海と山のピアノ

  • 新潮社
3.13
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本棚登録 : 222
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104363049

作品紹介・あらすじ

命をはぐくみ、あるいは奪う、水の静けさ、こわさ、あたたかさ。響きあう九つの物語。山で人が溺れた日から半年、グランドピアノとともに町に流れ着いた一人の少女。子守唄、海の歌、重なってゆくピアノと人びとの歌声、そして訪れる奇跡――。全篇をとおして音楽が鳴り響く「海と山のピアノ」。四国という土地がたっぷりと抱き込んだ命の泉に浸されるような「ふるさと」など、豊かな物語性にみちた水にまつわる短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 「水」の物語でもあるし、土の物語でもある。そして音楽が溢れ流れている…と感じた。それは流動的な曲ではなくて、断続的な音、祭の囃子のようでもある。

    昔「ブランコ乗り」を読んで理解が追いつかず、敬遠していたのを何となく借りて読んでみたのだが、今回は好みだと感じる作品が多く読みやすかった。
    突然現れる「熊」や「海賊 」や「海のオヤジ」等のワードに躓きそうになるが、あえて「そういうもの」としてスルーして進めてしまうくらいがちょうど良いのかもしれない…とも思いつつ読んだのが良かったのか。

    9つの短編のうち、「秘宝館」だけがちょっと理解が難しかった。一番好きなのは「ふるさと」。読みながら田中泯さんの場踊りを思い出す。

  • あまりに深すぎて理解が難しい。思考を求めてくる作品。

  • 私はこの世界のなにも、みることができてはいないのかもしれないなぁ

    「ルル」はなんでかわからないけど涙出てきて止まらなかった。

  • ・短編集。
    ・非現実的。
    ・土着的。
    ・東日本大震災以降の作品って感じ。
    ・海の…
    ・からだのなかにあるプリミティブなもの。
    ・ちからづよさ。
    ・自然とのまじわり。
    ・歌、躍り、音楽。
    ・ものごとは不定形。不定形なものほど確固たるもの。
    ・一種の神話。

  • 短編集。短いが簡単に読ませてくれない。一々囚われる。夢のような、思い出のような。「ルル」は途中から涙ぼたぼた落ちてきた。いつかどこかで寄り添ってくれたもの。ひどく打ちのめされた過去(あるいは未来)の自分が、時空を超えてよしよしって撫でられたみたいな感じ。「海と山のピアノ」藤城清治さんの影絵で海の中のピアノが描かれた作品があって、それを思いだす。それとアニメ映画「夜明け告げるルーのうた」とか。「ふるさと」「浅瀬にて」も好きだった。

  • 2017.10.20 図書館
    野島沖
    川の棺
    ふるさと

  • 途中で小休止
    ルル は 好き

  • 水。短編集。9つの「水」にまつわる短編集。MOE2016.10にて。

  • 感想はブログにて。「僕たちが立つ場所」
    http://mihiromer.hatenablog.com/entry/2016/09/13/211922

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著者プロフィール

いしい しんじ:作家。1966年、大阪生まれ。京都大学文学部卒業。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲二文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞、16年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『トリツカレ男』『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『海と山のピアノ』『げんじものがたり』など著書多数。趣味はレコード、蓄音機、歌舞伎、茶道、落語。

「2024年 『マリアさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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