中庭の出来事

著者 :
  • 新潮社
3.19
  • (55)
  • (128)
  • (389)
  • (75)
  • (19)
本棚登録 : 1212
感想 : 208
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971078

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 3人の女優などが登場して、戯曲バージョン。
    同じシーンを3人の女優が繰り返し演じてみせて、実際は何が起こっていたのかを検証してゆく。

    同じ場面ばかり、どう繋がるのかわからない場面を断片的に繰り返しセリフを変えて再現しているので、変化がなくて読んでいて退屈だった。

    実験的な手法で、自分には合わなかった。

  • 構造の妙はあるが、ミステリーとしてのストーリーは平凡。

  • ホテルの中庭での不可解な死。自殺?他殺?犯人は?全体の設定は「よくもこんなことを思いつく!」と驚愕しますが、構成がなかなかクセモノ。読み上げるのに非常に体力を使います。面白いが、辛い。設定が素晴らしいだけに残念。違う見せ方ができたような。。。実験的な作品なのかしら。。。

  • 2007.04.14

  • ぱらぱら見ると台本がちらほら目に入り、なんとなく読むまで時間がかかってしまったが私にはとんでも本だった。

    『木漏れ日~』の後に読み出したので、同じような隠されている印象にまたかと思ったのだが、謎を追いかけていくという点で第三者である読者が置いていかれるのは同じでも、まったく別の要素で見せられた。

    一人の男の死にまつわる謎を、台本、旅人、中庭とあらゆる視点から追いかけていく。何度も同じようなシーンが繰り返されるが、何所かしら違うことに気付く。また同じ話なのに出て来る女優3人が性格によって受ける印象が違うのも当然ではあるが魅力的だ。特にラスト、それぞれの女が選んだ作品がまさにらしさが出ていておもしろい。さらにそんななか、飽きさせない小話がまたなんとも珍妙でぐいぐい引き込まれる。

    ミステリでよく真実を問われるが、この劇は観覧者の望み通りの真実を叶えられる。お望みの真実を語ると女優は云う。果たしてどれが現実なのか、はたして現実とはなんなのか。あやふやな虚構で踊らされているのが自分だけだったと気付いた時には、それこそ拍手を送りたくなった。

    あまり評価が高くないため人を選ぶ実験的要素もあるかもしれないが、最後の一幕まで楽しませて戴いた。

  • 前に読んだ、女優さんが出てくる「チョコレートコスモス」が面白く、この「中庭の出来事」も女優さんが出てくるらしいので手に取りました。

    恩田陸さんは、不思議な世界観を作り出すのにかけてはホントにピカイチだな、と感じました。
    現実にありそうでない、美しく脆く繊細な世界。
    この作品も、そんな不思議な世界観にぐんぐん引き込まれていきました。
    全然関係のない3つの出来事が、まるでそこらじゅうに散らばった霧が混ざるように、少しずつ混ざっていく。またバラバラになったかと思ったら、今度は一瞬の内に混ざりきり、最後は濃くなってしまった霧で何もかも曖昧になってしまう。
    そのコントラストがたまらなく美しく、しばらく本の世界に留まって余韻に浸っていました。

    個人的に演劇をしてる身としては、役作りに関してのことは大変興味深く参考になりました。
    ただシェイクスピアの訳は小田島さんより福田さんの方が、恩田さんの美しい流れるような文章にあっていたかと思います。

  • 2014年6月22日。

  • 恩田陸の作品好きでけっこう読んでるが、これは酷い。
    はじめて100頁過ぎたあたりで挫折した。

    同じシーンをなんども繰り返す。意味があるんだと思うが、小説家としての技巧を見せつけたいだけか、頁数稼ぎかと鼻白んでしまい、物語になっていない。登場人物の素性が分からず、誰にもこころを預けられない。

    誰それを殺したのは誰か、という謎解きなのだろうが、ミステリーらしい種の巻き方がおかしいよな、と思う。

    図書館でいつも借りてないくらいきれいだし、古書店でもよく見かけるので気になっていたのだが、納得した。

    これが読みとおせた人はよほどの読書通なんだろうな。

  • 複雑。
    なかなか体力のいる読書でした。

  • 複雑な読み応え。何がどうなって、今どこにいるのか分からなくなり、何度も読み直した。
    私も途中まで場面が変わりすぎて読みにくかったが、ラストが近くなるにつれ一気に読めた。
    現実と虚構。この舞台を実際に観たら本当におもしろそうだ。

全208件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×