1950年のバックトス

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著者 : 北村薫
  • 新潮社 (2007年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104066063

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1950年のバックトスの感想・レビュー・書評

  • 万華鏡
    恐怖映画
    百合子姫・怪奇毒吐き女

    が、特に印象に残った。

  • #たった2ページ足らずの掌編なのに、鮮烈な印象を残す「手を冷やす」。氷の握り合いをする子供時代の挿話を手がかりに読めば、この男の子が「あなた」に対応し、痛みに耐えかねて氷を──手を離してどこかへ行ってしまうことを予感した、ということか。「残された私は、おかしい程みじめになって」。

    #でもまだちっとも分かった気がしない。万年筆のインクの玉の、この異様な不穏さは何だろう? なのに、わからないのに、最終行で「私」が抱く確信が、まったく同じたしかさで読者に「解って」しまうことがおそろしい。

    (2009/03/27)

  • 『月の砂漠~』『ひとがた流し』と再読した流れでこちらも再読。
    様々な色で魅せてくれるショートショート集。
    表題作、「昔町」「アモンチラードの指環」「万華鏡」あたりが好きです。
    そしてなんといっても「ほたてステーキと鰻」。
    短い作品ではあるものの、さきちゃんとお母さんのその後が描かれていて、嬉しい1篇。
    北村さんの作品を読むと、その文章の美しさにほっとする。

  • 最初の数編を読んで、これはまたホラー集かと恐れおののいたけれど、そういうわけでもなく。笑い話もあり、ほっこりと心温まる良い話もあり。
    このネタを短編で使ってしまうのか、と思ってしまう話も。しかし長編においても、北村氏はアイデアを惜しまないお方。さすが、盛り沢山の短編集でした。
    最後に「ひとがた流し」の後日談のような小編があって、嬉しかったです。

  • 短篇集です。個人的に心に残るような素敵なお話がいくつもありました。
    「洒落小町」はユーモアがありつつほんわかとしていて。夫婦は似てくるんだなぁと思ったりしました。
    「1950年のバックトス」は『野球の国のアリス』が好きなわたしにはたまりませんでした。

  • 全23話収録の短編集。
    ぞくっとくるホラーあり、くすっとした笑いあり、不思議なミステリーあり、
    まさに北村薫の魅力を少しずつ収めた導入本のような立ち位置に思えます。
    1話あたりが10ページちょっとなので、サクっと読めます。
    この手軽さも魅力ですが、半分物足りなさも覚えます。
    彼のファンならばやはり短編よりも、じっくり読める長編なのかも。

    ベスト3をあげるならば、個人的に「百物語」「洒落小町」「1950年のバックトス」でしょう。
    「百物語」は北村ミステリーの中でもちょっと異質。
    しかし、空想の恐怖を身近なものとするあたりの上手さってば、さすが。
    「洒落小町」は北村薫のもう一つの顔。落語に近からず遠からず、
    まさかの”ダジャレ”オンパレード。
    でも若夫婦のライフスタイル・ストーリーがしっかりしてて、
    それに合わせたセリフに上手く挿入されて面白い。というか上手い。
    「包丁ドキ胸(北条時宗)」「原稿(元寇)」なんてオチもあってなおよろしい。
    「1950年~」は表題作なだけあって、完成された作品です。
    時を越えた偶然の出会いを、少年野球をベースに、
    小さな子供を持つ母親の視点から、上手に描いています。

    どれも気軽に読める作品ばかりなので、
    寝る前読書にはもってこいの1冊でした。
    電車の移動中途とかにもぴったりかも。

  • 短編集。本の前半は怖い話。
    何気なくさらりと読ませるがジワっと怖い。包丁の話とか。
    それと、昔町がとても怖かった。あの状況にポツンと一人置かれたら、まるで離人症ではないかと。
    現実感を失うって感覚はとても怖いんだからねっ。

    後半は怖くない話が増えたので、読後感はさっぱりと悪くない。
    洒落小町の膝がガックリするような旦那様のダジャレにニヤニヤし、表題作のお祖母ちゃんニコニコし。
    林檎の香に縁というものを思って背中を押したくなりして、怖い話を忘れて本を閉じた。

  • 2012.3.20読了。

    「生涯を考えるなら、生まれたポイントから始まり、最後の点に至るまでの、移動の道筋というものは誰にも必ずある。」

  • 短編小説集で、途中北村さんらしい小難しい謎解きなどもあり
    そこで、忍耐力がなかった時期に読んだらしく挫折していた跡があった
    今回は最初から最後まで、それぞれの短編がおもしろかった
    北村さんの小説は、やさしくていて淡々としていると思う
    短編になるとその感覚が更に深まるようなきがする

  • ミステリとホラー。
    似て非なるものと思っていましたが、けっこう近いのかもしれません。
    これまでの北村薫氏の印象が少し変わるかもしれません。

  • さすがの手練れぶり。

  • 短編やショートショートを通り越してネタ帳。
    ネタとしては非常に面白いが、いかんせん、不完全燃焼。表題作とトップの話が一番面白かったが、やっぱりモヤモヤ。

  • 4/21/10図書館
    11/19/11図書館

  • 著者の短編集。
    最初の数編がホラー?、それが本当に怖い。北村薫らしくなくてなじめなかった。その中でも、表題の「1950年のバックトス」「林檎の香」「ふくらと」はよかった。

  • ささやかなことや、少しの怖さなんかが少しずつ入った短編集。

    餅切包丁の話にびくびくしながら読みました。何事もなくてよかった

    表題作は少し長めで、ジャンルは感動ものです。うるっときます。
    やっぱり、何かに熱中して一所懸命やってきた人が魅力的なお年寄りになるんだよなあとしみじみ。

  • そうなのだ。これが『短編』が『短編』であることの所以なのだ!!

  • ショートショートといっていい長さの短編集。テイストはいろいろだけれど、しんみりするようなのが多いかな。
    お気に入りは「百物語」。この不気味さは非常に好きです。こういう話にはぞくぞくしちゃうぞ。明かりを消していく過程も秀逸。
    「真夜中のダッフルコート」も好き。「OL進化論」が好きなので、「あ、あれか!」とすぐに分かりましたけれど。そうか、なるほど! と思いました。

  • 短編集。
    安心して読めた。どれも良作。

    読み終わったときの、気持ちの持ちようをこれほど変化させられるのってすごいなと思う。
    あげればきりがないが、いくつか。
    「ふっくらと」
    祖父の説明書の読み込み方がかわいらしいぶん、孫からのメールの内容を読んでいる。その心情の深さにほっこりさせられる。
    「凱旋」
    戦争を知らない、私であっても胸に迫るものが有る。こういうものを沢山、読まないと戦争にもう触れられない、それでも戦争自体は迫ってくるという、苦しい時代になってきている。
    「1950年のバックトス」
    女の強さを感じた。あの時代の人々がリンとしているのは、こういう体験を経ているからだろうな。気持ちの芯が強い。私たちよりもよっぽど、生死に近いところで生きてきたものたち特有の強さだ。

  • 短編集でさらっと読める。言葉遊びのような文章。北村薫の本を読むと日本語が美しいと感じる。

  • 2009/08/11-2009/08/15

  • 『かるかや』、『1950年のバックトス』、『ほたてステーキと鰻』が特に好きです。3編とも女性が主人公ですが、それぞれまったく別の世界を描いています。『かるかや』は、女性から男性に向けて書かれた書簡体の形式をとっています。二人が会った日に、女性はずっと以前から気になっていたある浮世絵に関する謎を男性に話します。そのあと、その謎が解けたということを手紙に書くのですが、その謎の本当の意味は浮世絵や歌舞伎の話にくるめて直接的には書かない。あなたにはわかるでしょうと、言外に。小説の形式が、女性の1人称や3人称ではなく、男性が読むことを前提とした手紙だということが、よりはっきりと女性の人物像を浮かび上がらせます。この男性のようなタイプの人物に魅かれる彼女という人が見えてくる。男性にとっては怖いでしょう?、たぶん。『1950年のバックトス』は、さわやかな風が吹き抜けるような小説。バックトスのあの瞬間のシーンはスローモーションを見るようでたぶん息をとめてたと思う(私が)。スポーツのワンシーンであっても、映像より言葉の方が表現で勝ることもあります。ちなみにタイトルでいちばん好きなのは『百合子姫・怪奇毒吐き女』。

  • 短編。ちょっぴり怖いのも。
    「ひとがた流し」のその後、「ほたてステーキと鰻」も。
    「万華鏡」「百物語」「包丁」「林檎の香」「1950年のバックトス」etc

  • 『ひとがた流し』のその後の短編が入っているので、わくわくしながら読了。
    最近の北村さんのは「……。」というややがっかりな(話が散漫してて)もの
    が多かったけど、これは良かった!!


    個人的に、一番最初の短編で「やられた〜」と思った。
    色々な北村さんのジャンルが圧縮されていて、内容にも差があったけど、久々に北村さんのを読んでて「面白かった」と言えました。

  • 超短編集。
    8割ホラーな感じですね。

  • 不思議な短編集。「万華鏡」が好きだった。ラストの「ほたてステーキと鰻」は、「ひとがた流し」のその後。

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