小説の誕生

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著者 : 保坂和志
  • 新潮社 (2006年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103982067

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小説の誕生の感想・レビュー・書評

  • 読んで、はいっ!おしまい。というタイプの本ではない。直接この本から何かを得ようとすべきではないし、時間がないときに読むべきではない。時間があるときにじっくり読んで、ときどき本を閉じて思索にふける、というタイプの本である。決して今の時代のニーズには合っていない本である。しかし、彼の思考に付き合える人にとっては、著者と濃密な時間を共有することができるだろう。

  • 小説とは一体何なんだろう。
    小説が社会に対して与えれる力とは何なんだろう。
    小説を書くという事は、いったいどういうことなんだろう。
    ひたすら問い続けるシリーズ。

  • 前作に続いてぐねぐねと小説について語り続ける。このぐるぐると回る感じが小説を読む楽しみでなくてなんだろう。小説について批評の言葉で語ることに常に違和感を覚えていたので、こういう本は嬉しい。

  • 思ってた通り、非常によかった。「小説の自由」に続く小説論。であり、ある意味でこれもすでに小説である。というこの作品。きっとこれから先、何度も何度も読むことになるだろうと思う。この作品では多くの引用があるけれど、その部分もなんとかかんとか読んでいくことが重要だろうと思う。そうしないと、言わんとしたいことが掌からいつのまにか零れ落ちてしまう。あとがきで背中がぞくっとした。6月に脳梗塞で倒れ、意識が戻る可能性はまずないとすら言われている小島さんに関する記述で。言葉をかみ締めた。(06/10/23)

  • 保坂和志「小説の誕生」http://www.chuko.co.jp/bunko/2011/08/205522.html … 読んだ。おもしろかった。小説論3作で一番読みやすい。要約も説明も結論もないのが小説。音楽を聴くように美術作品を見るように小説を読む(なるほど!)小説世界の体験が自分の思考へ作用する。哲学書を読む楽しさがあるなあ

  • 今回はやけに説明的で、本人が言うほどロールしてない。非常にひとつひとつは面白いはずだけど、いっさつめを読んだ人にとってはくどいし、だから説明的と感じてしまったのかもしれない。むしろ読めば読むほど才能の無さを感じるのは、引用している文章の力がすごすぎるからかもしれない。しかしものすごく賢い凡庸な人間が単なる凡庸な人間に伝えてくれる文章として、非常に価値があるし、面白い。

  • 小説論。レーモン・ルーセル、サミュエル・ベケット、小島信夫、阿部和重など、色んなタイプの文章が読めるのが楽しい。濃密。11章でクロソウスキー「ディアーナの水浴」の話あたりから内容が理解できなくなってしまったが、読んでいるときは脳が触発され、とりとめなく考えが浮かぶ。不思議な読書体験だった。

  • 保坂和志はこのような挑戦的な?ことを言う。 「しかし小説を書こうとすると、ほとんどすべての人は何をどう書こうと、枠のような輪郭のようなものを小説を書く心の中に作り出してしまう。そうすると小説は私の考えていることの広がりにまったく見合わない、筋の通った小さなものにおさまってしまう。」 そうするとどうなんだ。いままで小説家と称されてきた人々は物語作家とでも呼べば良いのだろうか。 言わんとすることは、とても難解なのだが刺激的で再読したいと想わせる作品でした。

  • まえがき―F式前進―
    1.第二期のために書きとめて壁にピンで止めたメモのようなもの
    2.小説と書き手の関係
    3.現代性、同時代性とはどういうことか
    4.外にある世界と自分の内にあること、など
    5.時間と肉体の接続
    6.私の延長は私のようなかたちをしていない
    7.小説を離れてリアルなこと
    8.現実とリアリティ
    9.私の延長
    10.「われわれは生成しつつあるものを表現するための言語を持っていない」
    11.人間の姿をした思考
    12.人間の意図をこえたもの
    13.力と光の波のように
    引用文献リスト
    あとがき
    著作一覧
    (目次より)

  • 「偉大な作家というのは出発点からすでに偉大なのだ」(p344) この「偉大」というのは「異質」という意味なのだけど、たとえば有島武郎のように、柄谷行人をして「どこにも属していないという意味で独特な場所を占める」ような作家も、やはり偉大なのだろう。

  • 良本「小説の自由」の続編。少し難解になったと感じるところもあるが、総じて楽しめるし、勉強になります。

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