新徴組

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著者 : 佐藤賢一
  • 新潮社 (2010年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104280025

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新徴組の感想・レビュー・書評

  • これは沖田総司の姉みつの婿、林太郎が主人公。
    彼は浪士組として近藤らとともに京都へ上ったが、壬生浪士組には参加せず、江戸へ帰った。
    今まで林太郎についてわたしが知っていたのはここまで。だけど実は(もちろんだけど)続きがあった。
    彼らは江戸に帰り、新徴組として庄内藩の預かりで江戸の市中見回りの任についていた。庄内藩の政策でいち早西洋式の歩き方などを修得。
    その新徴組を束ねるのが庄内藩きっての天才、後の「鬼玄蕃」と呼ばれる酒井吉之丞。
    庄内藩はその後、奥羽連合を画策。しかし会津が破れてからは庄内藩も降伏。だけど一度も負けなかったとのこと。
    すごいなあ。
    新撰組が目立ちすぎたのか、あまり新徴組が知られていないのが残念。
    そして折々に総司を思い出して反省する林太郎(笑)
    この設定では三段突きは林太郎の技となっています。
    年長の林太郎を微妙に煙たがる近藤勇と、それが分かってるからなおのこと好きになれない林太郎。近藤勇も難しかったでしょうねえ。
    最後のほうにちらっと出てくる土方さんは格好良かったんですが、やっぱり土方さんと林太郎は微妙な仲(笑)でも土方さん贔屓なので読むのがちょっとつらかった。このとき会津は窮地に立たされていて、土方は単身庄内藩に助力を頼みにくる。(史実なのかな?米沢には行ってるみたいですが)二人の会話はやっぱりぎこちない。庄内藩は今の山形あたりだそうですが、会津になにかうらみでも?という感じもうっすらありました。庄内藩はうまく立ち回ったと言えるのでは。会津に酒井吉之丞のような参謀がいればもう少し違ったのでしょうか。それとも城に籠もった時点で負けが決まっていたのか。
    この本の前に「獅子の棲む国」を読んでいたのでなんだかつらい。
    理性的だけど、「庄内藩すげーだろ、どうよ!」という感じが(主に会津と比べて)出てて若干苦しくなりました。いいんですけどね。そんくらい刷り込みしないと、庄内藩と新徴組は影ができませんしね…。(長崎人のわたしが言えたものではないですが)

    でもまあ、面白かったので★4つで!長かったけど!

  • 佐藤賢一は男のやるせなさを描かせたら最高の書き手
    悲壮感しかない奥羽越列藩同盟と思っていたが
    庄内藩って、こんなにステキな立ち振る舞いだったんだ
    勉強になりました

  • 著者の小気味よいテンポでドンドン読ませてくれる。題材としてはマイナーな方であり、自分も余り知らなかったのだが、がぜん興味を持った。
    ちょっとだらけ気味になるところもあったものの、そこら辺を読ませる著者の筆力はさすが。庄内藩の幕末(維新の頃)の活躍(?)は知識として知っていたもののこうやって物語として読むと、人物が生き生きとしていて魅力的な話題がつきない。こういったところを取り上げて、見事な小説に仕立て上げるところがすばらしい。メインとなる林太郎だけでなく、その他の人物についてももっと知りたくなった。

  • かの有名な新撰組。
    しかし、動乱の時代には数多くの人間の物語がある。
    西に新撰組があったように、東には新徴組がいた。
    これは沖田総司の義兄の沖田林太郎の物語。


    最初の林太郎の印象は良くないところから始まってましたが、読み進めていくうちにだんだんと心惹かれていきます。
    新撰組の面々も少し出てきますが、イメージは良くないですね。

    細かな戦闘シーンよりも、大局の流れや会話を重視してる感じ。
    会話が全て「」で書かれているわけではなかったので少し読みづらい部分はあったが、感情移入はしやすいかな。

    あと、吉之丞と芳次郎が総司に似てると林太郎が感じると書いてたが、周りに似てる人いすぎというか総司への気持ちが強すぎるのではと感じた。

    最後の部分は芳次郎の語りで締められるが、何考えてるかわからなかった芳次郎が語り手となることで時代が動いたことを表しているのかなと。
    そして、こっそり父を真似するあたりに過去は未来につながってるとも。

    歴史に詳しい人が読むとどうかわからないけど、とても楽しめました。

  • 酒井吉之丞はほんとに素晴らしい指揮官だったと思う。統率の道は長く険しい。日々修練ですな。

  • 負けた側からの視点で描いた幕末もの
    勝ったほうに正義はあるというのが良くわかるね

  • 沖田総司兄の視点からの幕末動乱。新徴組や庄内藩を描いた作品は少ないので幕末好きなら読んどいて損無し。

  • 新撰組ファン注目。主人公は、沖田総司・・・ではなく、総司の義理の兄(みつ姉さんの夫)、沖田林太郎。ちょっと世間を斜めから眺めている、林太郎さんの視点・行動がとてもよく、あまり知られていない新徴組が骨格になっているところが、幕末好きにはお勧めです。また、フランスやヨーロッパの歴史が主な作者が書いているところが、これまた新鮮味があります。

  •  新選組の兄弟分とでも言うべき「新徴組」。
     その新徴組に属していた沖田林太郎(沖田総司の義兄)と、新徴組を預かることとなる庄内藩の酒井了恒(後に玄蕃、作中では吉之丞)、二人の視点から幕末の動乱が描き出されます。

     林太郎は、とにかく中庸の精神で事なかれ主義を貫く人物。思想云々よりも「女房子供がかわいくて、なにが悪い」と言ってしまえるような人で、渦中にいながら一歩引いたものの見方(作中では「後ろ足の構え」に例えられることも)をするところが、主人公らしい。
     息子・芳次郎(性格と剣の達者っぷりが総司に似ている)との親子関係も物語の一角を担って、特に後半、父親としての林太郎の態度がかっこよかったです。

     林太郎が下の人間の視点なら、もう一人の主人公、吉之丞は上の人間の視点。戊辰戦争では「鬼玄蕃」と恐れられ、その後、薩摩藩士には「美少年(よかちご)」と評された御仁です(写真見たら本当に美形でした)。
     庄内藩きっての神童であり、飄々として掴みどころのない、けれど誠実な人物として書かれています。先見の明に長けていたが故に周囲に理解されない「神童」ならではの悩みも抱えており、その辺りで林太郎と共鳴したようです。

     物語は江戸と庄内で大きく二部に分かれていて、個人的には江戸の方が読んでいて楽しかったです。
     新徴組が「新徴組」として活躍するのはやはり江戸でのことですし、あとは、古きに囚われない吉之丞の先見性や穏やかな性格も、有事よりは平時の方が生きているような気がします。
     それが庄内へ戻り戊辰戦争となると葛藤を抱きながらも「鬼」になっていくのですが、なんで「鬼」であろうとするのかの動機がいまいち描けていないのか、江戸までの吉之丞とちょっとズレを感じてしまいました。展開が次第に早くなっていくせいもあるのかもしれません。
     むしろ庄内では、庄内武士の描写がとても好きです。和む(笑)
     あとなんでそこで土方が(略)

     さらに、吉之丞が労咳を患っていたということで、沖田総司とキャラを被せたのは良いのですが、ここにさらに芳次郎も被せてきて、似たような性格が三人もいるというのにちょっと違和感。林太郎視点だからこそ重ねて見てしまうというのも心境的に分からなくはないのですが……。
     総司と言えば、江戸の最後に総司を訪ねる場面ではやっぱりというかじわっときました。でも、くどいくらい総司を案じる林太郎が主人公なだけに、その後も総司の名前はくどいくらい出てきたり。
     (辛辣に言えば、結局、新撰組の沖田総司をダシにしなければ話の土台が成り立たないのか)
     新選組繋がりで言えば、思想家としての近藤の書き方もすごいな、と思いました。林太郎と正反対の道を歩んでいるようで、この作品の近藤は嫌いになれること請け合い(笑)



     戊辰戦争での庄内藩の役どころと言えば、実際は多分もっとドロドロしたものがあったんじゃないかな、と思っていたりしますが、この物語ではそのあたり綺麗にすっきりまとめています。

     わたしとしては、酒井了恒に興味を持てたのが一番の収穫かな。

  • フランス史の歴史小説を多くものしている作家による幕末もの、おまけに新徴組ということで期待しつつ読んでみる。

    新徴組自体は、元々は清河八郎の発案で組織された浪士組のことなのだが、上洛、東帰ののち、清河の暗殺を経て新徴組と改名、庄内藩預りとなるという経緯を踏む。総司の義兄である沖田林太郎主人公ということで、新選組の活動を外側から眺めている感じで、少し新選組外伝的な趣もある。しかし、当然ながら庄内藩との関わりを中心に話は展開する。特に後半は戊辰戦争を庄内藩の立場から眺めているという感じ。

    全体的な感想としては、いささか期待はずれかと。面白くないわけではないし、庄内藩にも興味が出てきたりもしてそれはそれで良いのだが、登場人物がモノローグを含めしゃべりにしゃべりまくる饒舌体の文体が決定的に好きになれなかった。庄内藩の酒井吉之丞(玄蕃)がフランス贔屓でフランス式練兵を新徴組に施したりするのだが、結局作者とはフランスつながりなんだな、と思った。

  • 沖田総司の兄、沖田林太郎の眼を通して描く新徴組と鬼玄蕃こと酒井吉之丞。この酒井吉之丞の佇まいの美しさに、武士の誇りと一人の人間としての生き様が、良く表れていた。

  • 沖田総司の義理の兄、沖田林太郎が主人公と言うだけでも珍しい。
    庄内藩お抱えの新徴組ということで、何より興味があった酒井玄蕃が登場!楽しみながら読んでます。

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新徴組の作品紹介

沖田総司の義兄、林太郎。使命感に燃える道場仲間を横目に無難第一を決め込むつもりが、生き別れの総司によく似た"庄内藩きっての神童"酒井吉之丞との出会いにより、時代の渦に飲み込まれていく…最新鋭の洋式軍となって鶴岡を戦火から守った新徴組の軌跡を、愛する家族を守るため、自分の殻を破ろうともがく男の姿に重ねて描く感動の歴史ロマン。

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