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この作品からのみんなの引用
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どの時代でも、どの世界でも、ネットに接続したらやるべきことは決まっていた。
検索だった。
― 324ページ -
だからいま暴力に意味があるとすれば、それは現実を変えるからじゃない。暴力の意味は、言葉にはまだ力があると人々に錯覚させる、その一瞬のスペクタクルのなかにしか存在しない。言葉には力が無い。意味すらない。しかし、特定の言葉で暴力が生み出され、ひとがばたばたと死ぬとすれば、そのあいだは関心を持たざるを得ないだろう?21世紀の言葉は、もはやそのようにして生き残るしかない。思想や文学はテロに寄生して生き残るしかない。
― 181ページ -
石は平行世界をもたない(ヴェルトロース)が、人間はたえず平行世界を作り出している(ヴェルトビルデント)。だからこそ、人間はつねに、平行世界からの干渉が要請する反実仮想の想像力、「できたかもしれない」という罪(シュルト)の意識に苛まされるのだ――
― 123ページ
みんなの感想・レビュー・書評
並行世界に対する新しい解釈はとても興味深かったけれども、SFに慣れていないせいか面白いかと訊かれれば微妙だった。途中から作品の世界についていけなくなり、テロが起きようが、並行世界が捻じれようが、それで主人公たちが困ろうが、知らんわ!っていうモードに変わってしまった。アイザック・アシモフやカート・ヴォネガットJr.の作品のように皮肉とロマンの込められたSFの方が自分は好きだと感じたりした一冊。
平行世界の存在が顕在化する世界で、今の人生と、もうひとつの可能性の人生を対峙させる物語。 自分が歩んだ道、自分が歩まなかったもう一つの可能性をもう一度見つめ直すことで、主人公が自分の人生を再構築させようとさせる。 が・・・・・。 主人公の生きている世界とパラレルワールドに住むもう一人の主人公が入れ替わったり、主人公が別の平行世界で他の男性の身体に入り込んだりと、かなりまどろっこしい内... 続きを読む »
あ、世界を構築していったんだな。という匂いがするのでちょっと興ざめ。構想メモが私の頭にも浮かんできちゃう。
平行世界の存在、私が今の私では無かったならというのは誰でも考えたことのあることでしょうけど、本当にそういう世界があるんだと突きつけられたら…どうなるだろうなあ。でも世界が知らないところで繁殖し増殖しているって、ありえることじゃない?なんて思ってどきどきしたりする。
『数学的にあり得ない』を思い出す。枝分かれした世界。そこにあるのに誰も気づかないモノ。
読み返した。
春樹×F,K,ディックな感じ。
けっこうがっつりSFなかんじできたよねぇ、あずまん。
今までの著作で積み上げてきたプロットをしっかり引き継いでいる当たりはさすが。
人文的な知と理数のハイブリットを絶妙に試みてるのでややこしいと感じるかもしれないが、挑戦的。
ひとの生は、なしとげられる《かもしれなかった》ことに支えられている
うむ。。
正直言えば、よくわからない作品だった。
コンピュータや思想に関する知識がまるでない私には、著者の説明がまるで理解不能だった。
そして文体信仰がある私には、体裁のよく取れた平坦な文章は魅力を感じ得なかった。
物語も何だかサブカル方面で良くありがちな感じだった。
それでも凄く感じたのは、そこら中に書かれていることではあるが、純文学とSFのハイブリッド、ということである。
東浩紀は好きだが、彼の書く小説は恐らく二度と読むことはないだろう、そんな決意をさせました。
並行世界、パラレルワールドの話し。難しい単語が出てくるけど全然読めた。早く文庫になって欲しい。
もっともっと、新しい世界を産んで欲しい。彼は一流のSF作家だ。
一流のSF作家は、きっと科学的な知識より、哲学や理想のほうが重要なんだ。
あと、著者の人間的な魅力とダメさがいい意味で滲み出ていて好きだ。
伊藤計劃の虐殺器官からのクォンタムファミリーズ。911テロがなかったら両方とも生まれなかっただろうという小説。いわゆる並行世界SMものかと思うけど、最終的に家族小説。結局この家族の中で一番まともなのは汐子なんじゃないの?110623
「あずまん」の初単著小説。
量子脳計算機科学的並行世界の物語に結構惹き込まれて読んだ。
{(村上春樹)の二乗 + (フィリップ・K・ディック)} ÷ 5 の様な作品。
作品の解釈は一筋縄では行かず、多様性が認められる。
2010 年 第 23 回三島由紀夫賞受賞作品。
家族ってなんだろう、わたしにとっての「行う《かもしれなかった》こと」ってなんだろう、という、誰もが一度は考えそうなことを題材に、うまいことSFミステリーとして書かれていると感じた。好き嫌いはありそうだけど、私はこれ、嫌いじゃない。
かなり狙ってるなあ、という印象で、特に文章を露悪的なまでに粗雑な機能的文章にした辺り、それだけでつまらないと思われかねないのによくやるなあ、と思ってしまった。 しかし面白いからすべてよし。 単純に読んでいてワクワクするような大風呂敷の広げ方にSF好きとしての東浩紀の本気を見た、という感じ。もちろんやろうとしていることは多岐に渡り、読者に対して挑戦的な側面も強いのだが、一番単純な所で共鳴した... 続きを読む »
ひっくり返して、ひっくり返して…。パラレルワールドものっていくらでも話の逃げ場があるだけあってどこに持ってくべきか難しいと思うけど、家族とか情報とか真実とか組み合わせて、上手い具合にまとまってるなーって思った。しかしやっぱり近未来の科学の話がアツい。「人間の意識あるいは自我とは、ボーア=ペンローズ器官が量子的なゆらぎを集積し産出する、現実と非現実、必然性と可能性を虚収束させる拡張チューリング変換の位相的特徴として定義されていました。」ええな~w ウソ理論を我が物顔で書き連ねる往年のSF小説を思い出した!
村上春樹的並行世界を下敷きに、高度情報化社会を「量子脳計算機科学」「検索性同一性障害」というキーワードを用いて描くSF小説ってところか。エッセイを読めばより深く理解できるのかも。
量子論は難しくてわからない箇所が多々あったけど、状況を冷静にまとめながら読めばちゃんと理解できるSF小説。最後はいまいちだったけど途中の展開のオモシロさは抜群ですた。
2011/2/10(~60) 15(~228) 17(~278) 18(~372終)
曲者だった。
とりあえず、あぁ、この人(筆者)も女嫌いのオトコの一人か…
ということだけはよく分かってしまいました。
驚きはしないけれど、あまり知りたくもなかったかな。
中盤くらいまでは引き込まれましたが、主人公が過去の罪を
告白し始めた辺りから嫌~な”男の”私小説的文学臭が漂ってきて
一気に冷めました。
いっそ主人公を汐子辺りにしてくれれば、
エンターテインメントとして楽しく読めた気がします。
設定や細部の書き込みは面白かっただけに残念。

かつてない家族SF小説という煽りがそのまましっくりきた。
結末を見ても、扱ってる並行世界というテーマを見ても、これは『九十九十九』に対するアンサーなんだろう(作中で度々言及されている『世界の終わりと...





