西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

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著者 : 梨木香歩
  • 新潮社 (2017年4月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104299119

西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集の感想・レビュー・書評

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  • 深緑色の装丁がとても美しくてほれぼれ。
    標題紙に描かれたギンリュウソウにも胸が震えます。

    表題作と、まいやママ、おばあちゃんにまつわる3つの短いお話が収められた作品集。
    改めて『西の魔女が死んだ』で描かれた、生きる力·愛する力に勇気をもらいました。
    まいにとっての「アイ·ノウ」というあたたかな声を、いつか誰かにかけられるようなおばあちゃんになりたいと思います。
    今まではまいの視点で読んでいたのに、いつの間にかおばあちゃん側の視点に近づいていることに気付いた読書にもなりました。

    書き下ろしの、おばあちゃんのモノローグが収録されているのも本書のすてきなところ。
    『西の魔女が死んだ』の世界がぎゅぎゅっと凝縮された1冊、ぜひ本棚に並べておかねば。

  • 梨木香歩を読む人ならば、おそらく最初のうちに読んだであろう作品を今読む。

    むずかしい時期の女の子にとって、母親よりも理解してくれそうな、あるいは余計な詮索をせずに愛情だけを注いでくれる存在…それが祖母だろう。
    一世代置くことによって、「育児の直接的な責任」を問われないからお互いに気が楽な面があるのだ。

    学校が苦痛を生み出す場所でしかなくなってしまった「まい」は、祖母のもとで過ごすこととなる。
    祖母は英国人で、ナチュラリスト。
    日本人独特の慣習にとらわれない考え方と、自然に寄り添う暮らしを教えてくれる。

    この流れは、それほど珍しいものではないかもしれないが、舞台が外国のファンタジー世界であるかのような描写が美しい。
    そこに一点のシミのような下世話な存在「ゲンジさん」が、これがおとぎ話の世界ではないことを思い起こさせる。

    まいとおばあちゃんのお話ではあるが、「ママ」の存在も、考える余地がある。
    まいの年齢では何かコメントできることもなく、ただ、「あったこと」「聞いた会話」として書かれているが、ママは、おばあちゃんの娘として、母親に対する生の感情があるのだ。
    まいには見せない、「娘としての」母親への反発や生き方への方向性の違い。
    特に、ママは日本人と英国人のハーフだ。
    まい以上に生き辛い少女時代を送ったのではないか。
    おばあちゃんも、国を捨てるようにして、日本人のお祖父ちゃんと結婚した。
    親に反対されたわけではないけれど、新婚旅行と、両親が亡くなった時しか帰国しなかったというのは相当な覚悟があったに違いない。
    おばあちゃんにとっては、異国の地で頼りになるのはお祖父ちゃんだけだったのだろう。
    単なる愛情以上の、哀惜の念を見るにつけ、そう思う。
    まだまだ読みどころのある作品なのだと思う。

    『西の魔女が死んだ』
    『ブラッキーの話』
    まいやママを守ってくれた、おばあちゃんのところで飼っていた大きな黒い犬。
    ブラッキーを穏やかに死なせてあげられなかったママの後悔と、解放。
    『冬の午後』
    まい、小学校六年生のとき。
    「眠れる森の美女」の二人の魔女。
    呪いを掛ける魔女と、それを解かないけれど希望を与える魔女。
    『かまどに小枝を』
    まいが去ったあとの、おばあちゃんの静かな日々。

  • 生きていきにくい質、ということを言われたことがある。普通の人が普通にできることができない。大多数の人が感じるのと同じようには、感じない。まいよりは遥かにおばあちゃんに近い年齢なのに、自分の生きづらさにばかり目が行ってしまった。

  • 愛蔵版。

    今の私に必要な物語。まいとおばあちゃん、それぞれの短編も織り込まれている。

    まいのおばあちゃんのように、大きな愛情をかけられるような大人になりたい。

    じわじわと心の中に温かいものがしみこんでくる。
    ゆっくりじっくり何度でも読み返そう。

    この生きずらい社会で生き抜いていかなくてはいけない小さな人たちのエールになったらいい。

    そして!装丁と帯がとても素敵!ずっと手元に置いておきたい1冊。

  • タイトルだけ聞いたことがあって、図書館の新刊コーナーにおいてあったこの本に出会った。
    シンプルな装丁とタイトルにひっかかりで読む気持ちになった。
    小中学生くらいのころ、誰もが抱える悩みを、
    自分だけじゃなくみんな感じているんだよ、と
    教えてくれるような内容に感じた。

    大人になっても人生はなおつらく、
    そんな自分に、私は絶対に大丈夫といいたい。
    そんな気持ちにさせてもらえた。

  • 遠方のおばあちゃんとすごした日々のはなし。

    西の魔女は、なんど読んでも落ち着く。
    サイドストーリーがあったのか、よめてうれしい。
    C0093

  • 驚くことに初読。これだけ本屋で見かけつつ手に取らなかったていうのも中々珍しい。

  • 10月5日読了。図書館。ブラッキーの話。冬の午後。かまどに小枝を(書き下ろし)。

  • 全体的に童話の世界観に引き込まれた物語であった。表題作は、まいの思春期特有の友人付き合いに苦悩していたり、その悩みを祖母に相談したら、祖母は長年の知恵などから、まいへアドバイスをし、まいが前向きになったのが良かった。その他の作品も、淡々も静かに語られる文章と、自然の風景、童話の世界の雰囲気を出しながらも祖母と孫との愛情で結ばれた、絆の深さ、思いやりを感じるもので良かった。魔女の存在、心が弱りそうになった時に、そっと手を差し伸べ、その人へ対し、強い自分になれるよう支援して上げ、強い心を持つと感じる。

  • すごくうつくしい装丁で、西の魔女がまたよみがえったね。
    その後のモノローグも、まいの視点ですすむ短いお話も、最後の、
    魔女のお話も、自分にとってとても大事なもの。
    すごくたいせつな一冊ができた。

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西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集の作品紹介

自分を生き抜く力を伝える、ロングベストセラー小説の愛蔵決定版。中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、夏のひと月をママのママ、西の魔女と呼ぶおばあちゃんと共に暮す。感受性が強く生きにくいと言われたまいは、その性質を抱えて生きるために魔女修行に取り組む――初刊から23年を経て、書下ろし短篇おばあちゃんのモノローグ「かまどに小枝を」等表題作に繫がる三作も収録。

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