居酒屋百名山

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著者 : 太田和彦
  • 新潮社 (2010年2月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104158072

居酒屋百名山の感想・レビュー・書評

  • 大田和彦『居酒屋百名山』新潮社、読了。全国の居酒屋を巡り歩き、100店を選び出し、その特質を描き出した一冊。居ながらにして居酒屋巡りの旅をしている気分になることができる。しかしグルメの紹介・情報案内とは異なる作品で、どのページも筆者の居酒屋に対する愛情に溢れている。

  • さきと いつか行くぞ

  • CSでやっている百名居酒屋とか居酒屋紀行を文章化したものにしか思えなかった。よってCSで散々見たものの文章化したものからは映像で見た情景が浮かぶという卵が先か、鶏が先か的ワケがわからん状態になったw

  • 「開店以来のお通し、おでんのつゆでさっと煮た牡蠣と豆腐の「牡蠣豆腐」はたっぷりのつゆに浸る半生の牡蠣がおいしい」(P13)
    「昔、釧路の冬はイカの塩辛ぐらいしかなく、ちぎった新聞紙をダルマストーブに置き、塩辛をのせて温め茶碗酒の肴にした。紙は案外焦げも燃えもせず、すぐに脂がパアーッと染み出す。脂の抜けた塩辛に乾いた紙と印刷インクの匂いがついてなかなかいい」(P16)
    「人気の肴「酒菜の盛り合わせ」の本日は「蛸やわらか煮・アスパラの煮浸し・牡蠣の山椒煮・ホタテの梅煮・浜防風のお浸し・タラコの吟醸粕漬」の六品」(P20)
    「仙台によい居酒屋が多いのは飲み屋横丁が多いからだが、私が日本一の飲み屋横丁と断じる東一連鎖街が再開発でなくなるのが痛い」「あとは商業ビルが建つそうだが、日本中に同じようなものを作ってどうするのだろう」(P37)
    「冬の長い秋田は酒飲み県と言われ、飲み方はずばり「だらだらと長い」」(P51)
    「叩いて粘りの出たブリなめろうの濃厚な旨みは、青魚のあっさりとは格が違う、まさに「キング・オブ・なめろう」」(P65)
    「新潟の酒はおよそ二〇年前の地酒ブームで全国に知れ渡り、特徴「淡麗辛口」は酒を誉める代名詞のようになった」「その後の大手ブランドの単調な量産と、右へ倣えの淡麗辛口が飽きられ、端麗無口と皮肉を言う人も出てきた。一〇年ほど前、山形の若い蔵本杜氏のつくった「一四代」の大ヒットにより日本酒の好みは濃醇旨口にかわり」「いつしか新潟酒は酒好きの話題にあまりのぼらなくなっていた」(P67)
    「刺身盛り合わせはカワハギ、ホウボウ、カレイ、マダイ、メダイ、クルマダイ(以上白身)、ブリ、メジマグロ(赤身と腹身砂ずり)」「白牡丹といふといへども紅ほのか」白身も色は微妙に違い、その差のように味も香りも、噛み心地も違う」(P69)
    「今日の「珍味三点盛」はスズキの子カラスミ、ブリの肝、ブリにしかない内臓フトウ」(P75)
    「醤油は舟ではこぼれるので味付けは味噌」「なめろうはアジ、イワシ、サンマなどなんでも使いそれぞれおいしいが、春のトビウオ、夏のイサキ、イナダは最高と言う」「問題は叩き加減で、粗くてはもの足りなく、糊のようになってはやり過ぎだ」(P80)
    「居酒屋ファンや私のようなものは、平気で居酒屋の建物は古い方がよいなどと言っているが、古家の維持がいかに大変で費用もかかるかは考えていない。しかも保存目的ではなく毎日、火も水も使う商売をしている家だ」(P93)
    「東京の知らない町に毎夜地元の常連が集まって繁盛する居酒屋があるという、別世界に出会ったカルチャーショックだった。およそ業界人や宣伝関係などは世間のことは何でも知っていると思っている浅薄な人種だ」(P99)
    「居酒屋はやはり町がつくるものだ」(P103)
    「舞台も店も、お客あってこそ、は同じです。毎日公演しているようなものです」(P113)
    「私個人は名料理人とやらの高級料理を神妙に戴くよりも、人々が飲み食べる活気に身を任せ、自分も酔ってゆく方が好きだ。それこそが外食の楽しみであると思う。町の人が大切に通い、愛され、長く続いている店こそが、その都市の真の三ツ星店であろう」(P133)
    「(白徳利)首に回る紺の一本線・二本線は酒一級・二級の名残り」(P165)
    「居酒屋の料理はあまり金をかけられないから工夫がいる。安いものほど難しい」「春は苦味、夏は酸味、秋は渋味、冬は油味。季節で好む味が変わります」(P169)
    「板場修業は、坊主(追い回し)、八寸場(盛りつけ、野菜)、脇板(魚の助手)、脇鍋(煮方の助手)、焼場(焼もの)、向板(刺身を引く魚の責任者)、煮方(煮もの)、立板(料理長代理)、花板(料理長)と進む」(P215)
    「居酒屋は料理屋よりも難しく、割... 続きを読む

  • 風土が年月を経て居酒屋に宿り、居酒屋が土地の風土と人を育む。土地の歴史と店々の営みに心馳せながら、居酒屋で土地の季節の肴と一杯傾けることの幸福。
    フィールドワークで年輪のように経験と知識を積み重ね、こういう大人になりたい。

  • 太田和彦さんの本は、店の紹介に留まらず、そこに働く人のエピソードが趣深い。
    気仙沼の「福よし」が船の見える港の店と書いてあり、みなさまの無事を祈るばかり。
    取り敢えず行ってみたい店をチェック!みますや(神田司町)両花(下北沢)
    魚仙(長岡)ますだ(京都)

  • 百名山とは何の関係もなかったよお

  • 京都では赤垣屋、ますだ、祇園きたざと、めなみ、神馬が選ばれている。
    「私も「ますだ」に入るために京都に来る人になった。」(p205)

  • 旅に行きたくなる

  • 太田さんの「居酒屋」ものは何冊読んだことでしょう。
    単なる店紹介に終わらず、そのお店固有の空気間まで伝わってくる名文だからなのでしょう。

    旨い居酒屋の席に座ったときに感じる寛ぎ、開放感、もちろん酒肴の味・・・そんな佇まいが伝わってくる。

    そして、この店いつか行ってみたい!!と思わせる。(全国版だから見果てぬ夢かも・・)

    私のごひいきの店も入っているのも嬉しい。

  • 2010.04.18 日本経済新聞「あとがきのあと」に紹介されました。

  • 2010/04/15

    ・見知らぬ大勢が集まって酒を飲むこと、そういう居酒屋が土地に根ざして全国に存在すること、それは文化であり社会の安定装置であること

    ・古い居酒屋には長年かけて店と客の作り上げてきた独特の空気、流儀、個性があり、町の人の居場所として必要な存在になる。レストランは腹を満たす所だが、居酒屋は心を満たす所だ。そのために行く。いつ行っても変わり映えしない肴で結構、いやむしろそれでいい。行けば常に変わらないものがあるから通う。

    こんな筆者が書いた「居酒屋百名山」が面白くないわけがない。
    いつかは百名山巡りを始めてみたいものだと強く思う。

    付記:本書を読んでみて、居酒屋文化は明らかに東高西低であると感じる。不思議なもんだね。

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居酒屋百名山の作品紹介

日本全国を訪ねて選りすぐったベスト一〇〇。居酒屋探求二〇年の集大成となる百名店の百物語。

居酒屋百名山のKindle版

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