとなく引き込まれる。
    最後まで一気に読んでしまった。

  • 物語が入り組んでて面白い。
    こういう手法の小説は他にもあるけど、一番「やりきった感」がある。

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