- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104066063
感想・レビュー・書評
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ホラーな話もあるけど、心が温かくなるようなお話が嬉しい。
年を重ねて旅行に出た夫婦や、婚約者の母から指輪をもらう話など。
表題作の時を超えた再会に感動。
タイトルの意味にぐっとくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『月の砂漠~』『ひとがた流し』と再読した流れでこちらも再読。
様々な色で魅せてくれるショートショート集。
表題作、「昔町」「アモンチラードの指環」「万華鏡」あたりが好きです。
そしてなんといっても「ほたてステーキと鰻」。
短い作品ではあるものの、さきちゃんとお母さんのその後が描かれていて、嬉しい1篇。
北村さんの作品を読むと、その文章の美しさにほっとする。 -
短編集。本の前半は怖い話。
何気なくさらりと読ませるがジワっと怖い。包丁の話とか。
それと、昔町がとても怖かった。あの状況にポツンと一人置かれたら、まるで離人症ではないかと。
現実感を失うって感覚はとても怖いんだからねっ。
後半は怖くない話が増えたので、読後感はさっぱりと悪くない。
洒落小町の膝がガックリするような旦那様のダジャレにニヤニヤし、表題作のお祖母ちゃんニコニコし。
林檎の香に縁というものを思って背中を押したくなりして、怖い話を忘れて本を閉じた。 -
2012.3.20読了。
「生涯を考えるなら、生まれたポイントから始まり、最後の点に至るまでの、移動の道筋というものは誰にも必ずある。」 -
そうなのだ。これが『短編』が『短編』であることの所以なのだ!!
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短編集。
安心して読めた。どれも良作。
読み終わったときの、気持ちの持ちようをこれほど変化させられるのってすごいなと思う。
あげればきりがないが、いくつか。
「ふっくらと」
祖父の説明書の読み込み方がかわいらしいぶん、孫からのメールの内容を読んでいる。その心情の深さにほっこりさせられる。
「凱旋」
戦争を知らない、私であっても胸に迫るものが有る。こういうものを沢山、読まないと戦争にもう触れられない、それでも戦争自体は迫ってくるという、苦しい時代になってきている。
「1950年のバックトス」
女の強さを感じた。あの時代の人々がリンとしているのは、こういう体験を経ているからだろうな。気持ちの芯が強い。私たちよりもよっぽど、生死に近いところで生きてきたものたち特有の強さだ。 -
短編集でさらっと読める。言葉遊びのような文章。北村薫の本を読むと日本語が美しいと感じる。
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2009/08/11-2009/08/15