骸骨考:イタリア・ポルトガル・フランスを歩く

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著者 : 養老孟司
  • 新潮社 (2016年12月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104160082

骸骨考:イタリア・ポルトガル・フランスを歩くの感想・レビュー・書評

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  • 前著とのつながりがあるため、未読の自分には面白さがその分マイナス。もったいない。(あと論述も、私の頭じゃ半分も理解できてないーTT)。だとしても、写真やエッセイ的文章が十二分に面白いので、楽しく読了した1冊。西洋の納骨堂って…。日本だったら罰当たりとかホラーとか、心霊スポットとか思っちゃう。怖いの嫌いだけど、実際見てみたくなる美の不思議。前著読んできますー。

  • 掴み所のない本。
    いろんな教会、納骨堂などが紹介されているのが興味深い。

  • 養老先生49。

  •  わかりやすいのはヒットラーであろう。あいつが悪い。それで直接の責任は終わり。日本ではそれができない。状況が悪かった。そういうしかないからである。だから「戦後は終わったか」であり、歴史問題である。主体を置くことは、状況を物語化することを容易にする。私は根っからの日本人だと思うのは、主体が出てくる説明を聞くと、逆に説明に楽をしやがって、と思うからである。(p.36)

     現代の日本では、死に関する態度が混迷しているように見える。70年前までは、そこには少なくとも暗黙の了解があった。人生は自分のためではなかったのである。だから神風特攻隊だった。戦後はむしろそれが逆転した。自己実現、本当の自分、個性を追求するようになった。(p.111)

    「仮の自分」を設定すると、人生そのものも仮になってしまう。現在の人生が「仮の人生」になる。それを続けていると、死ぬ頃になって、まだ死にたくないとわめくことになる。それまで「仮の自分が仮にしか生きていなかった」のだから、それで当然であろう。ヴァロワ朝の三大の王墓を見ていると、時代の移行期というのは、それはそれで幸福なのだなあと思う。ジザンに示された「あまりにもリアルな王の死体」は、未完の人生の最期の記憶を残す、王の「あまりにも明確な姿」なのである。その時代は、宗教的な幻想に満たされた中世でもなく、「理性的かつ客観的な」現代でもない。それを現代日本に生きていて「内在的に」理解することはむずかしい。同じ気持ちになれといっても、それは無理である。ただ察しはつく。歴史とはその程度で満足するしかないのであろう。(p.113)

     結局、話は自分に戻った。理性的に、つまり言葉で解釈できないからこそ、納骨堂なのだな。問題はこちらに投げられている。これは一種の挑戦とも見えるから、こちらも「見てやろうじゃないか」となる。それに答えがあるかというと、べつにない。無意識上のやり取りとは、そういうものであろう。(p.140)

     動物とは違って、ヒトの意識の特徴は同一化にある。感覚はあくまでも違うと言い張るのだが、ヒトの意識はそれを「同じにする」のである。これを私は何度でも主張する。なぜなら、そういう意見を聞いたことがないからである。でもどう考えても、そうとしか言いようがない。
     そもそも概念とは「同じにすること」である。リンゴという概念は、あらゆるリンゴを一つにしてしまう。甘いのも、酸っぱいのも、赤いのも、青いのも、大きいのも、小さいのも、すべてリンゴである。だからわれわれは、言語的な概念を使用することによって、感覚を「無視する」癖をつけることになる。それによって、「動物から離陸した」のである。(p.147)

  • 不思議な本である。
    と思ったが,そもそも養老氏のいうことは,つかめそうになるとするりと逃げる。そんな楽しさがある。
    そう考えると,養老氏らしい内容である。
    写真が美しく,養老氏の思索しているようすも楽しい。
    でも,不思議な本である。

  • 平成29年3月13日読了

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