気をつけ、礼。

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104075096

作品紹介・あらすじ

僕は、あの頃の先生より歳をとった-それでも、先生はずっと、僕の先生だった。受験の役には立たなかったし、何かを教わったんだということにさえ、若いうちは気づかなかった。オトナになってからわかった…画家になる夢に破れた美術教師、ニール・ヤングを教えてくれた物理の先生、怖いけど本当は優しい保健室のおばちゃん。教師と教え子との、懐かしく、ちょっと寂しく、決して失われない物語。時が流れること、生きていくことの切なさを、やさしく包みこむ全六篇。

感想・レビュー・書評

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  • 6編からなる物語。
    すべて学校が関係したものでした。
    重松氏らしい物語ばかりでした。
    5番目の「泣くな、赤鬼」は少し涙してしまいました。

    さすが重松氏。
    これからも読んでいきたいと思います。

  • 先生をテーマに書いた重松清さんの短編集。

    子供の頃の私達にとって、教室という小さな空間で
    先生は一番身近な大人で絶対的な存在だった。


    でも自分が大人になった今、あの頃の先生は
    それほど大人でもなく若かったんですね。

    先生達だって今の私のように確信的な事なんてほとんどなくて
    毎日手探りだったんだろうなぁ。


    先生だって人間だから
    生徒の好き嫌いだってあるし、悩みだってある。
    家族がいて、生活がある。


    でも当時はそんな事気にもしなかった。


    この本を読んでその当時気付けなかった
    先生の一部を垣間見た気がしました。


    もう戻らない過ぎた日に懐かしさと寂しさを感じて
    ぐっときてしまいました。


    恩師に久々に会いたいな。

  • 先生、がキイワードの短編集。6編。「白髪のニール」(ニールヤングを愛する歌う物理教師。「ドロップスは神様の涙」ぶっきらぼうで怖いけれど、守ってくれる保健室の先生。「マティスのビンタ」才能のない美術教師。「にんじん」えこひいきをしてしまう小学校担任。「泣くな赤鬼」強面で実力主義の采配をしてきた野球部顧問。「気をつけ、礼」ギャンブルにおぼれて借金をして逃げた教師ヤスジと吃音の少年。 青い鳥、につづき吃音の話がでてきたな。なんだか、気をつけ~の話はご自身のことなのかなと思わせる終わり方。最後まで名前のでてこない少年は、小説家になっているし。…と思ってググったらそうなんだ、有名な話なんですね、重松さん自身が吃音に悩むこどもだった話。そうかぁ。この本は、感動話にはまとまってなくて、むしろ、人間はいいひとばかりではなく完璧でもないってとこを描いてる。教師だからって、ひととしてお手本になるような人格者ではないしね。これから先生になろうって若者が読むのにいいのかもしれない。まっすぐに強く美しく生きるってのはみなむずかしいけど、いかにハートをもって、ごまかさずに人と向き合うか。ってとこが大事なんだとおもう。こどもの大事な時期に大事な役割をになう先生という立場なら、なおさらね。

  • やっぱり重松清作品、私は好きだ。特に教師やティーンエイジャーを題材とする小説は、心理描写において抜群だと思う。
    今回の作品は2008年に出版された、教師との関係を題材にした短編集。
    どの短編も一つ一つが心に灯をともしてくれる温かさを感じる。
    教師だって人間だけど、子どもたちから見れば一生師という存在。
    その師の思い出から、あの頃を懐しむ人達と教師との温かな話が楽しめる作品。

  • ロックだけじゃなくて、ロールしなきゃダメ。
    なんか素敵だな。

  • 色々な先生のお話。

    「にんじん」がとても印象的でした。
    先生も人間なんだなと。

  • 「泣くな赤鬼」もよかったのですが、
    「にんじん」が心に残りました。
    たぶん、こういうことって書きづらい内容だけれど、
    でも、実は非常にありがちなことなんだとも思いました。

  • 泣くな赤鬼
    泣きながら読み終えた
    「歳をとるっていうのは、そういうことなんだろうな。後悔が増えるんだ。……」

  • 2019_08_01-087

  • 短編は多くの物語を楽しめるが、人物の背景や感情を細かく書き、深い教官が生まれることが難しい。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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