来春まで お鳥見女房

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 131
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104235148

感想・レビュー・書評

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  • 前シリーズでもコメントしたが、主人公珠世の心配りや機転が冴え渡るストーリーで心温まりながら完読。これだけ心をくだいてお世話をするからこそ、暖かな家族愛が生まれるのだと思う。珠世のとびっきりのエクボがう浮かんだ微笑みをかけられてみたい。

  • お鳥見役の妻である珠世さんが、主婦として家を守りながらも、周囲の人を受けいれ、ことが起これば解決もしてしまうというシリーズ。これがどうして、ものすごくなごむ&楽しいのです。あまり時代ものを読まない方にもおすすめです。とちゅうツンデレ姫様のラブコメもあったりするのですよ!今巻は、いろいろと家族が増えたりもしつつ、いつもの珠世さまな巻でした。今回も面白かった。

  • お鳥見女房シリーズ第七弾連作短篇。主人公の珠世の夫である主が家督を譲る事になり、“お鳥見女房”も引退することに……。矢島家はおめでたつづきだった。お鳥見役のつとめで遠国の密偵に出た嫡男は命からがら戻り、不妊だった嫁は懐妊、長女も初子に恵まれた。が、来る者は拒まずで、誰でも受け容れる珠世には、倫ならぬ恋や夫婦、親子の不和、不幸せな境遇ゆえに犯した罪の解決など難題が持ち込まれる……。完結間じかでしょうか?表紙が素晴らしいですね!来る者は拒まずの一家の要、珠世の知恵と慈愛に癒されます。


    時代小説の定番、下町の長屋の人情物でも、剣客物でもない下級武士の家族の小説。第1作の『お鳥見女房』から、『蛍の行方』『鷹姫さま』『狐狸の恋』『巣立ち』『幽霊の涙』『来春まで 』

  • お鳥見女房リーズ第七弾。前巻の不穏な雰囲気から一変し、矢島家は表紙のような幸せムードが漂う。もちろん家族や周辺に悲しい事も一騒動もあるが、家族などの思いやりと人情で収まるところに収まり平穏な矢島家の日常が四季折々の描写と暖かな語り口で綴られる。秋や源二郎のエピソードが微笑ましいし、また増えた居候の言動がスパイスとなっている。今巻で印象に残ったのはしゃぼん玉の藤助。当初からのキャラながら謎多き人だったが、その素姓が明かされる表題作「来春まで」これぞお鳥見女房という家族と人情が詰まった話だった。

  •  これまた賑やかでほのぼのとした表紙絵に惹かれて一気に読破 バッタバッタと悪人をなぎたおす剣豪が出てこないのが好い
     矢島家の女主人球世の来るものを拒まずの家風が心地よい
    少し昔はどこも大家族で新年のあいさつに集まるとにぎやかだった
     my家も お正月に前の溝に脱輪したよその車を五人でヤーッと持ち上げたくらいバイタリティがあった 
    女性作家ならの心配りがあって江戸物の型から外れたとこが面白い
     藤助さんが元気になって江戸にもどってシャボン玉を商うのを読みたいものだ

著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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