透明な迷宮

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著者 : 平野啓一郎
  • 新潮社 (2014年6月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104260096

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透明な迷宮の感想・レビュー・書評

  • 何より、表紙のムンクがいい。平野啓一郎は長編の方がいい。

  • ラジオ版学問ノススメで、
    ムンクの接吻を装丁にしていると聞き興味をもち拝読。


    文学らしい文学。
    エンタテイメントとしてでなく、
    文学としての文学という赴き。

    こういう形のある文学を、
    受け継ぐ人が、きちんといるからには、
    読み手もそれに応えなければならない、
    ということを考える。

    他者の筆跡をそっくり再現できる
    人と違う時間軸を生きる
    火を愛する


    到底、想像もできない設定に、
    しかし現実にきっとどこかにそういう人は、
    いるのであろうぎりぎりのところ。
    人間の多様性と、唯一性への理解。

    更に、東日本大震災を扱う小説は、生まれて初めて読んだ。
    「なぜ、あの瞬間でなければならなかったのか」
    という答えのでない問いに、小説という形でひとつのレビューを与えてくれていた。

  • 装丁のムンクがごとく悩ましく破滅的だったり、切なかったり、それでいて春の陽射しのような温かさがある作品。ゆっくりとゆっくりと読み進め、何度でも読み返したくなる不思議な感覚で、読後の余韻から抜け出せなくなる。「消えた蜂蜜」の情景描写がたまらなく好き。

  • 難解だというイメージに抵抗があって、今まで一度も読んだことのなかった平野啓一郎。
    悪くないこの世界観。結構好みかも。

    最初の「消えた蜜蜂」でぐっと惹き込まれた。
    書評を読んで興味を持った「透明な迷宮」は期待ほどではなかったけれど、
    「Re:依田氏からの依頼」はとても不思議な物語。
    誰もが感じている時間の概念と体感している違和感。

    ぐるぐる巻き込まれて囚われていく感じが、
    安部公房みたいだった。

  • 2014.8.15

    この人の独特の世界 嫌いじゃない
    むしろ気になって仕方がない
    中毒性あるのかな…

    長さ不揃いだが、短編集?

    最初のKの話は普通に読めたが…徐々に平野ワールド全開になり最後の話は、無意識になんとなく感じる説明難しい部分を意識してよく表現した!って感じで、なんとな〜くわかるような??

    何度か読み返したくなる
    オススメは出来ないが自分は好きだ

  • 平野啓一郎の作品の中でも最も不思議な読後感。
    現実から踏み出し崩れていく、その静かな絶望が妙に美しく心に刻まれる。

  • 平野啓一郎の短編集。
    日常生活では体験し難い、しかし体験するかもしれないようなストーリーが描かれていた。

  • ニュアンスの違う6つの短編からなる作品。帯にある作者談によれば、「ページをどんどん捲りたくなる」小説ではなく、「ページを捲らずにいつまでも留まっていたくなる」小説を書きたかったという。
    「マチネの終わりに」のようにわかりやすい作品ばかりではなく、少々難解で読むのが苦痛なものもあった。
    誰の筆跡をもそっくりに真似できる郵便配達員Kの話「消えた蜜蜂」と、火に恋をした男の話「火色の琥珀」は面白かった。

  • うぅむ。。。

    独特過ぎて
    途中でやめてしまった( ´△`)

  • 久しぶりのハードカバー。

    「消えた蜂蜜」「Re:依田氏からの依頼」が好き。
    それ以外は特にどうとも。
    「滴り落ちる〜」のときも思ったが、この人のは長編のが好き。

  • 平野先生の第四期にあたる作品。

    平野先生の作品では、第三期に書かれた「決壊」を一番最初に読んだのだが、これが自分の心の中にずっと居座っていた。
    この人の作品を他にも読んでみたいとずっと思っていた。私の読書史上、一番心に突き刺さった本だったのかもしれない。評価は★4つしかつけなかったのだが、それは私の頭が追いついていけてなかったからだと思う。

    この作品は、「決壊」から比較するとかなり読みやすくなっている。
    しかし、どなたかが高級文学と表していたが、品良く美しい表現は満載で、読んでいて心地が良い。

    私は誰の作品であっても、短編集は好きではないのだが、この作品はどの作品もじっくり楽しむことができた。
    特に、最後のRe:依田氏からの依頼 が個人的には一番好きだった。

    「依田は、ショパンとドラクロワのことを書いた大野さんの小説がすごく好きなんです。」

    大野さんは平野先生なのかなぁ~?と読み進めると、より物語にのめり込めて、

    「原因を探ろうともしないカフカの主人公たちを、いつも奇怪に感じていたが、その心境が初めて理解できたような気がした。」

    の場面では、先に読んだ小説の読み方の中の一文を思い起こさせて、私をクスっとさせたり。

    平野先生の作品は、私にはまだまだ敷居が高く、解説本が欲しいくらいだが、それでも私はこの人の文章がとても好きだと思う。

    一通り先生の作品を読んでから、再読したいと思う。

  • 分かりづらいと言うほど観念的ではないが、ちょっと観念的であまり楽しんで読めないかなと思う。

  • 短編集。さすがあ、というのもあれば、うーんというのも。作家の学歴で小説を読むわけではないが、平野啓一郎、京大卒。なんだか、高級なんだよね。純文学というより、格調高い、芳醇な高級文学という感じ。

  • 特に好きな作家じゃないけど
    久しぶりにしっかりした文章読んだ。
    歯応えというか、好きじゃなくても
    読むこと自体が苦痛ではない。
    昨今のスカスカかすかす文章はだめだわ〜

  • あまり読んだことのない話ばかりで面白かった。いまいちなのもあったが。

  • 短編集6編
    のっぺらしたゆで卵の薄皮のような郵便局員Kの心の闇を描いた「消えた蜜蜂」とブタペストでの異常な体験と愛の顛末を描いた「透明な迷宮』が良かった。

  • 短編集。
    この作者の本は何冊か読んだことがあるが、難解な印象で、わかったような、わからないようなままで読み終えるのが多かった。それに比べると、この本は大変読みやすく、小説の世界に入り込みやすかった。
    現実と非現実の間のような世界に、どっぷり浸ることができた。

  • 手に入れることのできない愛や欲望を追い求め、どこまでが現実なのか境界の危ういところにいる、陰鬱としてどこか歪んだ人たちを描いた短編集。
    表題作をはじめ、読んでいる最中も後味も、すっきりしない作品が多い。この作者、長編のストレートなメッセージ性の強い作品のほうが受け入れやすい。

  • 11月26日読了。図書館。

  • 思いもよらない不思議な状況設定での苦しい愛とエロスを描く短編集、最後の「Re:依田氏からの依頼」が内容もさることながらメタ小説の形式も新鮮で面白かった。分人が登場しない氏の文章は久々だ。

  • 不思議な短編集だった。
    火に恋をしたり、海外で出会った日本人の女の子と不思議な体験をしたり。
    面白かったので、またこの人の本を読もうと思った!

  • ストーリーが奇抜で面白い。でもなぜだろう、平野啓一郎の小説はみな、頭だけで読んでいる感じがする。

  • 六つの作品からなる短編集。面白かった。幻想的で、どことなくSFやミステリの要素もあるかも。どの作品も、何かがずれてしまっている。震災の影響なのか、これまでの価値観が揺らぎ、何を拠り所とするのか分からなくなってしまったことがテーマにあるのか。ストーリーも面白く、中身も濃い短編集。表題作の透明な迷宮が、よくこんな話を思いつくなあという内容で、特に印象深かった。

  • 平野啓一郎氏の作品は設定が面白く(村中から出される全てのハガキの筆跡を完璧に再現し、写しを発送していた郵便配達人なんて話なんですから)、ついミステリー小説のように結末を期待してしまうのですが、短編は膨らんだイメージのまま終われるし、タイプも長さも全然違う作品を集めたこの短編集は、楽しみながらよめました。
    郵便配達人の話のほかに、ハワイで自分にそっくりの男を探す毎日を繰り返す話とか、双子の姉妹との入れ替わる話とか、時間の流れを極端に長く感じる男の話とかは、設定は特に新しくないけど、そこそこ面白かっですね。

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透明な迷宮の作品紹介

「僕たちの運命は、どうしてこんなに切なく擦れ違ってしまうのだろう──」深夜のブダペストで、堕落した富豪たちに衣服を奪われ、監禁されてしまった日本人カップル。「ここで、見物人たちの目の前で、愛し合え──」あの夜の屈辱を復 讐に変えるために、悲劇を共有し真に愛し合うようになった二人が彷徨い込んでしまった果てしない迷宮とは? 美しく官能的な悲劇を描く最新小説集。

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