東電OL殺人事件

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著者 : 佐野眞一
  • 新潮社 (2000年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104369010

東電OL殺人事件の感想・レビュー・書評

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  • 再審決定の報道に再読。以前読んだときは「事実」の重みに圧倒されてしまい、それ以外の印象が残っていない。犯人とされた人は冤罪の疑いが濃厚であること、そして何よりも「エリートOL」が安い売春婦として夜毎街角に立っていたという異様さ……今思えばやはり野次馬根性を大いに刺激されていたのだと思う。

    再読したら、どうにも耐え難く思うことが目について、うつうつとした気持ちになってしまった。いったい何の権利があって、私はこの人達の個人的な事情をつぶさに読んだりしているのだろう。被害者の女性はもちろんのこと、被告の男性やその周囲の人たちの、どう考えても人には知られたくないことを、どんな大義名分があって知ろうというのだろう。

    著者はルポライターなのだから、これは「仕事」だ。被告の冤罪を晴らそうとして支援もしている。それでもなお、これはないだろうと思わずにはいられなかった。被害者の妹の行動を尾行までして調べ、家族間の軋轢を想像で書く。裁判に出廷した証人についての個人的な印象を「風采の上がらない」などと繰り返し実名と共に書く(何と多くの人がここで実名を曝されていることか!)。

    最も抵抗を感じたのは、殺された女性への勝手な思い入れだ。安吾の「堕落論」を持ち出して彼女の「大堕落」と世間の「小堕落」を対比させたり、妙な「聖性」を付与したり、いずれも安易で、しかも根拠がない。これは酷い。

    被害女性はまず間違いなく精神を病んでいたのだろう。彼女の考えていたことはわからないが、この世で安息を感じられる機会が永遠になくなったことを悲しく思う。

  • 事件から15年を過ぎた2012年6月7日、再審開始決定が出た東京電力女性社員殺害事件。ニュースで見た後、たまたま図書館に行って物色してたら目に飛び込んできたのが、分厚い黒地の背表紙にある「東電OL殺人事件」という白文字。
    絶妙なタイミングで出会った。
    私は当時の報道をほぼ覚えていない。事件概要もあまりよく知らなかった。数ヶ月前に著書「女という病/中村うさぎ」でフィクションではあるが事件について、被害女性について少し知識を持った程度だった。
    しかし、本書を読むについて、事件そのものの真相はもちろんだが、被害女性”渡辺康子”に引きつけられた。
    彼女の異常的行動の真相はいったい何だったのか。

    今回釈放される元被告人は無罪だろうと、私も思う。では、真犯人はいったい誰だったのか。本書にも登場する事件関係者の中にいるのか、全く無関係の人間だったのか。事件から15年、真相解明は非常に困難だろう。

    今、どうしても気になってしまうのは”東京電力株式会社”。被害者が勤めていた会社。昨年の東日本大震災での福島原発事故。政界や警察と当時(から)なにかあったのではと思ってしまう。

  • 会社の人に勧められて読んでみた。
    東電OLの心の闇について様々な推測が描かれていたが、結局のところ真実は謎のままである。
    悲惨な事件であることに違いはないが、私自身としては、やっとこのOLが解放されたのではないかという気がしてならない。生前の彼女の行動や境遇はとても痛ましいものがあった。彼女のご冥福をお祈りしたい。
    またネパール人の被疑者については冤罪となって気の毒だったが、最後には無罪判決が出たようでよかった。何故無罪判決になったかの記述がなかったが、この点をもっと知りたかった。

  • 読みにくくて疲れた…。途中飛ばし飛ばし読んだ。
    これを読むと『グロテスク』の方が面白かったなと思う。

  • 916

  • 慶大経済をほとんど金時計で卒の超エリートOLの凄まじいまでの堕落。渋谷円山町の街頭で道行く人たちへの売春の誘い。毎日4人のノルマを科し、手帳に詳細に記録。その迫力に圧倒されます。そして彼女は殺人事件の被害者に。その心の深淵に迫るとともに、被疑者のネパール人の冤罪を信じて取材にネパールまで行く著者。今年4月に無罪判決が出るまで。やや冗長なきらいはありますが、事実は小説よりも奇なり、のとおり、東京の堕落した姿を見せつける力作です。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4104369012
    ── 佐野 眞一《東電OL殺人事件 200005‥ 新潮社》
     
     佐野 眞一 ジャーナリスト 19470129 東京 /
     

  • [主な内容]
    堕落することのすごみを見せたエリートOLと被疑者である外国人との
    夜の街での出会い ― 2人を引き寄せた運命の糸を解きほぐしながら
    衝撃の事件と裁判の結末までを綴ったノンフィクション。
    事件を追うごとに深まりゆく謎と炙り出される人間の闇。真に憎むべき
    現代社会の側面がここに暴き出される。

    [おすすめの理由]
    早くから原発に反対していた被害者を証拠とともに揉み消したとされているが濡れ衣を着せられた被疑者。またそれを見抜けなかった裁判所。先日、裁判が覆ったタイムリーな時事問題。現代司法の盲点に迫る!

  • グロテスクを読んだ後にこの本を読んだので、現実と非現実とが入り交じってしまった。
    毎日神泉駅を通過しながら電車内で読んでいたのでさらに妙な気分。

    殺人は犯していなくとも、買春していたという事実は消えない。

  • あちらこちらと足を運び、周到な調査を重ねて著した、ということに敬意を払うし、事件のことをリアルタイムで知らなかったために、細部にわたって知ることが出来たのはよかった。
    ただ、憶測でWさんに関する「推理」を押し進めて行くのは上品ではないし、あんまり歓迎出来たものでもない気はする。特に第七章は、蛇足に近かったのではないか。
    読み応えはあるが、ノンフィクションとして、読む人によっては不快感を抱くだろうという一冊。

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