おやすみ、こわい夢を見ないように

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著者 : 角田光代
  • 新潮社 (2006年1月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104346028

おやすみ、こわい夢を見ないようにの感想・レビュー・書評

  • 弟は可愛いものだな。

    いい話もあったけれど、日常にある悪意が
    じわじわきて、後味がよくない本だった。

    悪意に触れて傷ついたり
    生まれた悪意を溜め込むと、人は取り返しのつかないくらい
    太っていって醜くなる。あるいは家の中に引きこもる。
    と、角田さんは思っている。

  • ラロリー。
    日常にある、消える、消えない憎悪。短編だから憎悪がいっぱいで気分が下がる。

  • 読んでいて、ぞくっと、怖くなりました。
    日常に忍び込んでくる悪意や憎悪。
    その表現が見事だな、と思いました。

  • 角田光代はすごいなぁ。
    例えば「くさくてまいってるって、利用者の方から苦情がきてるんです」というセリフ。本当は苦情なんかきてやしないのに、浮浪者に八つ当たりをする。それはもはや自分の職業意識ではなく、ただの八つ当たりなのだ。でも、そう口に出さずにはいられなかったのだ。そうしなければ、自分を保てなかったんだ。
    例えば「ポテトチップスのにおいがする息をまき散らしながら」という描写。かつて憧れていた人を地の果てに落とすのに、この表現はすごい。他のどんな汚い言葉よりも嫌悪感が漂う。
    この本を読んだ私は、別れた恋人に想いを馳せ、引きこもりの弟を登場人物と重ねて胸を痛め、現在の不毛な恋を清算しようと心に誓い、犬を安易に車に乗せるもんじゃないよなぁ…と実感し、「はて、自分が殺したい人は誰だろう」と考えあぐねる。でも殺したいほど憎たらしい人など思い浮かばず、そのことに安堵し、けれども似たような感情が自分の中にクスブッテイルことを認める。
    小さな描写の一つ一つが「あぁ、私と同じだ」と思い及ぶ。
    もう覚えていないような小さな心のほつれを角田光代は思い出させてくれる。痛い記憶を掘り起こす作業は決して楽しくはないのに、私はまた角田光代を読んでしまう。薄汚い感情を抱くのが自分だけはないと、確認するための作業なのかもしれない。

  • 読んでいるうちに誰かの毒に当てられたような気持ち。とんでもない影響力を持った本だし、私は今ちょっとつかれていて立ち向かえないです。

  • どの話も何だか尻切れトンボというか、この後どうなるんだろう?というところで終わるから、もやもやとする。想像力を働かせるべきところなんだろうけれど、やっぱり明確に提示されるほうが好きだな~。
    ちょっと気持ち悪い女性や不幸な女性が多かったかな。

    表題作の女子高生を鍛えようと引きこもりの弟が試行錯誤するのは可愛かった。
    あとルリちゃんは大丈夫だったんだろうか・・・。

  • 人を憎む気持ちは裏返せば自分自身を憎む気持ちでもあったりして、でもそんなことには気付かずにただただ憎いと思ってしまう。

    その気持ちは時が経つにつれて薄れていくこともあるけど、ふとしたタイミングで再燃したりもして。いま現状うまくいかないのは、あのときのあの人のせいなんだと考えてみたり。

    そんな鬱屈とした風景を、さらりと描写した短編集。あくまでも深く踏み込み過ぎない深度で掘り出して、文章に載せたという印象で、なので短編であることに意味があるのかもしれない。


    人生のいろんなタイミングで、もっと前向きなもの明るいものを好む時期もあるだろうし、この作品がしっくりくる時もある。そういう作品。


    2016.6.28

  • もう少し捻りが欲しい

  • 星2.5ってところかな。
    救いがあるのかないのかよくわからない内容だった。
    短編集はやっぱり白黒はっきりつけてスッキリ終わる話が好きだな。ハッピーエンドなのかアンハッピーなのか。
    「え?これで終わり?その後どうなったの?」ていう先のことが安易に想像できないのが気持ち悪い。読解力がないのだろうけど…。

  • 穏やかなタイトルと違って、内容は若干暗くてうぬぬ…となった。
    人生を脱落しそうな人たちがたくさん出てくる。
    世の中は暗い場所だけれど、それでも明るい面もあるよ。という短篇集。

  • どの作品も読み出しは共感し期待に胸膨らませたのですが、膿を出しきれなかった。日常のひとこまでしたね。これぐらいなら普通…って、麻痺してるのか私。

  • 日常の中に溢れる人の悪意と憎悪が満載過ぎて辟易してしまう短編集。不平不満ばっかりで、育った環境や人の所為にしてばかりで。人の悪い部分ばっかりに目を向けて。いい意味でリフレッシュや現実逃避したくて読書しているのに、これでは気持ちも萎えてしまう。『ロック母』を読んだ後なので尚更。

  • 誰もが持つ殺意、悪意について、それぞれの登場人物が自己の内面を覗いていく。
    表題作は唯一?殺意とか直接的なワードは出なかった気がするけど、憎しみや淋しさや愛情はかなり身近なものなのかもしれません。
    浮浪者とか、少し避けられてしまう人々がよく出てきたのはなぜだろうと思ったけど、なぜだろうとか意識している時点で自分自身が日常的に避けているから異質に感じるのかもしれないなあと思ってしまいました。

    書き方や集め方が全体的に女性らしいというか、少し湿度が高い印象。

  • 憎しみを多面的に描いた短編集です
    全ての作品に一貫しているキーワードは憎しみ
    静かに、、、どこか恐ろしく後味も悪い。だけど共感してしまう。おそらく誰しもが持つであろう一部分にフォーカスを当てた描写があまりにもリアルだからだと思う

  • 夫、別れた彼女、子供のころの自分を取り巻くすべて、そして何より自分に対して抱く悪意、嫌悪感、逃げ出したい思い。。日常のなかでいつしか抱き、密やかに育ってきたもの。共感できる部分もあるものの、いずれの話にも救いはなく、後味は悪い。

  • この本の短編の中に、太った女の人が多く登場した。膨れた腹の中に、どこでかき集めてきたのかわからないほどの憎悪を溜め込んだような描写からは、不気味さまでも感じられた。ストレス太りが奥深いところまで書かれていて、太った人に対する世間の評価とはこんなもんだろうと思われた。痩せよう、と単純に思えた一冊。

  • 人の負の部分がたくさん書かれている作品。決していい気分がしないけど、どこかで理解してしまう・納得してしまう自分が いる。
    本のタイトルと同じ『ラロリー』って造語好きかも。

  • 沙織はかつての彼氏である剛太から、高校でいやがらせを受けていた。

    中学生の引きこもりの弟、父の転勤に家に残る母は無口になるばかり、度重なる剛太からのいやがらせ。

    いつかあいつぜってえぶっころしてやると、誓ったあの日。

    7つの短編集。
    ぶっ殺してやる、死ねばいいのに。

    抱えた憎しみは醜い塊となっていつまでもその人の中で腐敗することなく膨張しつづけている。
    その先にあるもの、その先につながるものは、消化してやらないかぎり憎しみはいつまでも憎しみのまま。

    ムカついたから殺した、とか、短絡的なそういうのはこういうのからつながってくるのかなとか。
    自分にはぜってえぶっころしてやると思う人は今のところいない)^o^(

  • 救いのない、日常。平凡なよくある救われなさだけど、なんとなく静かで怖い。

  • 角田光代さんの描く闇は静かで恐い。
    これは短編集。彼女にふられた元彼が腹いせに犬を盗んだり、部屋から出ない娘に殺意を覚える母親だったり、あらゆる人を殺したがっていた友人の消息をたずねたり。
    主人公自身が狂う話が恐い。本人にはそんな感覚もなく、気づけばずぶずぶ壊れていく。
    そして、壊れていく人を見る視点の話も恐い。
    一体この人はなんなんだか、そのルーツがわからないのだからこれは恐い。
    今回の作品も、主人公自身が、もしくは主人公の近くの人が静かに狂っている話、という印象。
    どれも後味が悪くてなんともいえないもやもやした読後感。
    この本は、あまり好きになれないかも。

  • ダークだけど、悪くなりきれない女子高生が主人公の表題作。

    人間関係が一番複雑なのって、高校2年だとかそこいらの年頃かもしれない。

    大学に入ったり、会社に勤めはじめてからは、それなりに複雑だけど〜わりと難しかったりねちっこくない。

    何でだろうか、10代半ばって人間関係がこじれたりしやすいのだろう。
    それは、10代半ばって発展途上でもがきながらバカなことを繰り返して、
    ちょっと大人になってゆく時期だからじゃないかな。

    そこで、自分のまわりに登場する人たちとゴチャゴチャしながら、戦いながら、多少強くなってゆくんではないか。

    それが、同級生だったり両親だったり。

    けっこう大切なことだったりするかもしれない…

  • 【No.128】悪意や憎悪をテーマにした7つの短編集。

  • かなり前に読んでいたのを忘れていて再読(苦笑)

    どれも暗いラストではないのに、なんだか嫌な読後感なのは、自分にも思い当たる負の感情があるからか。
    セブンなどの嫌な読後感のものは嫌いじゃないのに、これは何だかモヤモヤしてしまった。とか言いながら忘れていたんだけれども。
    らろりー。

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