からくりからくさ

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著者 : 梨木香歩
  • 新潮社 (1999年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104299010

からくりからくさの感想・レビュー・書評

  • つながり、ということでしょうか。

  • この本は、難しい。様々なモチーフが繋がって大きな絵が描かれていく様は梨木作品の真骨頂なのだが...女性同士の関係性や、血の繋がりというテーマはあまり作者らしくないようにも思う。
    染色や織物から志村ふくみのことを連想せずにはいられず、このテーマでドロドロの男女の物語を書いてほしいようにも思うが、やはり梨木さんが扱うとこの作品のような方向に行ってしまうのかな。決して否定的ではないのですが。一度読んで見たい、宮尾登美子みたいな梨木作品。
    変な感想かもしれないが、作中の人物の立ち居振る舞いから色々学ぶ。そして、それを表現する筆致が素晴らしい。「居丈高でもなく、卑屈でもなく、また媚びるでもなく、皮肉でもなく、ただわかってもらうため、紀久は淡々と語り続けた。」

  • 再読
    染織家の蓉子は,祖母の亡くなった後の古い家を下宿屋として,3人の女性たちを迎える.リカさんという市松人形が核となって,この趣ある家にひっそりと確かな存在感を放っている.日々の何気ない自然の中の生活がとても贅沢な時間に思われる.そして呼ばれるように集まった3人に,蔦や龍や能面の竜女の因縁で複雑に絡み合い,それぞれの人生が最後の火事で昇華される.淡々としながらも強い主張を持った美しい佇まいの物語だ.久しぶりに心が洗われるようだった.

  • 祖母を亡くした蓉子。蓉子は人形のりかさんと、同年代の3人の女性と祖母の住んでいた家で同居を始める。

    日本家屋での暮らし、染色、機織り、草花を食べること、などの要素がたくさんあり日本的だなあとほっとした気になりながら読んでいた。

    その一方でチェーン店が立ち並ぶ似たり寄ったりの郊外の様子を「どういうセンス?」と書き、帰化植物の話からは「文化の純血性ばかりに神経尖らせていたら、文化って痩せて貧弱になっていくのかもね」と締められる。
    しかもこういうことがさらりと書かれているので、読みとばしそうになるけどひやっとする。

    あとアイデンティティを見つけるというのは、生きる意味を見つけることかと思った。
    アイデンティティは自分探しなど、外にでることではっと見つかることもあるかもしれない。
    でもそれは外に出ずとも自分の身近で見つけれられるものかもしれない。自分の先祖や家族から伝えられるもの、自分の今まで生きてきた日常の連続が作り上げてきたものでもあるのだと思う。自分のもとがどこにあるのか知ることは、根を張って生きることだ。

    この一冊から学ぶことが多すぎる。一回読んだだけでは消化しきれない。

  • 梨木香歩さんの紡ぐ世界が大好き
    手作りの仕事ってすごいなあ
    一つ屋根で暮らす四人の女性と市松人形
    それぞれの家族や友達
    ルーツが絡み合っていく
    《 唐草を 名もなき女 布に織り 》

  • 女性4人の共同生活から話が始まる。
    梨木さんの作品はあらすじだけを淡々と説明するとなんだかとても陳腐な説明になってしまって難しい。

    登場人物それぞれのアイデンティティ、ルーツを探すお話。

     呪いであると同時に祈り。
     憎悪と同じくらい深い慈悲。
     怨念と祝福。

    遠い昔から絡み付いてきたわずらわしとともにのびていこうとするエネルギー。それは様々な人たちの願いや祈りや思いそのもの。
     

    P369 最終的には、竹田くんの言葉に集約されるのかなと

    「ねえ、これからきっと、こうやって、僕たちも何度も何度も、国境線が変わるようなつらい思いをするよ。何かを探り当てるはめになって、墓を暴くような思いもする。向かっていくんだ、何かに。きっと。小さな分裂や統合を繰り返して大きな大きな、緩やかな統合のような流れに。草や、木や、虫や蝶のレベルから、人と人、国と国のレベルまで、それから意識の深いところも浅いところも。連続している唐草のように。一枚の織物のように。光の角度によって様々に変化する。風が吹いてはためく。でも、それはきっと一枚の織物なんだ。」

  • (2014.04.24読了)(拝借)
    題名から児童向けのファンタジー小説かと思って読み始めたのですが、違っていました。20代の女性向けの小説のようです。読み終わっても、「からくりからくさ」の意味は不明です。唐草模様の話は出てくるのですが、からくりの話はなかったような。
    絹を織る話、絹を染める話、代々伝えられてきた人形、人形の着る衣装、野草を食べる話、女性の好みそうな話が盛りだくさんです。

    蓉子、麻(祖母)、りかさん、待子(母)、
    マーガレット(アメリカ人 鍼灸の勉強)、
    植物染料を考える会
    柚木(染織工房)
    内山紀久(美大の女子学生・織機)、佐伯与希子(テキスタイルの図案研究)
    澄月・赤光(面打ち師) 「竜女」
    竹田君、神崎さん
    お蔦騒動

    一人暮らしの祖母が亡くなり、家が空いたので、下宿屋のすることになった。
    蓉子さんが、管理人を兼ねて住みこみ、染色で知り合ったマーガレット、染織工房に出入りしている学生内山紀久、佐伯与希子を下宿人として共同生活が始まった。
    四人の他に、蓉子さん九歳の誕生日に祖母から貰ったりかさんという市松人形がいる。りかさんは、祖母や蓉子さんとコミュニケーションができる。
    絹糸を植物染料で染める話、機織の話、人形にまつわる話、人形に着せる着物の模様にまつわる話、などで話が進行する。
    最後に、唖然・呆然とするような事件が起こって終わりとなる。
    結局この物語は、何だったの?という印象は、「沼地のある森を抜けて」と一緒です。

    ●織物と印象派(288頁)
    「絵の具だとどうしても色が溶け合い混じりあって、もともとの色が消えてしまうこともあるけれど、糸は、どんなに重ねても一つ一つは自分を主張したまま、全体としてのハーモニーの中に入っている。結局印象派の点描が目指していたのも織物の世界じゃないかなと神崎さんと話したことがあります。」

    ☆梨木香歩さんの本(既読)
    「西の魔女が死んだ」梨木香歩著、楡出版、1994.04.19
    「丹生都比売(におつひめ)」梨木香歩著、原生林、1995.11.20
    「エンジェル エンジェル エンジェル」梨木香歩著、原生林、1996.04.20
    「りかさん」梨木香歩著、新潮文庫、2003.07.01
    「家守綺譚」梨木香歩著、新潮社、2004.01.30
    「村田エフェンディ滞土録」梨木香歩著、角川書店、2004.04.30
    「沼地のある森を抜けて」梨木香歩著、新潮社、2005.08.30
    「f植物園の巣穴」梨木香歩著、朝日新聞出版、2009.05.30
    「ピスタチオ」梨木香歩著、筑摩書房、2010.10.10
    (2014年4月26日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    古い祖母の家。草々の生い茂る庭。染め織りに心惹かれる四人の娘と不思議な人形にからまる縁。蛇の夢。竜女の面。クルドの地。呪いと祈り、憎悪と慈愛。リバーシブルの布―私たちの世界。何かを探すためでなく、ただ日常を生き抜くために…。

  • 不思議な魔力のある本。
    「りかさん」と合わせて読むと、震えるほどの何かが訪れる。

  • 草木染め、日本家屋でシェアハウスする4人とひとりの人形。
    人形に纏わる歴史や草花にまつわる知識のつまった不思議なお話

  • 人生はつづれ織りという言葉の意味をあらためて深く考えさせられました。一枚の手織りの布に人の思いが込められている。布を織ること。生活を紡ぐこと。思いが形になることでもある。文化の一つの形でもある。人と人が出会うこと。文化と文化が出会うこと。そこから新しいものが生まれる。そこに争いがうまれる。男と女、個と集団、支配と抑圧。光と影、表と裏。
    個人的にクルドのことをもっと知りたくなりました。織物や模様の持つ意味についても。

  • 長かった~

    女4人の共同生活。
    途中からのみんなの心模様が面白かった。

    ラストのりかさんが燃えるシーンが衝撃的。

  • なかなか読めず、断念。梨木さんの本は西の魔女しか読めてないなぁ。

  • 大好きな一冊

    中一の時の担任N先生、出会わせてくださりありがとうございます

  • 古民家での女性4人の共同生活。
    物を作る人のゆったりとした生活を大切にして生きる感じが素敵だったけど、想像力の欠如か!?作品のイメージが浮かばなくて残念だった。

  • 「西の魔女が死んだ」がすごく良かったので続いてこちらも読んでみた。

    が...
    なんだか難しくてよくわからなかった。
    チョット怖いし、気持ち悪い。

    りかさんという人形と、女の子4人の共同生活。
    田舎暮らしのような生活をしながらそれぞれに染物、織物、糸紬などをしている。
    過去に遡り、りかさんを通じて様々な縁が浮かび上がる。

    お話としてはあまり好きではなかったが、おばあちゃんの知恵や自然の香りのしてくる描写があり、そういうところが大好きだ。

  • 文体に透明感があって読みやすいが、この人の作品ははラスト突然ホラーだったりファンタジーだったりするから心臓にわるい(笑)

  • 『古い祖母の家。草々の生い茂る庭。染め織りに心惹かれる四人の娘と不思議な人形にからまる縁。蛇の夢。竜女の面。クルドの地。呪いと祈り、憎悪と慈愛。リバーシブルの布―私たちの世界。何かを探すためでなく、ただ日常を生き抜くために…。』

  • 2012.3.27読了。

    まとめると、究極の森ガールを中心とした女子4人組がルームシェアしながら世界や文化や歴史の不思議に触れていく、という話。

  • 結界がはられているような、古い民家で必然的に?共同生活を営むことになった4人の女性たち。彼女たちの暮らしぶりが本当に魅力的で読んでいるだけでもわくわくする。

    物語の大事な要素である、染色、機織、様々な織物などの描写も面白くて、興味がもてた。
    芸術とか文化とかそんな高尚なものではなく、ただその日を生きるために女たちが脈々と受け継ぎやってきたこと。それは辛い仕事だったかもしれないけれど、すごく素敵に見えた。

    ただ、淡々として綺麗な文章なんだけど、いまいちのめりこめなかった。
    あと家系に関してはこんがらがってしまって…。家系図が欲しいと思ったのは私だけではないはず。

  • 女性四人が古い日本家屋で共同生活をしている。

    染色・織物・静かな生活・・・



    りかさんを巡る一連の話は

    ちょっとごちゃごちゃしてて頭で整理が大変だった。

  • 四人の女性の、とても静かな物語。
    こういう生活をしたいな、と懐かしさを感じながら読み進め、ラストの急展開にちょっとビックリ。
    でもこの変化も、連続模様から別のイメージに変化していくという唐草模様のようなものなのかな?
    織物がテーマとなっていて、一人ひとりの生き様が織り込まれて大きな模様を描くような、不思議な作品。
    先に『りかさん』という作品があるそうなので、そちらも読んでみなくては。

  • 染色、織、古い民家など、興味深いエッセンスが散りばめられていたにも関わらず、りかさんを巡る話に文字通りついていけなくなって脱落しました。唐草の元は蛇説は説得あるような、ないような。

  • 世界が一枚の布で表現されたような、不思議な感覚。布についての話がすごく魅力的。たまたま仕事でもそういうものに触れ合う機会があるので、キリムやスマックとかの話が出てきて嬉しい。布は本当に人が創りだした美しいもののひとつだと思うので。

    あの結界のような家に、4人が暮らしたのは必然で、人形をめぐる人間関係が、相関図を書こうかと思ったくらい、ややこしい。個人的に人形は苦手だけれど、この話で出てくる“りかさん”には惹かれる。ラストの火のシーンは美しい。

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