謎の毒親

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  • 新潮社 (2015年11月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104277032

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謎の毒親の感想・レビュー・書評

  • この主人公の相談、というか両親に対する
    謎や暴露が作者の実体験ということに驚愕。
    そして、この只者ではない両親においても
    子供というのはなんと寛容なのか。
    虐待されて育っていても
    親を庇ってしまうくらい、
    子供の健気さをよく見聞きするが
    ここまで精神的に理不尽な対応をされても
    なお親に対して憐みを感じてしまうって
    なんとも複雑。

    それだけ精神年齢を上げていかないと
    生きていけないということなのか。

    著者はよく生き延びて
    冷静に自分の生い立ちを見つめ
    素晴らしい作家になられて
    本当に良かった。

  • カオルコさんにジャンルは必要ない。カオルコ それだけで
    一つのジャンルを形成できる。
    とはいえ、今回の本はかつて様々な小説でも準えてきたようにイタい親を持つ生い立ちを昇華させ、日常ミステリーの味付けをした方式なのかと初めのころは感じさせた。
    読み進めるうちに次第に文字通り痛くなってきた。カッターナイフの下りは文字を目で追うことさえ苦痛と思えるほど。

    客観的に親というもののありようを考えさせられ、また顧みることもできた。自分自身の育ってきた過程も含み。
    心地よいとは言いかねる読後感だったけれどカオルコさんというジャンルにまた一つ深みが加わった。

  • 悩み相談形式の小説と聞いたので、姫野さんの実体験と他の人の体験をもとに書かれた相談に、姫野さん扮する回答者が答える本かと思ったら、そうではなく、全て姫野さんの実体験をもとにした一人の相談者の悩みに、複数の誠意ある回答者が答える小説だった。
    姫野さんの小説はある意味いつも同じで、おかしい親に育てられ、異常な価値観にがんじがらめにされている人のことを書いているので、新しさはないものの、姫野さんの親に対する姿勢は随分変わってきて、できるだけニュートラルにとらえ、できる限り好意的にとらえてあげたいというものになってきていると思う。
    あんなヘンな親に育てられても、姫野さんのもって生まれたものは損なわれなかったことは、素晴らしい。
    きっと今まで何度も、自分なんて生きている価値がないと思ったことだろう。
    でも姫野さんが書いたものによって救われた気持ちになった人はたくさんいる。
    結婚してはいけない人たちだったかもしれない。子どもを産んではいけない人たちだったかもしれない。子どももそのせいで非常に苦しんだ。でも、こういう本を読むと、それでも人生を肯定したい気持ちになる。

  • 毒親の元に育つ子供の、これ以上ないサバイバル生活。健気で落ち着いていてできるだけ傷つかない心を育み、普通に見える形で逃げ出す事ができた。この筆者を本当にすごいと思った。

  • ニュースになるような虐待とはかなり違った、しかしかなり衝撃的なエピソードが、次々と語られていく。それらを主人公は悲劇ではないと理解しているようだが、十分に悲劇的なことばかりで、こういった子供時代を過ごしながらも、よくぞ真人間に成長したなと感動すら覚える。

    主人公も繰り返し語っているが、「謎」としかいいようのない扱いを受けつつも、環境はそこそこ恵まれていたからなのかもしれない。何より、人間というのはどんな状況でも生きていける強さがあるからだ、とも思いたい。光世のように、ときどきにちょっとした親切を授けてくれる人がいれば…という条件はつくかもしれないけれど。

    本の最後に、すべては事実に基づいたエピソードと記されていて、再度驚いた。

    姫野カオルコの小説を読み終えたとき、体の奥から温かいものが湧いてくる不思議な感覚になることがある(「昭和の犬」や「リアルシンデレラ」など)。「温かい気持ちになれる」本はほかにもたくさんあるが、彼女の本はもっとずっと深いところ、自分の意識してないほどの奥からじんわりと、何かが沁み出てくる感覚だ。その源泉はここにあったのか、と思えた。

  • 毒親といってもかなり変種。
    虐待等はなく、大学まで出してくれていることを思うと、
    毒親と言えるのかどうかも曖昧。
    だからこそ嫌っていいものかどうか、筆者はとても悩まれたのでしょうね。
     
    うちの親とは違うパターンですが、やはり行動には類似点も多く、
    (褒められると思ってしたことが怒りを買う等)
    いろいろと感慨深く読みました。
    筆者の、納得できないという気持ち悪さがよく解ります。

  • 読むのがしんどい!
    光世の気持ちは分かる部分も沢山あるが、実は分かってないのかもしれない。
    ただ本当に、よくぞ大人になるまで生き延びた、それだけで偉い、頑張った、と言ってあげたい。死んでしまってた可能性だって充分ある、肉体的にも精神的にも…。
    親から(親以外の大人でも)愛されてると感じられる体験。無条件に受け入れてくれると思える他人。
    大人になれば真の意味で他人を頼れないのは常識になるけど、子供時代にこんな存在が皆無だったなら、やっぱりどこかバランスがおかしくなると思う。子供の恩恵を徹底的に受けてないんだもん。

  • 以前この作家の本を一冊だけ読んだ事があるけど、その時、何かちょっと変わった感覚と文体だな~と思った。
    発想は面白いのに・・・どこか一般的な感覚とズレているために面白い!となりきれない。
    どこか本の中に入り切れない不思議な世界。
    今回読んだこの本も読み終わった後、全く同じ感覚をもった。

    昔住んでいた界隈にあった書店・・・今は古書店の発行しているタウンペーパーのお悩み相談。
    そこに主人公女性が「毒親」に苦しめられた子供時代を振り返り心を吐露する。
    そして、それに様々な回答がつく。
    それを小説にしたもの。

    主人公女性の気持ちにかなり共感できることが多かった。
    それに、今回この本を読んで「ああ、そうだったな・・・」とその頃の気持ちや周囲の対応を思いだしたり新たな感慨もあった。

    ここに登場する「毒親」というのはもうハチャメチャで訳が分からない。
    ひどい暴力をするだとか、ご飯を食べさしてもらえない、監禁する、親が働かず学校にも行けず・・・という訳ではないが、とにかく行動が不明。
    最初の話、名札貼替え事件は結局親がしたのかどうかはっきりしないけど、多分そうなんだろうと思う。
    あと、物を捨てずに不潔な部屋に住んでいたり、
    子供が運動会のかけっこで一等賞をとっても誉めないどころかけなしたり、
    子供の容姿をからかったり、
    外食先で子供を置き去りにしてそれを子供のせいにしたり、
    「オムニバス映画」のひと言でキレたり・・・。

    何か、夫婦共に何らかの精神病を患っているように思われる奇怪な行動の数々・・・。
    それは一家の中で一番弱い立場の子供に向けられる。
    そんな体験を読んでどこかピントがずれた回答の数々・・・。
    立派な事を書いてるような気はするけど・・・。

    私がそれを見て思ったのは、「この人たちは相談に乗っているというより、自分の経験を話したり、自分の考えを述べたいんだな・・・という事」。
    あと、自分の経験を軸としてそこから出来た観念によって相談に乗る・・・そこから外れてないんだな、という事。

    主人公女性が「毒親」という言葉に違和感を感じるのは全く同感だし、「「厳しい親」とは違う」という思いやくだりは、「ああ、そうだった・・・」と思いだした。
    昔は今と比べて「毒親」なんて言葉はなかったし、その存在も今のように取り上げられてなくて、親や家族の事を悪く言うのは悪い事のような・・・何となく無言の常識があったように思う。

    この主人公の女性のようなかなり特殊な家庭でも、親は第三者がいる前では彼女にいつものような態度がとれない・・・一応世間体を気にするという所も頷けた。
    「明るさ」と「数の多さ」は力の強さであり、それにより有無を言わせないとうのも。
    これはここに出てくる特殊な親だけでなく、普通の人にも通じる力の強さだと思う。

    この物語ではこの女性がこんな子供時代から抜け出したその後や毒親のその後について語られてない。
    それが何となくこの作者らしいな・・・と思ったけど、やはりそれを知りたいな・・・と思った。
    こんな家庭に育ちながら、自分の親はおかしいと小学校高学年の内に気づいて脱出する手立てを考え実行した主人公は本当に強い。
    その強さこそ脅威だと思う。
    普通の感覚が失われて当たり前なのに・・・。
    彼女は自分は弱い、「なめくじ」だと思っているけど、とんでもないと思う。

    何となく漠然、ぼんやりとした所も多かったけど、色々考えさせられる、読んで良かったと思う本だった。

  • 自分の両親のした行動と重なる点が多いので
    読み進めることに時間がかかってしまった。
    同じ様な経験をした人が、いるんだなと思う
    たとえ本でも良い経験になった。
    この本を「面白い!」と思うことは無かったけれど。

    「謎」の行動や言動ばかり繰り返す毒親。
    そのくせ、衣食住は困る事が無いから憎み切れないし、
    他者に相談することが出来ない。
    あぁ、本当にたちが悪いってこういうことだよな。

  • 実体験をベースに人生相談形式で描いたお話。幼少の頃から抱いてきた両親からの謎の仕打ちに無力な子供。相談者のなるほどの返事が面白い。そんな主人公が計画的な行動で自立していく様が逞しく思える。人生は理不尽だかいい事もあると教えてくれる一冊。

  • 毒親というタイトルからすると、意外なほど希望が持てる終わり方になっていて、実際に毒親を持つ人にもぜひ読んで欲しい。

  • 何とも暗い気持ちで読むことが辛くなってきました。
    当事者にしか理解できない物語なのでしょうが…
    まさしく「毒親」。

  • 驚いた。
    姫野さんの実話とは…
    「昭和の犬」もそうだったんだ。

    ただ、私が子供を欲しいと思うことがなかったのは、毒親(こういう言葉は知らなかったが)になることを怖れていたのかも知れない と気づかされた

    しかし、こういった虐待(敢えてこう言いたい)は暴力的なものよりも他人にわかりずらい分、たちが悪い。

  • 私は姫野さんの作品が好きだ。

  • こころがギューっとなる。リアルな描写で、最初はエッセイなのかと思いました。主人公が最後まで自分の親を毒親だと認めなかったのが、とても印象的だった。親を恨んでいるかいないかで、毒親だと思うかどうかなのかな。結果的に人間関係が広がった主人公に拍手。

  • すべてではないけれどいくつか似た経験をしたことがあり、文容堂のかたの返答に救われた。
    この本を読んでもまったく意味がわからないという人もいると思うし、この程度のことで親をこんな風に書くなんて、と感じる人も多分いる。でもそれはそれでいいんだと思う。
    ほかの同ジャンルの本にもいえることだけど、作者のかたが生きのびてこの本を書いてくれてよかった。

  • この内容は、小説家である姫野カオルコさんにしか表現できない、本当に謎の・・毒親の話でした。
    手記のような書き方でありながら、どこか客観的でもある・。そのような手法でかかれた「投稿」という形でやりとりされるその内容は、命にかかわるものではないけれど、かなり辛辣なもので、、、でも、状況と、家庭という範囲の中での日常をうまく描いていないと、とてもわかりにくい「毒」の内容だと思います。
    こんな環境下で育った人が、今現在、日常を健全にくだせているのだとしたら、本人はとても強く、しなやかな人なんだろうなと思います!

  • 子供時代の親とのどうしょうもない不幸な関係を,質問の形で新たに振り返るという体裁.くどくどと持って回った感じで,疲れた.

  • 姫野さんが両親から受け続けた謎の対応を、大人になってから第三者に聞いてもらうと言う、ほぼノンフィクション。
    数々の両親の奇行のような接し方を読んでいて、胸が苦しくなる。
    一人っ子だったから、思いを共有する相手もなく、どれだけ苦しんだか、よく精神をやられなかったなぁーと思う。
    虫が常に這い回る家なんて耐えられないし
    いちいち頭で会話をシミレーションしてからじゃないと親に話しかけられないなんてどんなに窮屈な子供時代だったか。
    何でも自分で考えて自分で結論付けて自分を納得させてきた生き方によって文才が身についたのかもしれないけれど。
    大人になってから、相談する相手がいて、真剣に話を聞いてくれ、子供の頃出来なかったことを一緒にしてくれる人が現れたのが凄く読んでる方も救われた。

  • 毒親、子どもが親に疑問を持って、それが死んでも謎なら、毒なんだろうなぁ。
    マシだったかどうかじゃなくて、悲しいってことをちゃんと自覚してはじめてきづける。

    もう、親って言葉使うのもめんどくさい。

    こういう無言だった悲しみがやっと世間に流れるようになったことは嬉しい。
    これまでの日本社会が、個人主義への移行するにあたってつきまとう悲しみの表出なんだと思う。
    苦しい作業だ。
    この膿がもっともっと出てくれたらと思う。
    どうなるのかわからないけど。

  • 今回も私小説。周りが虐待と認識出来ないが酷い仕打ちをし続ける実親について。
    親の批判はしていない。おそらく批判しないように子供の頃から自分に言い聞かせることでその環境をやり過ごすしかなかったのだろう。それほど毒親の罪は重い。

    筆者は書くことで自分を解放し癒している。
    それは投稿の文体でこちらにも伝わる。
    投稿に対する回答がとても温かい。

    しかし親たち謎すぎる。
    父親はサイコパスではなかろうかと思えるほど怖かった。

  • 小説の体をなしてはいますが、
    内容は姫野さんの実体験だそうです。
    子どもに暴力を振るったり、ネグレクトだったり
    そういったわかりやすい虐待はないものの
    事あるごとに子どもを傷つけるような言動を
    わざわざする親がいること、
    そしてそのような親を毒親と呼ぶこと。。。
    なんとなく知ってはいたものの
    この小説に書かれているのは目を背けたくなるような出来事ばかりでした。
    親になるための免許があるわけではないけれど
    この両親は親になるべきではなかった人たちです。
    どんなにひどい仕打ちを受けても
    自分の力で生き抜いてきた作者はすごい。
    親を反面教師に、自分で自分を育ててきたのだから。

  • 不条理な叱責、子の側につかない母、虫のいる家など子ども時代の著者のおそらくほぼ実体験なのだろう。自分も脱出したがったし、実際に家を出ることに成功したのだが、ここまでではなかったと思う。親がいなくなって落ち着いて考えられることっていっぱいあると思う。

  • 一章で読むのをやめました。

  •  子供の頃、数々の親の言動が理解できず、戸惑うことが多かった和治光世(わじみつよ)。あの頃は誰にも相談できなかったものの、大人になり、両親も亡くなった今、懐かしい「城北新聞」の「打ち明けてみませんか」のコーナーに投稿するように、そのポスターが貼られていた文容堂の主人らに宛てて、思っていたことを吐き出してみる。

     大人になって客観的に自分の家庭を見て、やはりどこかおかしかったんだ、あれはどういう意味だったんだろうと、1つ1つ、まるで日常の謎をとくように、過去の親とのやりとりを打ち明ける光世。印象的なのが、おそらくこれを読む大半の人間が「なんて親だ」「どう考えてもおかしい」と感じ、「こういう親こそが毒親」と言いきれてしまうのだろうけれど、光世本人が、大人になった今でも彼らを「毒親」と表現することにものすごく抵抗を感じていること。「(おかしなことはあったけれど)それでも私はちゃんと育てられた」と、感謝の意すら示している。この光世の抵抗の感じ方、すごくわかるなぁ。

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謎の毒親の作品紹介

ウチの親って、絶対になんか変! と思っているあなたに贈る究極の毒親物語。私にとって、人生最大の悩みは両親でした……何気ない一言に浴びせられた罵倒、身に覚えのない行為への叱責、愛情のかけらもない無視、意味不明の身体接触。少女の頃から家庭で受けつづけた謎の仕打ちの理由を、両親を亡くした今こそ知りたい。驚愕の体験談を投稿の形で問いかけ、毒親から解放される道を示唆する「相談小説」。

謎の毒親はこんな本です

謎の毒親のKindle版

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