夏の魔法

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著者 : 本岡類
  • 新潮社 (2005年5月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104083022

夏の魔法の感想・レビュー・書評

  • 浮気のために離婚し、その後、金融やベンチャー企業で働いた後、
    那須高原で牧場経営を始めた主人公、高峰。
    彼の元に、4歳の時に別れたっきりの19歳になった息子が訪ねて来た。
    あることがきっかけとなり、引きこもりを続けていたという。


    作者の名前、全く知らなかったんだけど、何よりも装丁に惹かれて図書館で借りてきた本。牧場と赤いトラクターのかわいらしいイラストが描かれていて、本当に爽やか。

  • 酪農を営む高峰の元に、離婚のため、4歳から会っていなかった息子、悠平がやってきた。19歳の悠平は引きこもりになっていたが、酪農という環境から徐々に変化が。ラストの悠平の行動に「結局何も変わってないじゃないか」と腹立たしく思ったが、それも決して無駄にはならなかったのが良かった。自身の経験から悠平の目線を変えさせた森や晴子のような存在がいてくれた事が羨ましくも感じた。そして悠平が残していってくれた物にも…印象に残る一冊です。

  • 朝起きてこないとか、使った食器を洗わず置きっぱなしとか、牧場の作業は手伝わない(家の手伝いをしない)・・・の段階で、たぶん私だったら見かねてガミガミグチグチ怒ってしまうだろう。そこはグッと堪えてじっと待つ。頭ではわかっているんだけどねー。子供がやる気を出して動き始めるまで待つのは私にとっては修行だな。

    子牛を連れて家出とか・・・短絡的な行動に、小学生か?と思わず呆れた部分もあったけど、引きこもりしていた時期もあったわけだし、大人になりきれていないのは仕方がないか。

    自然の中で酪農という仕事を通じて、今後の方向性を自分で考えるようになった青年の姿もよかったし、それをさりげなくバックアップする大人達もよかった。爽やかな素直な気持ちで読めた。

  • 子の親としてではなくて男として息子に、女として娘に教えることがある気がする。それは実の父親や母親から教えるとは限らない。森社長のように研修生たちに牧場の魔法を通してメッセージを送ることもあるだろう。でも、血の繋がった子どもであれば、DNAではなくて生き様として伝えたいものがあると思う。でも、何で人はそういう大切な家族があっても浮気しちゃうんだろう。

  • 推理作家として知られる著者が、新たなジャンルに挑戦した第1作。舞台は那須高原の牧場。発病を機に、会社を辞め空気の良い高原で牧場経営を始めた父。19歳で引きこもりの息子。15年ぶりに再会したふたりの、1年間の成長の物語。子どもとの距離の縮め方がわからず焦る父と、なかなか心を開けない息子。普通の家庭でもありがちなシチュエーションに苦笑いしながらも共感してしまう。

  • #読了。那須高原で小規模な牧場を営んでいる高峰。彼のもとに、4歳のときに離婚してから1度も会っていない、引きこもりの19歳の息子悠平がやってくる。自然、そして牛たちに囲まれて、悠平の成長、父息子の親子関係を描く。爽やかな小説。

  • 元銀行員だった高峰は数年前から牧場を経営している。
    15年前に離婚した元妻からの連絡を受け、別れて以来一度も会っていなかった息子を預かることになったが、彼は引きこもりになっていた……。

    「現代の若者」が自然の中で命の尊さや人間の身勝手などを学んで成長する話。

    2013 7/18

  • 離婚して15年、再会した息子は、19歳の引きこもりになっていた…。
    離婚により子供を捨てた父親と捨てられた息子。
    15年の歳月は長い、小さかった子供を気難しい青年に変える。いつも一緒に居てもたまにわからなくなる子供の気持ち。長く離れていた父親には、扱い方が解らないのは、しょうがない事。
    しかし、那須高原の自然、乳牛達、周りにいる人間達とのおおらかな時間、生まれて失われる命のドラマのお蔭で、乗り越えていく二人の姿が良かった。

  • 自分がいかにありふれた人間なのかを知りました。ここに出てくる悠平は、わたしそのもの。いかに自分がワガママで子供なのか自己反省、、、。こういう本がいままで読みたかったと思わせてくれる本です。ニート、ひきこもりにおすすめ。

  • ちょっと大人の視点からの『銀の匙』小説版とでも申しましょうか。
    酪農、畜産業を通した人間の成長を描く、厳しくも温かな物語です。
    全編に優しさと温かさがあふれているので、とても安心して読めます。

  • 若い人は腰が重い
    そうかもしれない・・・前に進みたいと焦ってるけど、何かと理由をつけてもう少し様子を見てからって。
    この小説みたいに環境を変えて自分を変えることはすごく羨ましい。
    でも現実は今の環境からは抜け出せない。
    なら、今の場所で前に進まなきゃ!

    と、前向きにさせてくれました!

  • 本岡類『夏の魔法』読了。牧場を舞台に父と息子の絆の再生と成長を描いた作品。子供のころに行った夏の八ヶ岳を思い出した。たまに作品に似合わないやけに重厚な文章が出てくると思ったら、この著者は50才まではミステリーを書いていた人とのこと。納得。

  • さわやか。王道の青春・成長物語。物語の背景や出来事の整合性もしっかりしてると思う。(☆×3+半分)

  • のんびりした小説でした。
    自然と人生の豊かさを、
    酸いも甘いもかみ分けた年代の作者・本岡さんが
    さらりと書いた小説でした。

  • 脱サラして牧場経営している男の元へ
    幼い頃に離別した息子がやってきた。
    牧場を手伝いたいと言ってきたはずなのに
    朝は起きず、注意しても反抗するばかり。

    引きこもり青年の成長物語と括ってしまえばそれまでだが
    それぞれの心理描写がリアルで共感。

    【図書館・初読・2/5読了】

  • 十五年ぶりに再会した十九歳の息子は、ひきこもりだった。働く意欲のない姿に苛立つ父。二人の心が通いあう日は、果たして来るのか―。清々しい余韻の傑作長編。
    まじめな小説でした。単純な分、読みやすい。

  • 牧場には魔法があります・・・・命の現場だから・・・
    私も良く分かっているつもりです。
    ”死ぬまでは、より良く生きる”

  • 「牧場には魔法がある」
    親子の対話のお話。
    それと、命の話をすこし。

    夏に娘といっしょに遊びにいった、タカラ牧場さんの風景が思い浮かぶ。
    生き物や食べ物を相手に日々を過ごす人を見ると、食べるということに感謝する、ということが、当たり前のことだけどとても大事にしたいと、改めて感じる。

    息子の成長のようで、父親の成長の話なのだと思う。
    まるで「大人」のような父親の語りで主に話はすすむのだけど、なんだか、自分を守り自分をわかってほしい、という思いが、むしろ父親の方から感じられました。
    その意味で、大人の成長の話、なのかな?

    父子の交流で心温まる話なのだけど、母親が「エゴの塊の悪者」としてすこししか出てこないところがやや不満。
    男の人が読むと素直に感動できると思う。

  • 実力テストの現代文に出題された本。なかなかよかった。

  • ゆっくり読んだからかわからないですが、とても丁寧で読んでいる間ふしぎな感覚でした。なにがどういいとかわからないんだけど、なんかいい本だった。
    ラストで思わず、本当に主人公に感情移入して涙。こういう泣き方ってあんまりしたことなかった。
    本のいいとこってやっぱ、誰かの人生を覗けるとこだなあと思った一冊でした。

  • 5歳の時に手放した息子が現在引きこもり状態になり、那須高原で牧場を営む父が1年その息子と15年振りに生活する話。非常に分かりやすく、読みやすかった。
    牛との触れ合い、近所の森さん牧場のみんなと触れ合いながら命の尊さ、人間の勝手さに疑問を感じつつ、確実に良い方向へ向かう息子。
    ラストの息子が実の父にあてた手紙は感動だった。

  • <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410408302X/yorimichikan-22" target="_blank"><img src="http://images.amazon.com/images/P/410408302X.09._SCMZZZZZZZ_.jpg" class="booklog-imgsrc" style="border:0px; width:100px"></a>
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    息子の悠平が4歳のときに 高峰は妻と離婚し、紆余曲折の末、北海道で
    牧場を営む佐藤さんと出会い影響を受けて、自ら那須の山中で牧場を営むようになっていた。そんな折、別れた妻から 高校3年の途中から不登校になり 19歳の今でも家でごろごろしているだけの息子の悠平が高峰の牧場へ行きたいと言い出したという電話を受ける。その悠平を黒田原の駅で待っているところから物語ははじまる。
    引きこもりのような生活をしていた悠平とは初めから生活のサイクルが合うわけもなく、高峰は不満と不甲斐なさを募らせるが、周囲からの「待ってやることも大切だ」というアドバイスに従い 自分の感情を押さえ込んで見守る。
    最初は何をどうしていいやら皆目見当もつかず、自分の身をももてあまし気味だった悠平だったが、牧場の仕事をするうちに少しずつ変化を見せるのだった。

    現代のひ弱と言われる若者にも 躰の中には力の元はあるのだろう。ただそれをどうやって外に出したらいいかわからないせいで、無気力・無関心・指示待ちというやる気のなさの象徴のように見えているだけなのかもしれない。
    体験を積み重ね、ひとつひとつ自信をつけてゆくことができれば、人は自分で考え行動を起こすことができるようになるものなのだ、ということを教えられた思いである。

  • 本当に爽やかな小説。ラストは普通に感動して泣ける。良くできたお話ですね、って感じで。秘密というか、ネタバレ的なところは甘いけど。映像化しても面白いのではないかと云々。

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夏の魔法の作品紹介

十五年ぶりに再会した十九歳の息子は、ひきこもりだった。働く意欲のない姿に苛立つ父。二人の心が通いあう日は、果たして来るのか-。清々しい余韻の傑作長編。

夏の魔法はこんな本です

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