女流阿房列車

  • 144人登録
  • 3.48評価
    • (8)
    • (19)
    • (21)
    • (8)
    • (0)
  • 36レビュー
著者 : 酒井順子
  • 新潮社 (2009年9月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103985068

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

女流阿房列車の感想・レビュー・書評

  • 2003年に宮脇俊三が亡くなったというニュースに驚いてから、もう10年以上にもなるのかと思うと、あらためて時の早さに驚く。巻頭を飾る「メトロな女」が小説新潮に掲載されたのは、まだその思い出が人々の旨に色濃く残っている2005年。宮脇俊三と同じ企画で、東京の地下鉄全線を一日 16時間半かけて乗り潰すという作品だ。しかし、酒井順子が内田百けんや宮脇俊三と異なるのは、その企画自体は新潮社の編集者が立てていて、自分は振り回される(のを楽しんでいる)だけというところ。『女流阿房列車』は単に著者の性別が女性であるということだけに留まらず、「ルールを引き擦り回すのではなく、ルールに引き擦り回される」楽しみを描いているという点で独特で、鉄道紀行のジャンルに新たな一ページを加えたと言える。久しぶりに宮脇俊三を読み返したくなった。

  • 「負け犬」とともに、いまや「鉄子」としてのキャラクターも確立されている酒井さん。本書では内田百閒の『阿房列車』に敬意を表してということで、阿房な企画を敢行している。鈍行だけを使って24時間でどこまで行けるかとか、9時から17時まで同じ列車に乗り続けるとか、こだまで博多まで行くとか。でも、白眉は1編目の「メトロな女」に決まり。東京メトロと都営地下鉄全線を一日で完乗するというもの。
    これが阿房でやるせないのは、何といっても堂々巡りしているところだと思う。鈍行列車に一日乗り続けても、それが前に進むのならまだすくわれる気がするんだけど、行ったりきたりはつらいだろうなあと思う(読むぶんには面白いけど)。あと、この企画が優れているのは、その気になれば自分もできるところだな。その気になればできるけど、たぶんやらないだろうことをやってくださっているという面白さ。
    男性の鉄道好きは乗りつぶしたり写真を撮りまくったり、行程どおりに乗り継いだりといった制覇・征服的な色があるが、酒井さんが鉄道を好きなのは、揺られてどこかへ連れていかれるところなのだとか。それが女性的なもので男性のテツとは違うかもといっている。たしかに地下鉄完乗は内田百閒もしているけど、これ、酒井さんのオリジナルで出てくるともあまり思えない。酒井さんが乗ることになったのも、鉄道好きな編集者の差し金らしいし、酒井さんはその企画自体に揺られてどこかへ連れていかれちゃう人に徹している。男女のテツ具合の違い、なるほどという気が……。

  • 鉄道に乗ることが目的の旅、とても羨ましい。
    日本橋-三条大橋の東海道五十三乗り継ぎは、実際の東海道から外れつつもできるだけ多くの交通機関を利用するというコンセプトが楽しそうで、本のとおりに旅してみたら楽しいだろうなぁ。

  • 続けて酒井順子の鉄道もの

  • 面白くない。著者が鉄道をそんなに好きではないからか

  • 著者が実際に行った、ある意味苦行のような鉄道旅の記録。

    地下鉄全線完乗など、大変すぎるがやってみたくなる。
    時間と手間がかかるこんな旅、苦行だけど贅沢。

  • 東京の地下鉄全線完乗、はわたしもやってみたい。
    が、この本の刊行当時より地下鉄の路線も増えてるから大変だろうなあ。
    あと東海道53乗り継ぎも。

  • 2013/3/24-28
    三鷹中央
    期待以上に面白かった。根室本線、新幹線各駅停車、九州油の旅はやってみたい。
    装丁:SAMURAI

  • 敬愛する内田百閒先生の「阿房列車」というタイトルが目に入って、偶然図書館で手に取った一冊。紀行文好きな私からしても、内容は暇つぶしレベル。

  • 企画は面白い。
    が、淡々としているせいか、作者が楽しんでいる様には感じられない。寧ろちょっと辛そう…?

    まあ、鉄道愛は人それぞれ。
    私だったらテンションが上がり過ぎて、メモなど取る余裕などなくなり、後から文章に纏めるなんて出来ないだろうから、こういう冷静な視点でのレポートというのも、きっとアリなんだろう。

  • 面白かった。
    安心して読めるというか、なんだか読んだことのあるような。宮脇俊三へのリスペクトが多分に入っているのは良く分かる。
    付け加える要素が何もなくて、新潮社の編集長の言葉そのものなのだけど、

    ・百閒、宮脇俊三と続く由緒正しい阿房列車の系列であること。
    ・マニアが書いた本ではないこと

    というのが、いいところなのだと思う。とくに後者が大きいと思う。マニアがマニアを想定読者として愛をぶつけているのはほほえましくはあるが、気色悪くもある。
    宮脇俊三と種村直樹の違いである。

    百閒にしても宮脇俊三にしても、いい年をして・・・、とか、いい大人が何をそんな・・・ とかいうところが味なのだった。
    たぶんこれは早いもの勝ちなんだろう。百閒は、作家がそんなことを・・・であり、宮脇俊三はきちんとした勤め人の裏の顔である。
    なるほど、彼らと同系列にいて文章も面白い阿川弘之の鉄道エッセイがいまひとつぱっとしないのはこういうわけか。

    新たな意外性の境地を切り開くという意味では、作家や勤め人の次は、女性である。
    「女子」「女流」とうたう酒井順子は論理的にもマーケティング的にも鋭いと思う。
    「次は女性」なんて書いているけど、出てくる前は気がつかない。やられてはじめて、きれいに一本取られたことに気がつく、そんな鮮やかさである。

    内田百閒、宮脇俊三と続く大看板の後継者は酒井さんです。祖師、中興の祖、の次なので大変でしょうけど、これからもいい本書いてください。応援しています。

  • 「負け犬の遠吠え」の酒井順子が「東京の地下鉄全線に、一日で乗ってみませんか」という編集者からの提案に、何となく「はあ」と答えた結果、「鉄道を使って、つらい体験をしてみる旅」を次から次へすることになる。編集者が提案してくる企画は、東京の地下鉄全線完乗16時間22分の他に東海道を53回乗り継ぎ日本橋から京都を旅する膝栗毛な女、東京から博多までこだま号で完乗するこだま号の女など。
    「女子と鉄道」の筆者としても知られる鉄道好きの酒井さんが、内田百閒よろしく、鉄道に乗りつつ阿房になりきることの心地よさを伝える。

  • 電車に乗って、旅をしたい。
    電車好きでもないのに、
    そんな気分にさせてくれる本。

  • 鉄道エッセイ。
    『鉄子の旅』は読んだことあったので、タイアップ企画は面白かったです。様々な点で(例えば景色の描写ひとつとっても)視点が違っていてはっはんと思いながら読んでいました。でもやっぱりお弁当が楽しみなのは変わらないのねw
    『鉄子の旅』よりはこっちの方が食にこだわりはないようでした。てか、感情の起伏があんまり…?

    阿房列車読みたくなった。家のどっかにあったなあ。

  • 『女子と鉄道』で鉄子ぶりを披露した酒井順子さん。今回は何と「阿房列車」を名乗ります。
    内田百閒-阿川弘之-宮脇俊三と続いた系譜は、宮脇氏が亡くなつたことにより途絶えたかと思はれましたが、ここに後継者が現れたか、といふ阿房ぶりであります。
    「女流阿房列車」の特質は、旅のプランはすべて新潮社のT氏(「出版界一の鉄人」ださうな)によるものであり、酒井さんはその過酷な旅程の遂行に全力を尽くす、といふ点でせうか。
    従つてどちらかといふと「鉄子の旅」文章版と表現する方が近いかも知れませぬ。
    (実際に「鉄子の旅」とのコラボレーションが実現、本書にも菊池直恵さんの漫画が収録されてゐます。)

    東京の地下鉄を1日で完乗したり(メトロな女)、廃線跡を訪ねたり(廃線跡の女)、最終旅の帰途に「個室寝台車」に乗つたり(旧国名駅の女)、宮脇俊三さんへのオマアジュとしての旅も目立ちます。私は「東海道五十三乗りつぎ(膝栗毛な女)」が面白かつた。終盤で、あと3乗りつぎ足りない!とか言つて無理矢理近江鉄道に乗るくだりなど、笑ひました。また、愛知県人としては地元の愛知環状鉄道、リニモ、ガイドウェイバスなどが取上げられてゐるのが嬉しい。酒井さんの「しかし『愛環梅坪』って、妙になまめかしい駅名だなぁ」といふ感想には驚きました。旅人の視点とは面白いものです。

    巻末には、『鉄道ひとつばなし』以来、「テツ学者」として有名になつた原武史さんとの対談があります。酒井さんとはなかなか意見が咬み合はないところが愉快であります。これは男女差といふよりも双方があまりに特異な嗜好を持合せてゐるためと思はれます。
    「小説新潮」誌上での阿房列車は完結した模様ですが、酒井さんにはぜひとも列車に乗り続けてもらひ、続篇を期待するものであります。
    では、失礼。

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-61.html

  • *列車に乗るのが大好きな著者が、地下鉄や鈍行列車を乗りつくす?*
    栄えある最初の列車は地下鉄、しかも一日で全路線網羅です。食べる暇はもちろん、食料を調達することすら難しかったとか。いきなりハードルが高い(笑)。
    他にも『鉄子の旅』という鉄道旅漫画に同乗してみたり、油物を食べる旅に出たりと、一味違った旅の面白さを、著者独特の文章が引き立ててくれます。

  • 女子と鉄道に続く酒井順子の鉄道エッセイ。
    普通のエッセイだと鼻持ちならないところのある酒井順子さんですが、鉄モノは違いますね。

  • 意味もなく電車に乗る、という行為がしたくなりました。

  • 鉄道に乗りて~~~~~!!!!

  • テーマ(縛り)のある、でもゆるい感じの酒井女史による鉄道旅行記。「メトロな女」が最高だった。鉄道に対する酒井女史のスタンスが良い。

  • 他人に計画を立ててもらうという珍しい紀行文。
    絶対に起きていないといけないとか、普通列車でないといけないといったような厳しさとは対極の、ビューポイントでも平気で寝てしまう緩さが良い。

  • 装丁が佐藤可士和なんだ。

  •  鉄(鉄道オタク)の女性作家による紀行エッセイ。T氏の指令をもとに、過酷な鉄道の旅に挑みます。大変だなと思う一方で、自分も鉄道で旅をしたくなります。鉄道への「愛」に満ちた一冊。

  • 2010/04/21 いちばんやってみたいのは、地下鉄のりつぶしかも。

全36件中 1 - 25件を表示

女流阿房列車を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

女流阿房列車を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

女流阿房列車を本棚に「積読」で登録しているひと

女流阿房列車の作品紹介

鉄道よ、わたしを何処へ運ぶのか。乗ってるだけで幸せな、「乗り専」女子鉄・酒井順子が、マニアはうなり、人はあきれる、艱難辛苦旅にいざ出発。

ツイートする