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- Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104100040
感想・レビュー・書評
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子規を読むことは五感の解放である…この帯に惹かれて手にしてみたのだけど。確かに森まゆみさんはすごい。膨大な資料、文献を読み込んでの執筆だということは想像に難くない。けど、知識をあれもこれも詰め込んで備忘録的な面が否めなくて・・もう少し整理されたものを読みたかったというのが正直な感想。なので☆二つ。
ただ、それだけに細かな史実に関しては、へぇ~ということも山ほどあった。
愛媛出身の男子学生が東京などに進学するための学生寮。その前身が常磐会寄宿所で、伊予松山藩主久松家が旧藩の優れた若者を育成するためにつくった合宿所。明治21年に正岡子規が入っている。
この常磐会寄宿所、実は坪内逍遥が掛川藩の人に頼まれて学生の監督を引き受け3年ほど住んだあと、久松家が買い受けた・・そうな。ちなみに明治16年の地図を見ると「茶畑」だった、とか。
トルコが親日であることの根の一つにあげられる紀伊半島沖で座礁したエルトゥールル号事件。救助された乗組員を日本の軍艦がトルコ・イスタンブールまで送り届けたのは存じてましたが、その軍艦に秋山真之が乗り込んでいて、「世界は広くてよほど狭い」と思った、とか。
生誕150年を迎え、私の中で正岡子規がとてもホッとな今、細々とした知識の木の幹が太くなり、枝ぶりも随分広げてくれた一冊ではありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示