中庭の出来事

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971078

感想・レビュー・書評

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  • わかるんです。

    彼女がこれまでずっとやりたかったことがなんだったのか。

    そして何が書きたいのか。

    思わずワタシ「蕁麻の家」まで買っちゃいましたから。

    でも頭打ち。悪い癖。

  • ≪内容覚書≫
    中庭で死んだ脚本家の話。
    中庭で死んだ女優の話。
    中庭で死んだ女の話。
    中庭で待ち合わせる男女の話。
    そして、謎を追う男二人の話。

    5つの話が、視点を変え場面を変え、紡がれる。
    真実はどれ??

    ≪感想≫
    えー、と、つまり?というのが正直な感想。
    恩田さんの本は、めんどくさい。
    めんどくさい本が好きな人にはたまらない一作。
    恩田さんの本は2回読む覚悟で読まないと理解できないのかも。

    男二人がののしり合うシーンで、一瞬盛り上がったが、
    それ以外は、静かな劇場で、淡々と上演が進むイメージの本。

    結局、すべて、フィクション、で、すべてひっくるめて劇、
    と言う理解でいいのだろうか…。
    納得いかないが、読み返すのは面倒。
    時が経って忘れた頃に、再読してみるのもあり、か。

  • 2011.4.12

  • 何度読んでも、どこまでが劇で、どこが現実かわからない。その感覚が癖になる。

  • 長い。中と外のふたつの物語が同時進行だから入り込むというか慣れるまでにはすこし時間がかかる。いろいろ謎を残されるのは好みではないけれどまあミステリとしては楽しめる。でもいかんせん長いので頭の中で混線する。

  •  前作『夏の名残りの薔薇』で扱った『去年マリエンバードで』を解体し、再構築したような話。
     『去年~』は1人の主人公の本来は1つではない、いくつもエピソードを編集でつなげ、観客にはさも1つのエピソードであるかのように見せている。なので観客には「あれ? この話おかしいぞ」っていうところがたくさんある。 たとえば廊下で女性が振り返ると衣装が変わる。かと思えば、壁にかかっていなかったはずの絵が同じ場面にも関わらず別のアングルからのショットになると、突然あらわれるなどである。
     これは一つのエピソードだとするとオカルトの類になるが、別のエピソードを編集によって繋げ直すことによって起きるある種のイリュージョンだと言われれば、観客の疑問は単純明快に解決である。
     恩田陸は器用な作家だ。『去年~』の1人の女優と複数によるイリュージョンに対して、本作では3人の女優に1つの話を演じさせるそれに加え、2重の入れ子構造の話だ。明らかに本作は『去年~』にくらべ複雑さで勝っている。恩田陸による複雑さへの挑戦といえる。恩田陸は過去の良作を進化させていく天才だと感じた。
    新しい作品も読みたい。

  • 陸さんの本はこの本が初めて。
    同じ場面を違う登場人物で繰り返したり
    内側のお芝居と外側のお芝居が入れ子になったり
    頭がこんがらがる作り。
    夢野久作の「ドグラ・マグラ」やロバート・A. ハインライン の「夏への扉 」の匂いをちょっぴり感じる。

  • 瀟洒なホテルの中庭。こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。芝居とミステリが融合し、まったく新しい恩田ミステリの幕が開く―。

  • 虚実織り交ぜて書かれているわけだから、「ん?どっちがどっち?」感があるのは構わない。
    問題はあまりにも冗長で退屈なこと。

    延々似たような場面が繰り返されるのは本当に苦痛。
    要素一つ一つは非常に面白いのに、束ねてみると、「ああそうですか」となってしまう。
    正直、謎解きだのなんだのどうでもいい。
    三人の女優も脚本家も、ここまで冗長にダラダラ続けられると、食傷もいいところ。
    だからなんだという感じ。好みではありましょうが。

    「旅人」のくだりが一番面白かった。
    舞台設定もすごーく良かった。霧の中を線路伝いに歩くとか。
    駅舎を改造した舞台とか。
    舞台の上に、いつの間にか一人増えている、とか超面白いのに。
    これをメインに、フツーにミステリーにすれば良かったのでは。

    チェーホフだのシェイクスピアだの持ち出された日にゃあ。本気でうんざりした。
    それくらい、私にはあのへんが必要とはとてもではないが思えなかった。小説世界としてものっすごい必要だと思って作者が挿入したのであれば、読み取れなくてスイマセン、て感じ。
    (ヘレナという女性像が必要だったのは理解できましたけど)
    中途半端な女優論とか演技論とかやめてもらえますか。しかも長い。

    ……で?
    と思った読後感でありました。演劇モチーフということで期待していたので、相当ガッカリ。
    どんな条件でこの長さの小説にしたのかは知りませんが(連載のようだったから?分量や連載回数は決まっていたのかもしれませんね)、無理やり長くしたという印象を受けたのは私だけでしょうか。
    意地の悪いレビューでスイマセン。
    恩田先生、ほかの作品期待してます。

  • とても不思議な物語だったとだけ。

    全てが嘘だったけど内容は真実だったという感じ。

    きっと深く読み直すと様々なトリックがあるんだろうなぁ。いわゆる地の文に隠されたトリックとか。

    ただラストへの集約のスピード感はちょうどよかったかも。この手の謎だらけのお話はあんまり唐突にちょんぎられても困るし、結末が予想できてからが長いと飽きてしまう。
    そういった意味で謎明かしが始まってからはテンポよく話が飛躍し主題がはっきりしていっておもしろかったなあ。

    でも、ホント求めるものは与えられるけど真実ではないのだよなぁ。
    逆に真実でないから欲しいものを得ればいいということなのかなぁ。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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