海と山のピアノ

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  • 新潮社 (2016年6月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104363049

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海と山のピアノの感想・レビュー・書評

  • 2017.10.20 図書館
    野島沖
    川の棺
    ふるさと

  • 途中で小休止
    ルル は 好き

  • 水。短編集。9つの「水」にまつわる短編集。MOE2016.10にて。

  • 感想はブログにて。「僕たちが立つ場所」
    http://mihiromer.hatenablog.com/entry/2016/09/13/211922

  • 寓話のような民話のような物語です。背景に響く音楽、海は命を創造し育むが、時に命を奪う。大震災のイメージが根底にある。

  • グランドピアノの中で眠った少女が海岸に流れ着く表題作のほか、震災をテーマにしたアンソロジーに寄稿された透明な犬・ルルの物語、三崎の漁師が経験する不思議な体験など、この世のものではない、けれどまざまざとその場面が目の前に浮かぶような強い力の物語が収められている。
    いしいしんじの物語は、抽象的だったり不可解だったりするけれど、真の底の底から、やさしい、と思った。
    ひとのやさしさ、世界のやさしさを信じようとする意思を感じる。

  • 新潮ほかで出された短編集。
    なかなか入り込みにくい世界。

  • 津波のあとで。

    短編集。
    表題作がすき。パワーが別格なかんじ。
    他のものも、よくわからない、けど病みつきになるようなそんな。

    装丁もずるい。

  • 装丁がとても素敵だなと思い、ぱらぱらめくってみて読んでみたく思ったので読んでみました◎

    なんとなくメンタル低下ぎみ、読書欲も低下ぎみのときに手に取ったからか、読めるものと読めないものがありました。
    いしいしんじさんの本はわりと読めるほうなのだけど、お話によって書き方も変えているぽいのもあり。
    読んだものだけ感想などいきます。

    ・あたらしい熊
    なんとなく私的には村上春樹ふう謎めいた短編。
    具体的ではなく抽象的にはなしは進んでゆくのだけど、言わんとしていることはなんとなく伝わってきた。

    絵を描くことと、土地の土を採取し、うまれかわらせてその土地に返すことは、自分にとってはほぼ同じなのだ、とアヤメさんはいった。くすんでいるものを純粋に、ごちゃまぜの混乱を四角い一枚の上に、自分たちのからだを通し、よみがえらせる、という手順において。

    ・ルル
    いちばん好きなお話かも。このお話も抽象的。でも抽象的だからこそ繊細な部分がぞんぶんに伝わるというか。いしいさんは言葉をえらぶ天才かもと思う。誰かを傷つけない言葉を、つむいでつむいで。優しい言葉をつむいでいる。
    不器用にしか生きられないことの想いをやさしくくるんでくれるお話。

    いまこの大部屋で夜の底を歩きながら、天井からふりこめる香りを全身に浴び、ルルは、おだやかに晴れた春の草原を、引き綱なしに軽快に跳ねていく思いがした。光のほほ絵r実がそこらで蝶のように舞っていた。ルルは女の人たちが子どもたちに語りかけているのがわかった。重力に縛られない、光の国の、さやかなことばで。光のことばは声としてでなく、頭に色がしみてくるようにきこえるのだ、まるで「見えるように」。

    長い間ためこまれた少年の吐息は、ベッドの上空、天井いっぱいに広がっていき、銀色の雪塵のようにちらちらと、大部屋じゅうの空気に散らばって溶けていった。透明な女の人たちははじめて目をみはり、顔を見合わせ、まだ一定のリズムで顎を動かしつづけているルルの背に、開きかけた木蓮のつぼみのようなしずかな笑みを送った。

    ルルは透明な、架空の犬なんかじゃない。
    それぞれが、のど元や額や顎に、くすぐったい毛の感触、草の香る息遣い、見かけよりずっしりとした顎の重みをおぼえている。施設の大部屋で、押しつぶされそうな夜ごと、ベッドにあがってきては、パズルのピースみたいにすっぽりふところにおさまり、寝入るまでずっと、顔の前で見守っていてくれる。ルルがいなければ、あの薄暗い部屋の隅で、わたしはきっと難波していた。襲いくる波に引き裂かれ、どこへもたどりつけず、ぼろぼろの藻屑になって、夜の改定に沈んだにちがいなかった。ルルは毛の生えた、やわらかな、けれども世界一強い浮き輪だった。ルルがいっしょにいてくれるなら、どんな荒波がきても、わたしは楽々乗り越えることができる。

    あの大部屋に限ったことじゃない。名前をきいたこともない町の宿舎、ネオンのさしこむ田舎のホテル、錆だらけのアパート。からかわれたり、踏まれたり、無視されつづけたり、そうでなくっても、部屋の灯りを消すと、闇がそのまま壁みたいな波になって襲いかかってきて、わたしと、わたしにつながるすべてを、さらに深い闇の向こうへ、さらっていこうと逆巻くのがわかる。そんなとき、ルルは必ず来てくれる。十二年前みたいにベッドの端から飛びのるんじゃなくて、ほのかに青白く輝く天井から、光に包まれながらルルは、ゆっくりとおりてくる。そうしてわたしのふところで、青草とみそ汁の香りがまじった吐息を深々とつく。ゆうべだって来てくれた。そうでなかったらここまでやってくる決心はつかなかった。ルル、そこにいるんでしょう?
    ひとり、またひとり、五人はゆっくりと視線をあげた。

    ・海と山のピアノ
    このお話も好き... 続きを読む

  • 丁寧にゆっくり時間が流れてる世界の話。

  • 豊かな物語性にみちた、水にまつわる9編から成る短篇集。

    ハッキリ言って私には理解はできません!ww
    でも、理解できないからこそ、惹かれるのです。
    かといって、当然のことながら、理解できないものすべてに惹かれるわけではありません。

    理解できるもの、共感できるものに、惹かれることの方が多いに決まってます。
    でも、いしいさんの物語には、共鳴する何かが潜んでいるのです。それも、あちこちに。

    開けるたびに、まだ知らなかった、見落としていた宝物を発見するような、喜びを驚きが、いつも私を待っていて、裏切られることはありません。

    こわい時もあります。闇の中に突き落とされるような気持になることもあります。
    そのまま怒涛の底をさまよう時もあれば、見あげた空にぽっかりと明るい月を見ることもあります。

    え?言ってることがすでに意味不明?w
    それはさておき、どうです?読みたくなったでしょ?
    そしてまたこの本の表紙が素晴らしい!!
    ほらほら、手に取って開いてみたくなるでしょ~?ww

  • 短編集9編
    「ルル」が良かった.現実と少し重なり合うような異世界.川や海,羊水などの水を仲立ちあるいは媒介として何やら不思議な世界が開かれる.少し難解

  • いしいさんはこわい。えぐってくる。

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海と山のピアノの作品紹介

命をはぐくみ、あるいは奪う、水の静けさ、こわさ、あたたかさ。響きあう九つの物語。山で人が溺れた日から半年、グランドピアノとともに町に流れ着いた一人の少女。子守唄、海の歌、重なってゆくピアノと人びとの歌声、そして訪れる奇跡――。全篇をとおして音楽が鳴り響く「海と山のピアノ」。四国という土地がたっぷりと抱き込んだ命の泉に浸されるような「ふるさと」など、豊かな物語性にみちた水にまつわる短篇集。

海と山のピアノはこんな本です

海と山のピアノのKindle版

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