尋ね人

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104256051

作品紹介・あらすじ

昭和二十七年。何の前触れもなく姿を消した恋人…末期ガンの母に代わって消えた男を捜す娘は、いつしか母の想いに自分の恋を重ねはじめる。函館の街を舞台に、時代を挟んで向き合う二組の恋人たちの行き着く先は-衝撃の結末が胸を揺さぶる渾身の恋愛長編。

感想・レビュー・書評

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  • 最期に知りたい行方。
    長くないとわかっているからこそ、長年心の中に居続けた想いに終止符を打とうとしたのだろうな。
    自宅で介護しきれるならいいが、何かあった時など考えると中々難しいものがあるのかもな。

  • 昭和の時代に起きた洞爺丸の事故を題材にした小説。結末も大体予想できるし、何が面白いってわけではないんだけど、描かれている人たちの魅力と繊細で立体的な描写で夢中で最後まで読んでしまった。

  • 内容がめっちゃ面白かったわけでもないのに、いつのまにかのめり込んでいたので4。これで内容面白かったって思てたら5にしてたけど。

  • 美月の大橋への想いの深さ、というか執念には感服した。
    余命僅かなのもあるだろうけど、50年も経ってしまううちに、自分に都合のいいように思い出を美化してしまうことはなかっただろうか。
    自分の母親から同じような告白を受けたら、自分はどうしてあげただろうか。
    母と娘、わかっているようで一人の女性としては理解していない方が多いかも。

    結果は悲しいものではあったが、これほどまでに知りたかった真実を知って旅立てるとは…まさに思い残すことないだろうな。
    洞爺丸の事故はあまり知らなかったが、全体の一部としてはかなり詳細な表現となっており、映像として受け入れるのが辛い場面だった。

    全体に流れる閉塞感と、それでものんびり流れる時間、舞台が函館というのがお話を大きく引き立てていた。

  • 胃癌で余命僅かな母の昔愛した人を探す話
    恋に破れお金も仕事も無く
    なんで〜
    チョットがっかりかな

  • 洞爺丸をめぐる事故のあれこれはドラマチックではあるが、それを追いかける現在の人間ドラマは少々退屈。
    2015/09

  • 函館を舞台とした洞爺丸沈事故と青函連絡船が絡んだお話。とにかく懐かしい気持ちでいっぱいになった。
    以前に住んでいた場所でもあるし、さらに先月訪れたばかり。具体的な地名追って物語が進んでいくうちに
    情景はっきりと浮かんできたのもよかった。
    失踪した好きな人がいながら結婚生活を送ることは
    その想いを墓場までもっていく覚悟が必要なのかとも。
    病床で告白されても娘の立場では複雑なものがあったかと思うがいかがなものだろうか。
    葛藤がありつつも一生懸命すぎる母娘のありように
    やっぱりこういった結末かなってある程度予想できてしまったのが残念。

  • 末期癌の母のもとに帰ってきた主人公、李恵は思いがけず母の結婚前の恋愛の話を聞き、突如行方知れずになった男を探してほしいと頼まれる。

    李恵の母、美月と相手の大橋の物語、李恵の恋愛とが時代が違うにも拘らず、同時に描かれていて不思議な印象です。

    女二人の恋愛模様が主体ですが、母娘二人の情も良い感じに描かれています。

    ラストは、ちょっと夢のようなふんわりとして哀しいエンディングです。

  • 以前に既読をチェック

  • 舞台はやはり函館。主人公と恋人の機微がうまい。お父さんはけして嘘をつかなかった、のひとことで、母の人生は間違っていなかった、と言えよう。それにしても、なぜいつの時代も、恋には嘘と不誠実が溢れているのか。そして、選ばなかったとしても、いつまでも、気持ちの奥底に残る、愛しい想い。この作者、根っからの恋愛体質。そこが好き。

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著者プロフィール

1962年北海道生まれ。北海道大学農学部卒。’90年『結婚しないかもしれない症候群』で鮮烈なデビュー後、’91年に処女小説『アクアリウムの鯨』を刊行する。自然、旅、性などの題材をモチーフに数々の長編・短編小説を執筆。紀行、エッセイ、訳書なども手掛ける。2003年『海猫』で第十回島清恋愛文学賞を受賞。

「2021年 『半逆光』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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