希望とは自分が変わること (養老孟司の大言論 1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104160044

感想・レビュー・書評

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  • 「日本に個人主義はあるか。あるのだが、ない。個人とはなにか。大抵の人は個人とは個人の「心」だと思っている。個心が存在すると思っている。何処かに本当の自分がある。本当の自分が変わったら具合が悪い。だから人は変わらないと思っている。しかし人は変わることを認めた方がいい。もしも人が変わらなければ教育は要らない。」

    本当の自分って何だろうか、何処にあるのだろうか、と自分で考える。

  • 養老先生がどんなことをやってきたヒトか、一冊である程度わかってしまう。なかなかエコノミーな一冊る

  • この本は人生におけるスパイスである。作者はものごとの本質を常に問い続けているからだ。
    「読書は目的ではなく、象徴的行為、すなわちシンボルである。」ということを述べている章がある。そして現代人の我々は「それ自体が目的ではない行為」にばかりだとも言う。その理由を本人の行動により説明しているのであるが、昆虫に執心し、解剖学で様々な功績を作り、読書をしまくり、たくさんの図書を執筆していることから来る迫力はハンパではない。
    また、この本を読んで得た教訓は、何かトコトンやり続けることの重要性である。自分を振り返ると、極度の完璧主義である。しかし、直ぐに日和ってします。最後まで続けない。その理由は失敗を怖れているからである。しかし、筆者にはそれはない。むしろ失敗して当たり前という覚悟がある。その源泉はもちろん彼の趣味である「昆虫採集」にあると邪推する。何故ならばそれは失敗知ることでしか向上しない活動だからである。
    ゆえに自分は悔やんでしまう。覚悟を持ってやり切ることがあまりに少なかったことを。

  • 著者の本はこれまでに何冊か読んだが、本書はかなり難解であり、1度読んだだけでは、なかなか理解が出来ない。著者の思考レベル(思考の深さ)に到達していない自分の未熟さを思い知らされる。
    一見、ひねくれおやじの独り言のように読める文章が多いが、よく考えてみると、やっぱりまともなことを言っているいるのでは、と思う箇所がいくつか出てくる。現代社会の中で多数意見に流されつつある(思考停止化している)大衆への警鐘ともとらえることができる。
    当たり前を当たり前としない、逆さメガネ的発想、常にこれが本当か、という疑いの目を持つ心構えを見習いたい。
    印象に残った文章。
    約束は言葉で、言葉は情報だから変化しない。変化する人を変化しない情報に結合することこそが、約束あるいは契約なのである(225ページ)。

  • 『バカの壁』がすごい売れたころは
    あんまり読む気がしなかったのですが、
    なんか読んでみたくなったから読んでみた。

    虫の話とかは全然わかんないけど、
    この人の考え方は面白いなぁと思う。
    ところどころ内田樹と同じようなこと言ってるとこもあった。

    紀行文というのもあんまり読まないので新鮮な気分でした。
    土地によってすごくいろんなことが変わってくるんだな、と、
    そんな当たり前のことを改めて思った。

  • 今までの養老先生の著作とは少しちがった内容。

    個人的には若干読みづらい内容だった。
    難しくもある。

    でもそこを色々考えて、自分なりに消化していくのが養老先生の本だと思う。

著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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