風は山河より 第一巻

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著者 : 宮城谷昌光
  • 新潮社 (2006年11月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104004157

風は山河より 第一巻の感想・レビュー・書評

  • 戦国時代に菅沼氏がいたなんて知らなかったけど、興味深くなりました。

  • 戦国時代への序章。三河近隣での武士の生き様を描く。
    第1巻では,今川方であった野田城主の菅沼新八郎定則が家康の祖父である松平清康に魅せられ,松平方に寝返り,それが間違った選択でなかったことを悟る。清康は目が大きく,宝石のように澄んだ輝きを放っていたと三河物語では言う。同時に,無限の優しさを持ち,人を追放したことも処罰したこともなかった。いかなる臣下も松平家の役に立つのであり,ゆえに”人を惜しむ”という心でことにあたってきた。
    ひょんなことから,古河公方が戦乱の世に我が子を巻き込みたくないということから,落ち延びさせた子を新八郎はそうとは知らず,自分の猶子にしてしまう。
    また,西郷孫太郎正勝に嫁いだ新八郎の娘がたくさん子供を生むが,その中の一人の女子が徳川二代将軍秀忠を生む西郷の局の母となる。
    話は後のこととなるが,野田菅沼家は徳川将軍家の親戚となるのである。
    ここで,戦の話であるが,松平の戦法には確定したものがなく,また,籠城という思想もなかった。これは,後世の家康にも当てはまり,武田勢の侵略を見て,浜松城から出撃して三方原で惨敗する。兵力の衆寡を考えないのが松平家の一貫した戦い方という。
    2巻。清康は,実質的に斉藤道三が支配する美濃攻略の道筋をつけるべく尾張の守山を攻略の策源地にしようと考え,守山を治める織田信光に伺いをたて,快諾を得る。しかし,信光が,その兄の織田信秀とひそかに呼応して清康を討ち取る策をとるとも考えられる。家臣たちは清康に諫言し,清康もしぶしぶその諫言を受け入れる。清康の兄であるが,庶出であるため棟梁になれなかった松平信定は様々な行きがかりから今回の美濃攻略に出陣しておらず,これまた家臣たちに清康外征中に松平家を乗っ取るのではないかと不安がる。その不安が,家臣たちの混乱を招き,家臣の安部定吉一家が内通疑いを掛けられ,檄昂の余り定吉の子の安部弥七郎が清康を弑してしまう。これを守山崩れと言い,棟梁を失った松平家がこれから混乱の様相をみせていく。清康の子,広忠は,暗殺から逃れるため,流浪の末,今川を頼りつつ,本拠地の岡崎城へ帰城を果たすのである。清康が滅びたのは,一度,清康が信定を叱呵したことが遠因となったが,怒り怨むことはおのれの滅びを招くのだと新八郎は考えた。三河の混乱に織田信秀はつけ入ることを忘れない。矢作川をはさみ,岡崎城の正面になる安祥城を奪い,三河侵略の先手を打った。それに対し,松平方も岡崎城と,安祥城を挟む形となる小河の水野家と婚姻関係を結ぶ,広忠と水野家のお大の方を結ぶというものだ。お大の方は,いわゆる家康の母である。
    3巻。お大の方は,竹千代が生まれる前,男子誕生を祈願して,厳冬の鳳来寺に籠る。鳳来寺の薬師如来に祈願したことから,家康は薬師如来の生まれ変わりだともいわれた。と同時に,野田菅沼家にも嫡男が生まれる。この子こそ,武田信玄の最後の戦いの相手となり,天下に驍名を馳せる野田定盈である。
    竹千代(家康)誕生後,水野忠政は死去する。水野家を継いだ信元は,父の忠政の松平と組んで,斉藤道三とも結び,織田を包囲するという方針を180度転換し,織田方に趨る。このため,やむなく松平広忠はお大の方を水野に返す。小河に戻ったお大の方は,久松俊勝に再嫁し,三男四女を産む。その三男は後に家康から,生母が同じであることから松平姓を与えられ久松松平となり,子孫のひとりは伊予松山十五万石を領する。
    織田からの侵略の脅威に晒されている岡崎松平家は内紛もあり家内の戦力はそがれていく。進退きわまった広忠は今川に助けを得るべく,竹千代を人質として駿府に送ろうとするが,その途中,なんと竹千代は織田方の(というか,今川憎しの)戸田正直に略奪され,織田方に送られてしまう。
    四巻。人質となった竹千代は織田での軟禁生活を余儀なくさ... 続きを読む

  • 風は山河より 全5巻
    家康の祖父と同時代を生きてきた野田菅沼一族3代の物語。今川家、武田家と云う巨大勢力に屈伏せず生き抜いてきた三河武士の根源をみた。
    作者のいままで中国王朝の作品と比べると固さがあったのが残念

  • 菅沼家三代の物語。菅沼定則・定村・定盈と並行して代替わりをしていく松平家三代(清康・広忠・家康)の物語でもある。

  • 中国古代史が専門かと思っていた宮城谷昌光氏が書いた初の日本の歴史小説です。地元三河の歴史を丹念に掘り起こして、奥三河の豪族たちの興亡と悲哀が描かれています。クライマックスは野田城攻防戦です。「6000人分の水を所望!」と叫んだことで起こる意外な結末には、戦国武将たちの心意気を見て感動します。

  • 松平家は清康ー広忠ー家康の3代
    織田家は信秀ー信長の2代
    今川家は氏親ー氏輝ー義元の3代
    菅沼家は定則ー定村ー定盈の3代
    に渡る長大な物語。
    この本には多くの知識が詰まっています。
    織田信長が上総守でなく次官の上総介を名乗っている理由とか。上総と上野と常陸が親王任国だったとは初めて知りました。

  • 時は戦国時代。
    織田信長や徳川家康の祖父らが活躍していた頃です。
    物語は主人公・菅沼新八郎定則が家康の祖父、清康について尋ねるために
    兄の元を訪れるところから始まります。

    武力を用いることは必要最低限にとどめて、清康はその人徳と外交の妙で
    大名や豪族を従えさせていきます。
    新八郎はその姿には不思議な美しさがあると胸を打たれます。

    第一巻は一つの時代が終わったという感じを与える終わり方をします。
    これから新八郎がどう時代を生き抜いていくのかに期待しています。
    また、新八郎が川原で拾った「四郎」という男児にまつわる話にも
    興味を覚えました。

  • 日本物でも健在、宮城谷作品の、主人公は当然、その周辺のいきいきした厚みのある人物像と、切ないエピソード。ただやはり日本ものは群雄割拠だから、ちょっと地味だと埋もれてしまうのかも……日本史の根強いファン、自分なりの人物像が強いファンには受け入れにくいこともあるだろうし。ただ私は、歴史を考えるときはやはり誰も現実を見てきていないのだから、いろいろな見方を柔軟に受け入れることこそ真の歴史愛好家だと思う、とか……ちょっと偉そうに言ってみた。言いたかったのは、あまりこだわらず物語を楽しんでほしいということ。ま、これは確かに、ちょっと難しい細かい話も多いのだけど、それでも空気は素敵。

  • 中国の歴史小説を書いてきた、宮城谷昌光氏の最初の日本の歴史小説。

    主人公は菅沼新八郎、戦国時代、三河野田城主、家康の祖父清康の家臣。

  • 宮城谷昌光先生の本。戦国時代三河の菅沼新八郎定則のお話。徳川家康の祖父にあたる清康の時代。戦国時代といえば、織田・豊臣・徳川ら辺りしか分からなかったが、その先を遡って物語りは進行するので、とても勉強になった作品。

  • 野田城にわずか四百で籠城し、三方原で大勝した武田信玄3万の大軍をひと月の間防ぎきった菅沼定盈。信長が激賞し、家康に信頼され、信玄が家臣としたがった名将の活躍を描いた長編です。定盈を描くために、祖父・定則から物語が始まり、父・定村をはじめ、ものすごい量の武将が登場します。

    2007.8.31読了

  • 宮城谷さん初の日本歴史小説 正直どうなのかと思っていた自分がアホのように面白いです

  • 信長以前の三河がこんなに面白かったとは。
    流石に目のつけどころが違います。
    私にとって松平家は旧主筋にあたるので感慨深くもあります。
    久しぶりに本を読んでて楽しかったですね。

  • 久しぶり著者の語彙、知識の豊富さに懐かしさを感じるが、食傷気味。隣国東三河は地理感もあり、往時の地名・武将はこうで在ったかと思い廻らす。

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