日蝕

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著者 : 平野啓一郎
  • 新潮社 (1998年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104260010

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日蝕の感想・レビュー・書評

  • ちょっと中身のないレビューを綴ります。


    わぁこの人とは友達になりたくはないな…でも遠目に観る分には申し分なく面白い人なのではないか…というにのが私の平野氏の印象。
    ナルシシズムに満ちた作品だなと云うのが最初の印象。

    発表当時はとてもじゃないけど読めなかった。

    今読んでみると、あれ、結構物語自体はシンプルなのね。
    ナルシシズムの下に隠れた普通の顔が浮き彫りになる感じがして、やっとこの物語の全容をつかめたなという感じです。

    これが処女作と思えば挑戦的なその姿勢に敬服するけれど、でも三島の再来というのはちょっと云いすぎだし、懐古的な表現の殻を破ればありふれたとまではいかなくても、読める物語です。

    ちょっとこんなテイストのものだって読めるのさ…と浸りたい時にはもってこい。

  • この平野さん「三島由紀夫の再来」って言われてるらしいけど、その呼び方はちょっとなー・・・。
    文体からすると三島由紀夫より森鴎外風だと思うんだけど・・・。絶対本人も森鴎外を意識してると思います!
    それに「三島由紀夫の再来」はモデルと結婚したりしたらダメです、イメージ的に。「三島由紀夫の再来」にはプライベートでもストイックであってほしいです。と、本人に関係なく勝手に呼ばれている称号に対してケチつけても仕方ないのですが(笑)。

    重厚な文章は読み応えがあって好きです。難しい漢字が多様されている上に文体が漢語調だというのに、ちゃんと中世ヨーロッパの雰囲気が出てるのはすごい。横文字が極めて少ないのにヨーロッパ。

    頭がいいのは認めます。しかもマジで京大生っぽい理知的さ。
    だけど、「計算」して書きました、みたいな感じが出すぎててちょっと興ざめ。
    村の様子なんか「計算」が見えすぎて完全にファンタジー小説かRPGみたい。
    書き込まれているようで書き込まれていない登場人物のキャラクターも何だか勿体ないし。
    成長とか救いの見えないエンディングもよく分からない(人は神=自然の法則を越えたいあるいはそれを壊したい欲求を捨てられないってこと?)。
    文章はいいし、テーマもおもしろいのに、欲求不満だ〜〜!!

    何よりおかしいと思うのは、中盤盛り上がり(と想定される)の森から洞窟のシーン。
    ピエェルはろうそく一本、隠れながらあとを追いかけピエェルを観察するこちらは灯りなしだというのに、あんなに克明にピエェルがどうしたこうした、ってわかんないでしょー、普通。
    いかにも明るいのが当たり前の生活してる現代人が書きました、って感じ。
    中世の森なんて漆黒の闇でしょ。その闇のなかで怪しげな儀式、暗くてどんなことやってんのか分かんなくて、妖しさが倍増、ドキドキ!っていうのが面白いのでは。
    作者には谷崎の「陰翳礼賛」か夢枕獏の「陰陽師」シリーズを読んでもらいたいところですね。

  • 地元県の高校が出身校とは知らなかったけどかつて最年少での芥川賞とか。興味深くて読んだけどちょっと読み辛くて「マチネの終わりに」が素敵なだけに別人かと思ったくらい。結構読むのに力が要る本でした。

  • 三島由紀夫の再来、といわれた作者。
    確かに映像が浮かぶような読みやすい文体は素晴らしい。
    執筆当時学生だったとは思えないような雰囲気。

  •  焰は、錬金炉の部分となった肉に異質感もなく食い込んで肉の裡より顕現し、儀式的な型を付与され高められた正餐は肉に入るより以前に早く既に同質性を獲得し、感情に因って徒に脂肪の附いた肉は理性の鞭杖に因って鍛えられ、一握りの小さな物質に触れながらこの世それ自体と直に接し、肉は唯肉の原理に因ってのみ生き、そして死の後に訪れるべき腐爛を容れる。

    『世人と交り、彼との間の遣取が一向に儘ならぬ時、私が更なる詞を以て理解せられるを求めむとせぬのは、啻に煩を厭う故のみではない。その為に費される膨大な詞が、私には徒ごとのように思われるからである。(略)。加えて、世人の無智が、全体私の理解せられることへの希望を絶ってしまう。これは人をして、私を驕慢と云わしめる所以の心情である。しかし、敢えて反駁するならば、この驕慢は、別段独り私にのみ存するものでもあるまい。斯云うのは、私よりも遥かに学識に優れた者の為には、私に解されむとする努力も亦、等しく虚しいものであろうと想われるからである。──』57頁

  • 血湧き肉躍る登頂的体験

  • 凡庸なストーリーを小難しい文章で覆うと、芥川賞が穫れるらしい。

  • う〜ん。読みにくいし、感銘を受けなかった。
    芥川賞の授賞作って、良さが理解できないことが多い。私の資質の問題ですかね・・・

  • 人間関係というものがほとんど描かれない本作は、一人の男の思索を延々と追うもの。その意味では、キリスト教の神学好きな人以外には普遍性をもたない面白さ。
    中世フランス、錬金術と魔女狩りの世界。
    文章、テーマも古典的。つかれた。
    ラストは揺さぶられてきます。

  • あんまり小説とかは読まないんだけど、この本は気になって、出て、直ぐに読んだ。

    三島由紀夫のような模造人間が現れたと思って、驚いた。
    よく、こんなの書けたなーって、当時は、感心した。
    精密な模造小説。

    でも、その後、読み返してみたら、実はそんなに重い内容でも深い内容でも無いことに気付いた。

    簡単な漢字を難しく変換してるだけで、どこかのブロガーが指摘してたけど、三島由紀夫とかいうより、むしろアニメとかロールプレイングゲームに近い。

  • 取っ付きにくいかと思ったら普通に読めた。ダークファンタジーとして読める。誰かアニメ化してください。

  • 強烈な印象をあたえる本でなかなかページがすすまなかったです。

  • 文学を目指している。成功しているかどうかはわからないけれど、嫌いじゃない。読んでいるときは微妙な気分だけれど、読み終わって思い返すといい感じ。

  • 平野啓一郎のデビュー作で、芥川賞受賞作。私がまだ学生だった頃、愛知県出身で京大在学中のイケメン男子が芥川賞を取ったというミーハーな理由で購入したものの、難解すぎてサッパリ分からなかったという…。

  • 新潮で新しさに目を奪われたんだが、全体で見るとただ読みにくい

  • 言を弄すだけで、空虚な印象を得ました。
    この作品は、当時大学生が書いたというニュース性で芥川賞までとったのですかね?
    詳しいことは分かりませんが、大学生が書いたからとか、言葉の選び方が古典的だとかいう基準で芥川賞を与えるのであれば賞に対する冒涜ではないのでしょうか。
    なぜにこの文章だったのか、読んでいてさっぱりわかりませんでした。というのも読者に伝える手法として、効果的だとは思いませんし、読んでいてまどろっこしい。
    状況描写に力をそそぐあまり、ストーリーは平坦。退屈でした。
    おそらく、異端審問で火あぶりの刑にされる場面が最大の山場なのでしょうが、その山場ですら読者置いてけぼり感満載で、勝手に突っ走っていく感じ。
    こういう欠点だらけの小説を持ち上げる人って誰だったのでしょうね。
    それと、細かい話だけど主人公が少年時代だった1460年代及び、物語の1480年代は携帯時計が発明される前なのに、携帯時計を生業にしている男が出てきたりするあたり、ずさんな感じしますね。
    佐藤亜紀さんの「鏡の影」との類似が指摘されますが、私はあまり感じなかった。
    主人公が、人間が悪であれば、神は全能であるかどうかの思考をめぐらすあたりは、まさに「鏡の影」ですが、ストーリー構成は、「鏡の影」の足元にもおよばないと思うし、比べるのが佐藤さんに失礼かなと思いました。

  • 15日に読了した「鏡の影」に引き続いて数年越しにやっと読了できました。
    ワタシが最初にこの本に興味を抱いたのは、最年少(当時)の芥川賞受賞というよりも、選考委員の評のわけのわからなさにあった(失笑)。
    ここに詳しい評の内容を保存していないのが、とても申し訳ない…。。
    なのでワタシのおぼろげな記憶によるしかないんだけど…。
    評を一読して思ったのは「選考委員はなんでこの作品を選んだのかが自分でもわかってないのではないか?」ということだった。描かれている内容については「理解することができない」。「よくわからない」(あくまでもワタシの記憶だが)でも「若いのに文章がすごい」ので「こりゃ受賞させなくちゃだめだよね!」ということで受賞したのかな。という事くらいしかわからない。

    もちろん、この本の内容については「どうやら西洋のキリスト教がらみの内容らしい」としかワタシには分からなかった。
    これじゃあ「いったいこの「日蝕」ってどんな内容なんだよ!?」と思うじゃないか?
    一番読んでて納得できたのは、美容院で読んだ雑誌に掲載されていた平野氏自身のインタビュー記事だった。

    でも購入までしたのは、やはり、数年ぶりに(当時)書店で発見、購入した佐藤亜紀さんの「鏡の影」(ビレッジセンター刊)の存在があったのは間違いない。
    この「鏡の影」は当初新潮社にて書籍として発売していたようだ。
    しかし、この「日蝕」が芥川賞に選考されてた前後に絶版扱いとなる。
    そのいきさつの中で、佐藤亜紀さんは他の作品である「バルタザールの遍歴」「戦争の法」の版権も、新潮社から引き上げてしまう事になったようだ。
    なぜこんな事になってしまったのか?
    HPにもいきさつが掲載されている様だったが、ワタシは、そういう周辺の事情を知る前に、まず、本を読みたいと思った。
    「鏡の影」、そして「日蝕」を実際自分で読んでみないとナニも言えないし、そして情報を知る権利もないような気がしたからだ。
    しかし、その決意が結実するのに数年かかってしまったのは…我ながら失笑ものだけどね(苦笑)。

    そして今日。2冊読み終わって思う事。
    「日蝕」の感想から。
    この作品は15世紀のパリーイタリアが舞台になる。宗教を学ぶひとりの学徒が錬金術の果てにある奇蹟を求める内容である。
    その具体的な内容、顛末についてはワタシとしてはとりわけて驚愕した内容ではなかったです(「あれはいったいなんだったんだろう??」と謎に思うこともあるけどね。でもそれは学徒である語り手にも謎なので、それはそのままになってしまうんでしょう…)。
    しかし、特筆するなら。平野氏のその文章が一番驚いたといえば驚いたかも!
    ためしに本文の一部を引用したいと思います。
    …これが当時(1998年初版なのでその数年前執筆と考えた方がいいよね)22-3才の若者が書いたと思って読んでみてください。

    「これより私は、或る個人的な回想を録(しる)そうと思っている。これは或いは告白と云っても好い。そして、告白であるが上は、私は基督(キリスト)者として断じて偽らず、唯真実のみを語ると云うことを始めに神の御名に於て誓って置きたい。誓いを此処に明(あきらか)にすることには二つの意義が有る。一つは、これを読む者に対するそれである。人は頗(すこぶ)る異常な書に対して、径(ただ)ちに疑(うたがい)を挿(はさ)むであろう。私はこれを咎めない。如何に好意的に読んでみたとて、この書は所謂、信を置く能わざる類(たぐい)のものだからである。多言を費して無理にも信ぜしめむとすれば、人は仍(なお)その疑を深めゆく許(ばか)りであろう。然(しか)るが故に、私は唯、神に真実を誓うと云う一言を添えて置くのである。…」

    なんじゃこの文章は!?とワタシはびびりまし... 続きを読む

  • 芥川受賞作、著者は京大学生、という話題作らしい。興味なかったけれど家内に頼まれて八重洲ブックセンターで購入(近くの書店は売り切れ)した。電車の中で斜め読み、全体が難解な言葉で紡ぎだされた文体で構成されている(文章は難解ではない)。

  • 博覧強記という自信が作者を勇敢な文体実験者に仕立て上げたように感じました。
    旧い使い方なので真似はできないですが、助詞の使い方が秀逸で勉強になりました。

  • 漢字は読みにくかったけど文章は読みやすかった。矛盾しているようで実際そうだったのだから仕方がない。

  • 「かたちだけの愛」を読んでみたいと思ったのだが、すぐに借りられないため、他の平野啓一郎作品を読んでみようと思って借りてみた。
    漢字が難しくて読みにくかったけど、後半から面白くて読み勧められた。

  • ひたすらに漢字の読み方に苦労したが、内容はまあまあ分かったと思うし、それなりに面白かった。イメージが膨らみ、どこか熱中して読んでしまう文章力。建築というか風景、空間の描写が美しい。緊張感のある部分には間を入れたりと、どこか漫画のような間の取り方があって楽しめた。

  • 登録日:9/17
    国語科先生寄贈

  • この文体にする必要が無いし、そもそも教養は自然と表れるのであって、小説にするにしても、文が自然と沸き上がらなければならないのが、どうも窮屈な印象にしか到らない。
    内容と文体もまったくかみ合っていない、文章は嘘くさく中身は薄い、明治や大正の文化人を読んで浄化しなければ。

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