顔のない裸体たち

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著者 : 平野啓一郎
  • 新潮社 (2006年3月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104260058

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顔のない裸体たちの感想・レビュー・書評

  • 読了。
    顔のない裸体たち
    平野啓一郎

    肉体とは肉というマテリアルへの着目である。身体は、身であるのだからもっとトータルな概念であろう。精神と肉体とは言うが、精神と身体とは言わない。霊と肉とは言うが、霊と身とは言わない。肉体とは、二元論の産物であり、最初からバタ臭いものである。身体関係とは言わず、肉体関係と言うのには、抹香臭い意図があったに違いない。性交とは、同種だが異なる2つのマテリアルが、混ざり会おうとして混ざり会えない1連の作業である。人間とは、何時もその失敗したマテリアルを、不思議に満ち足りた気分で持ち帰るおかしな存在である。もちろん、普段はそれを隠しておくのであるが。 88ページ

    内容はグロい。えぐい。
    好きとか言えない。
    でも、好きだ、この本。

    内容は、自分の体の変化に悩む女性教師がセックスフレンドサイトで出会った男と逢瀬を重ね、エスカレートし、ビデオに撮られ、ネットに公開されてしまい事件へと発展する。
    内容だけ読むと、とても素敵とは言い難いけど、、、
    でも、この作家さん男性なのに女性の体のことをよくご存知で。小学生の頃の性器への後ろめたさからはじまり、終わり行く女性の性についてまでなんて克明な描き方。
    セックスシーンもとても過激だが、そこにある暴力性とかアイデンティティーとかがなんとも言えず表現されていて、読まずにはいられない。

    恋愛小説はよく読むし、エグイ系も読むからセックスシーンも勉強はしてるけど、こんなに女性目線でうまく語られるものは初めてかもしれない。これは良書。
    オチも事件性があり学ばされるところがあって合格。

    みんな読んでとは言えないけど文章書く人は読むべき。

  • 内容より文章の書き方に感銘。時々読み返さないと理解できない程であった。(私の文章力のレベルかもしれない)
    吉田希美子の弱さと片原盈の強引さ、こういう関係は自在しそう。
    終盤は一気に読めたが、結末は平凡である。
    兎も角、文章を楽しめる本と思う。

  • 語り手の存在の難しさを感じた。吉田希美子という思考のない人間と、この上なく論理的に正確に分析していく語り手。二者の間の距離がうまく掴めず、中途半端な読みをしてしまった感覚が残る。

  • 最近甘々の文章ばかり読んでいたので、
    読まず嫌いだった作者の文章の意外と好きな感じに思わぬ拾い物!

    一時期はまった芥川風の文章に似てるわ。
    話はどうでもよかった。

  • 初めてこの方の本を読んだが、一つ一つ丁寧に書かれていて、読みやすかった。

    過激な題材だったが、最初に断り文章もあったりとおもしろく、
    卑猥なことでもその内部にある、誰でもおちいり、ありそうなことが書かれていた。

  • [自分用メモ]
    私の中ではありえない!ありえへん!お話なのだけど、
    これまで自分も他人に対して、「今はこんな真面目な顔してるけど、裏ではどすけべな一面を持ってるんだろ?お前も!お前も!」って、片原盈みたいなことを思ったことがあったなと思った。
    また、公然わいせつ罪に当たるようなことって、自分のネジがぶっ飛んだら誰だってやってしまう可能性あるんだよな、私だって今この図書館で急に裸になって股広げ出す可能性もゼロとは言えない…全ては自分次第だ。理性次第だ。人間の理性の強さはすごい。で、そもそも理性って?理性って誰が作ってんの?どうやって作られたの?
    と、筋道がそれて我にかえった。

    日曜日の親子連れで賑わう図書館にて読了。

  • 地方の中学教師・吉田希美子が出会い系サイトで知り合ったのは、陰気な独身公務員・片原盈だった。
    平凡な日常の裏側で、憎悪にも似た執拗な愛撫に身を委ねる彼女は、ある時、顔を消された自分の裸体が、投稿サイトに溢れているのを目にする。その時、二人は…。
    人格が漂流するネット空間を舞台に、顰蹙の中でしか生きられない男女の特異な性意識と暴力衝動に迫る衝撃作。

    小説というよりは、週刊誌を読んでいるような感じでした。
    一歩足を踏み入れたら、「真面目で普通の人」にも起こり得てしまう事件。
    特に感想も無く……筆者の語彙の豊富さと文章力が素晴らしい。読み易かったです。

  • 人によっては描写がキツく感じるかもしれない。安モノのAVを見ているような・・・好き嫌いが分かれそうな作品ですね。
    歪んだ男女関係の先に起きた悲劇。こんな世界も現実のどこかに確かに存在するんでしょうね。意外と身近にも・・・。

  • 実際にこういう事は、あるんだろうねえ。

    13/01/27-14

  • 気持ちさえあれば「向こう側」にいけてしまう。少し懐かしい感覚。

    評価色:赤

  • 出会い系で知り合った男女のセックスの模様が、本当の姿、嘘、インターネットの世界の自分と実生活の自分についての考察を交えて描かれている。今となっては「あんな真面目な人が」という表現自体がもうそう思ってる純粋な自分を演じる時にしか使われない、だからこの作品は刊行当時に読みたかったな。エロの描写、淡々としているのによかった。

  • 猥雑な話であるが、作者が書くとそこまで下品に感じず、冷静にこの事件の成り行きを見守れた気がする。

  • 現代ってこんなもん。

  • 今のAVの当事者の意識をうまく描いてる。結局、彼らの意識は、自分らが持つ意識の要素の拡張に過ぎないと、思ってしまった。

  • まぁ〜出会い系ってそーなんだろうなと…自分だけど自分じゃない別人格…相手がどうではなくその別人格ゆえの愉悦

  • 異性とまともに付き合わないまま歳だけとってしまった独身の男女が出会い系サイトで知り合い、性的な意味だけで繋がりを深めていき、しかし、二人の温度差からやがて事件が起きる。
    …というあらすじに興味を覚えて読んだのだけれど、小説の出来がどうとか、出会い系サイトがどうとか、ネットでの匿名性がどうだとか言う以前に、あたしは、この主人公達みたいな、想像力のない薄っぺらな人がとにかく嫌いだ。

  • 男と女の、解剖めいた心理描写の綾は「ほほぉ」て感じ。

    んが、何か壮大な話の一要素であればもっと面白いと感じるかもしれないけれど、これだけだとどうにもこうにも物足りないというのが正直なところ。
    この作者さんだからよけいにそう思うのであろうけど。

    ネット社会の罠……?
    私には、作者はそういうことを意図して書いたようには思えなかったけども。
    ネットはファクターの一つに過ぎなくて、それらに映し出されて浮かび上がってきた心のアレコレを描写したかったのかな、と思いましたが。

    琵琶湖って、そんな写真が撮れるようなところなのかー!

  • この著者の文章は不思議である。確かに表現としては難解である、が、ギリギリのラインで内容がわかる。一たび内容がわかると難解な文章が、著者の感性や考えを実に的確に表現している事に気づく。きっと人の想像や感性を文章に表すと、必然的にとても難解なものになるのかもしれないしそれが文学の使命でもある。平野啓一郎は文学というものにかなり近い人物かもしれない。ところで内容は、どこかであったような、どこにでもあるような男と女の痴情のもつれ。ややアブノーマルか。逆算的に事件の起こるあらましを女の側から描く。ひたすらローな空気が文章中に漂う、そのなかで性にたいする一種独特な視点が面白かった。

  • じっさいに読んだのは新潮文庫版。この人の作品は短編の方が好きかもしれない。しかしうまい。

  • 記号と意味。精神と肉体。
    使い古された言説。
    新鮮さも衝撃もないまま、読み終えてしまった。
    うーむ。

    平野氏が何を思ってこの作品を書いたのか、気になる。

  • 第三者の目を通して冷静に描く主人公二人の描写がリアリティーに溢れ、本当に現実の事件として起こっているのではないかと思うほど。

    平凡な中学校教師<吉田希美子>は、とあるきっかけで出会い系サイトを介し、一人の男性<方原盈>と出会う。<ミッキー>というニックネームを名乗っている間は、現実の地味な<吉田希美子>とは切り離され、大胆に振舞えた。

    インターネット上、特に自分を知るものがいないとき、人は奔放に自分を表現できる。現実社会での「自分」、例えばSNSの中での「自分」。もちろん両者とも「自分」である。
    「本当の自分」とは一体何なのか、少し立ち止まって考えてみるいいきっかけになる一作だと思う。


    文体は、取り扱うテーマに合わせてか平易で読みやすく、しかしその表現は逐一的確なもので読ませる作品になっている。
    平野氏にとっては軽い挑戦だったのではないだろうか。
    何かとエロスの部分だけが取り沙汰されているようだが、平野氏の描くエロスはこのように陳腐なものではないと期待して★★★★☆

  • 思ったよりは読みやすかったかな。
    いやらしい感じはあまりしませんでした。

  • 出会い系サイトで知り合った男女のお話。
    こういう人たちってほんとにいるんだろうなぁ・・・
    こういうのが趣味の人たちって・・・
    なんかそういう世界を垣間見てしまってドキドキした。

    平野啓一郎の作品にしては読みやすかった。

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