前へ!―東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録

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著者 : 麻生幾
  • 新潮社 (2011年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104326044

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前へ!―東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録の感想・レビュー・書評

  • 情報の開示、伝達そして決断が重要。

  • 東日本大震災発生時に、決してメディアでは報じられることのない「無名戦士」が数多くいたことを、詳細に教えてくれました。

    この本に描かれている全てが事実だとは思わない(信じたくない?)けど、東日本各地で、決死の覚悟で戦っていた無名戦士がいたことは、決して忘れないようにしたい。

  • 燃料プールの正確な位置が知りたいと詰め寄ると、東京電力社員は、「なら、代わりに??工業に、放水、やらせますかぁ」と軽くいってのけた。
    国土交通大臣大畠章宏 決断が早い すべてまかず、国の代表とおもってあらゆることをやってくれ
    活躍した部隊 施設部隊 部隊が進軍するための道路を作ったり、橋を架けたりする専門職種
    隠れたヒーロー 需品科 燃料の確保 軽油、航空燃料、ドラム缶とタンクローリーの不足
    任務終了後の解除ミーティングが効果的だった 
    部隊ごとに指揮官が全員を集め、辛かったこと、悩んだこと、その本音を語らせる そうすることで、作戦中の精神状態をオフにして、日常にもどれるはずだ。また一人にさせないことも重要だ。
    カウンセリング 異状が出現した隊員を見つければ、さっそくケアをはじめる。まっさきに行うのが喋らせること。自分の悩みや恐怖感をそのまま吐き出させることだ。普通なら口に出せない弱音も、”恥ずかしいことじゃない”と口を開かせる。また同じ症状の隊員たちを集め、同じ悩みや苦悩を仲間にも知らせる
    重要なのは、そのカウンセリングを施すことなく、すぐ現場から外さないことだ。もし安易に現場から外すと、その隊員はもはや社会に復帰できなくなる可能性がある。辛いことから逃げれば楽になることを知ってしまうと、社会生活でも常に逃げることを考えてしまうからです。
    危機管理において最大のリソースは人である

  • 「東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録」とのことだけど、現場のリアルな状況を受け入れ、それでも使命感を持って己の任務を全うした人たちの活躍は、もっと賞賛されるべきだと思う。

    困難に立ち向かう時、、人として、指揮官として、組織として、何をすべきで何をしてはいけないのかをこの本は教えてくれる。

  • ⒊11の復興に当たった担当者達の記録。
    取材を重ね、手早く仕上げたのは、評価。
    文章は・・・。

  • 麻生幾さんがドキュメンタリー?っていう意外感満載で読みはじめましたが、仕事柄かなり引き込まれました。特に第二部はご本人にもお話を伺ったので、非常に臨場感がありました。

  • まさに記録としての本だと思う。

    そのため、記述はとても淡々としている。
    それから、いろんなエピソードが列挙されているので、
    やや、散漫になっている印象が否めない。

    もちろん、これだけの情報を取材するのは並大抵ではないのだろうが。

  • 震災7年目を迎えた2017/3/11に読み始め、本日読了。第1章は福島原発事故関連。当時の経産大臣と東電の対応を痛烈に批判している。本来指揮命令権がない者が命令を下し、対応する自衛隊等には必要な情報や居住場所さえ提供しない。これが事実なのか? 第2章は国交省の道路復旧にかける組織一丸となった活動に感動。第3章は省庁間の動きとDMAT。著者の得意分野である安全保障関連の指向が、現地へ出動した自衛隊などの動きをことさら「出撃」などと言う言葉で表現するのに辟易したが、読んでよかった一冊といえる。

  • 地震後インフラ維持のために活躍した道路を守る人たちなどの話があった。ドラマチックで引き込まれて読み進めた。

  • 第1章の、自衛隊等の動きをめぐる、東京(中央)の指揮命令系統の乱れや暴走による混乱と、第2章の、現場任せにしてくれた大畠国交大臣の英断とその下での機敏な東北地整の活躍の対比が印象に残る。(一方で、第3章は政府の様々な部門について広く浅く述べられているため、正直に言ってあまり琴線に触れない)

    ただし、東北地整の働きが、柔軟なトップ(大臣、局長)と職員たちの機転のみによってもたらされたのではないことにも注意すべきである。東北地整により公開された『災害初動期指揮心得』にもあったとおり、機転よりもむしろ、それを支えた「備え」こそ、語り継がれるべき。
    また、リエゾンのことも(本書ではわずかな記載だが)『東日本大震災 語られなかった国交省の記録』に詳しい。
    とはいえ、震災発災後わずか3か月程度での速報的なるポタージュとしては十分すぎるクオリティであり、特にこれまであまり光のあたってこなかった東北地整等にとって有意義な出版といえる。

  • 自衛隊、警察、消防、霞が関官僚、国交省地方整備局職員、地元建設業者、DMAT…東日本大震災に立ち向かった無名の戦士たち。

    放射線という見えない恐怖に立ち向かう、自衛隊、警察、消防の放水チーム。東電からの正確な情報提供もないまま、指揮系統が混乱し、海江田万里経産大臣の場当たり的な指示に振り回されながらも、使命感と誇りにかけて彼らは前進した。
    震災発生直後から、被災地を駆け回り、ルートの捜索や啓開、被災状況の確認に奔走した地方整備局職員。被災者のご遺体が含まれる瓦礫が道を塞ぐという過酷な状況は想像もできない。
    各省庁の局長が集結し、情報整理、判断、決定を行い、迅速かつ効果的な震災対応が可能だった。日頃は批判に晒されることも多い官僚たちの真の能力が発揮された瞬間だった。

    原子炉建屋への放水が困難で止むを得ず撤退したハイパーレスキュー隊が、現場を知らない海江田万里経産大臣に更迭されようとしたときに、現場の統合部隊のトップの陸自隊員の言葉によって更迭を免れ、ハイパーレスキューの名誉を穢さずに済んだという話が感動した。お互い現場のプロであるという誇りがかっこいい。

    副題「東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録」とあるように、これまでメディアが取り上げなかった、知られざる戦い、震災の舞台裏で奮闘した人々が描かれている。しかし本書ですらその無名戦士たちの一部を取り上げたに過ぎず、その背後には無数の人々の物語があったはずだ。
    あの震災のとき、多くの人々が、勇気、使命感、プライドをもって立ち上がり、様々な障害を乗り越えて前進した。この国には未曾有の事態に際しても、勇敢に立ち向かうことのできる人や組織がある。彼らのような戦士がいる限り、この国はどんな困難な事態に直面しようとも立ち向かうことができるんだと勇気付けられる。
    強大化する周辺国や相次ぐ自然災害の脅威など、日本が直面する困難はますます多くなり、社会や経済には停滞感が漂っているが、この国には"彼ら"がいる。彼らを信じて、彼らのように、私たちも進み続けよう。前へ!

  • 自衛隊、警察、地方整備局、災害派遣チームなどの活躍の記録。東電と保安員と海江田万里を嫌いになりました。kobo

  • 津波の直後、福島第一原発の核燃料を冷やすには水を掛けるしかないと分かったとき、あまりに原始的な手段に国民は愕然とした。最先端技術の暴走を止めるため、キャンプファイヤーや花火の後始末と同じレベルのやり方に望みを託すしかなかったから。それでも自衛隊は出撃した。決死の作戦だった。

    安全保障や危機管理を緻密に描き続ける麻生幾による作品。

    警察や消防なら「出動」だ。自衛隊は「出撃」である。致死量の放射線という極限の状況で、燃料棒を冷やすために空を飛び、陸を走った。指揮をめぐり混乱する政治、東電の無責任な体質、現場で直面する数々の危機。詳しい状況を知らされず、建屋の水素爆発で負傷者が出た。陸海空の自衛隊員による一連の作戦行動を、通信記録や前線に立った隊長らの証言で追っている。大手マスコミが報じなかった視点だ。

    失敗すれば後がなかった。その作戦がどれほど綱渡りで寒々しい状況だったか。歴史に刻まれる悲惨な事故だ。それでもなお被害が現状でとどまったのは、小さな奇跡の積み重ねと言わざるを得ない。もしも他の原発が同じ状況に陥れば、本作品のような局面が繰り返されると断言できる。事態が人の営みである限り、歴史は繰り返す。

    津波地域で人命救助のために道路を切り開いた建設省の公務員や、普段は目の敵にされている中央官僚らの不眠不休の闘いも記録している。未曾有の事態に、未来のために命を燃やした使命感は、職の軽重を問わない。「無名の戦士」の冠は深い賞賛がこめられている。 表立って見えない彼らの働きがなければ、何一つ前へ進まなかった。

    さらにいえば、本書にすら取り上げられなかった消防団員や警察官ら殉職者がいる。逃げずに立ち向かったのを責めるのも悔いるのも簡単だ。誰かを救おうとした崇高な志があったことだけは忘れられるべきではない。

  • ざっくり読みになってしまった。
    広報のキーワードをよく目にする。知ることで、アレルギー的批判がなくなれば苦労はしないけど、ほんとそうなってほしいと思う。

  • 2011年3月11日に起きた東日本大震災。

    地震に津波、原発の事故。

    地震発生直後から動き始めた自衛隊や警察、DMAT(災害派遣医療チーム)
    などあまり報道されなかったそれらの活動や葛藤。

    麻生幾がそれらの取材を行って纏めたドキュメント。

    読んでいくと、自衛隊や警察だけでなく、道路行政を管轄する、
    国土交通省のすばやい対応などが良くわかります。

    それに付け加えて、政府の混迷振りも良くわかりました。
    (日本政府がどれだけ緊急事態に脆弱なことも・・・。)

    また、東電が如何に無策で、横暴なのかも
    良くわかる内容になっていると思います。

    読んでいて思わず目頭が熱くなりました。

  • 未曾有の大災害の最前線で奮闘した、名もなき現場の人々を取り上げたルポ。

    さすがの麻生幾。

    しかし、東電と政府首脳が100%この本に描かれてるまんまだとすると、日本国民のハシクレとして、ほんーとに失望します。
    頼むから、現場の優秀なスタッフ達の邪魔をしないでくれぃ。

  • 消防士と自衛隊には脱帽!

    官僚や東電は終わってるね・・・。

  • 資料番号:011245659
    請求記号:369.3/ア

  • 圧倒的な不安。刻一刻と悪化する原子力発電所。自分自身、当時ニュース等々で刻々と報道される原発の状況に震えた。しかし現実は想像を絶する戦慄的な状況だったとは。当時情報が遮断されていたのは良かったのか悪かったのか。実際に進行している状況を知らされていたら日本はどうなっていたのか。考えるだに恐ろしい。危機的状況をよく脱したものだと思う。視点がやや偏りがちではあるが、当時の状況を読み進むにつけ背筋が凍る臨場感だった。特に原発の部分は恐怖だった。

  • 新聞やテレビで知っているはずなのにその活動内容にについてほとんど知らなかった。報道がされていなかったのか、されていても見聞きしなかったのか。

  • 読みました! 電車で読みましたが、何度か胸の奥からぐっとこみあげてくる感触を受けました。 大震災という状況の中、それぞれが個々人のプロフェッショナルを活かして、「俺はこれを今せねばならない!」と頭ではなく心で判断した人々。 特に、2章の地元の土建屋さんらが「俺たちの出番だ、好きに使ってくれ!」と積極的な支援に名乗りでるところなんて、もう涙です。(これができなかった自分への歯がゆさにも跳ね返りますが・・)

    こんなに東電って恐ろしい会社なのか?という純粋な疑問もありますが、それは専門家の分析に任せるとして、ただただ、まっすぐに前へ!という魂の本。 心高ぶります!!

  •  本書は、東日本大震災直後に活躍した自衛隊・消防・警察、道路整備に従事する公務員達、内閣危機管理センターの官僚達の活動内容を描いた感動的な活動の記録である。
     その内容の時々刻々危機が進行する事態に対処する活動は、迫力に満ち、緊迫感にあふれ、まさに英雄的な叙事詩のようにも思えた。実にすばらしい男達であると同じ日本人として誇りにも思い、一気に読んでしまった。
     しかし、本書のプロジェクトXのようなドラマ仕立てのような感動物語はちょっと書きすぎではないだろうかとも感じた。これだけの具体的な進行を本にするには、膨大な取材を積み重ねているだろうことは間違いがないし、現地の男達が、犠牲をものともせずに「突っ込んだ」ことも本書で記載しているとおりだと思うが、事実を本書のような感動ドラマにしてしまうことは、東日本大震災への教訓と言う観点からは、認識をゆがめるのではないだろうかと危惧を憶えた。
     本書では、海江田万里経済産業大臣と東京電力幹部を徹底して敵役のように描いている点も、違和感を感じた。ドラマならば、活躍する無名戦士を際立たせるために、だらしなく、決断力がなく、かえって事態を悪化させる幹部を出演させることがよくあるが、本書のような幹部の取り上げ方では、冷静で客観的な事態の把握を妨げるのではないだろうかと思った。
     東京電力にしろ、政府中枢にしろ、未曾有の混乱にあったことは疑いがない。感情的な非難よりも、冷徹な視線と評価が検証にはふさわしいと思った。
     福島原発の事故に関しては、「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」より2011年12月26日に中間報告書が提出されている。同委員会のウェブサイトからダウンロードできるが、報告書本文だけでA4 507㌻という膨大なものである。こちらも是非読んでみたいと思った。

  • この本は警視庁機動隊、ハイパーレスキュー隊、災害派遣医療チーム(DMAT)…未曾有の危機に命をかけて対峙した、名もなき戦士たちの知られざる記録です。僕が本当に知りたかったことはこういうことです。

    いまだ被害の全貌は明らかになっていない東北・関東大震災および福島第一原発の原発事故ですが、そんな未曾有の大災害に立ち向かった自衛隊。消防士のハイパーレスキュー隊。災害派遣医療チーム(DMAT)。警視庁機動隊…。彼らに焦点を当てた災害の記録でございます。

    はっきり言います。僕が本来知りたかったことはこういうことです。この本は全部で三章の構成になっているんですけれど、そのどれもが熱い人間ドラマというべきものでした。

    第一章の「福島第一原発、戦士たちの知られざる戦争」では中央の
    「俺の命令は総理の命令だ!」
    という某大臣のムチャ振りとも言える指示の嵐と、東京電力の(ここに書かれている限りでは)本当に他人事とも言える態度を、自衛隊や、ハイパーレスキュー隊に対する対応をどうにかかいくぐりながら、致死量ともいえる放射線を出し続ける原子炉に向かって、東京電力側から詳しい場所を指示されることもないまま、任務をこなしていく自衛隊員やレスキュー隊員の姿は心を打ちました。

    第二章の「道路を啓け! 未曾有の津波災害とたかった猛者たち」では物資を輸送するにも膨大な瓦礫で道が寸断されており、重機を使って、瓦礫を取り除き、道を切り開いていこうとする民間会社や、東北の現地に派遣されている国土交通省の官僚の姿が描かれており、途中で、瓦礫を押しのける際に
    「ただの瓦礫じゃないんです…。」
    と現場の人間が言ってきた際。それが被災した方々の遺体がまだ残っている瓦礫だということで、自衛隊の方々と文字通り「人海戦術」で道を切り開いていく姿というのが僕の心の中に残っています。

    そして第三章の「省庁の壁を越え、命を救った勇者たち」では国家の中枢をつかさどる人間たち―局長クラスの幹部たちが一堂に集まり、地下室にそれこそ、不眠不休で事に当たっていたという事実を読んでいると、胸に熱いものを感じずにはいられませんでした。現地の人間が速やかに避難できるように、原発事故で燃えつつけている原子炉の火を止めるために方々に手を尽くして、現場に行った機動隊の方も全力で任務に服していたということがかかれており、いつか、ここに書かれてあることがドラマかなり映画化されて、江湖に知れることを強く望みます。

    まだまだ、予断は許されませんし、今もなお、現場で命がけで任務に当たっている方々に敬意を表しつつ、彼らのような「無名戦士たち」が少しでも報われることを僕は願って止みません。

  • 大震災で、命がけで働いた自衛隊、消防隊、警官、東北地方整備局及びDMATの活動記録。

    情報がない、資材がない、人がいない、確固たる命令もない、逆に放射能の恐怖がある中で、現場にいる人びとが、いかに究極の判断を迫られ、対応していったか?

    死ぬかもしれないという状況に部下を送るリーダーの苦悩。

    今、首都圏では、表面上は落ち着いているように見えるのは、初期対応を命がけでやってくれた無数の無名の方々がいたからだと思う。

    それにしても、指示を出すべきリーダーが、感情的になったり、情報を抱え込んだり、権限を超えて命令を出すなんて…ここが日本の不幸であるが、現場力がまだあったことが、日本の希望です。

    津波の記念碑と同様に、伝えていくことが必要。まだ、何も終わっていないとの気持ちを持ち続けることが必要。

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