調子のいい女

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著者 : 宇佐美游
  • 新潮社 (2000年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104375011

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調子のいい女の感想・レビュー・書評

  • 女ってコワイ。女って哀しい。女って脆い。この小説には、痛いほど「女」が描かれている。女だからこそよくわかる感情であふれている。

    本書は、第6回小説新潮長篇新人賞を受賞した、宇佐美游のデビュー作。著者は、モデル、商社OL、アメリカでネイルアーティスト、シンガポールで不動産会社勤務を経て、様々な雑誌のフリーライターをした後、この作品で作家デビューという、華々しい「女」歴を持つ。だからこういう女度の高い小説が書けるのだ。

    主人公は加納美和子、26歳。<葉月里緒菜とデビ夫人を、足して二で割ったような>美人で、元銀座ホステス。物語は、翻訳家を目指している彼女が留学のためアメリカのボストンに到着したところから始まる。

    そして同じ時、同じ目的で、同じ場所に到着したばかりの、もう一人の女がいた。坂ノ上波江、24歳。勤務先の社長と不倫をし多額の退職金をゲットして、その金で顔と胸の美容整形をしてからボストンに留学してきたのだった。学歴も詐称している、嘘ばかりの女だ。

    美和子は、留学中は日本人と絶対に関わらず、日本語は使わないと決めていたのだが、波江と知り合ったことでそうもいかなくなってしまう。なにしろ波江は次々とトラブルを起こし、そのたびに美和子を頼ってくるのだ。美和子は嫌々ながら、しかし一方でほうっておけず、波江の世話を焼くことになる。

    波江と関わって以来、美和子は損な役回りばかりで、おいしいところは全部波江に持っていかれる。自分で築き上げた人間関係すらおかしくなっていく始末。波江を苦々しく思えば思うほど、ホステス時代に世話になった真佐奈との関係がシンクロする。波江から離れたいと思うものの、いつの間にか波江の存在は美和子の中で大きくなっていく。

    物語全体を見渡せば、美和子と波江の友情が柱になっているのだが、その周辺で様々なことが起こったり思い出されたりするから目が離せない。女同士の世界、男との関係、英語学習と仕事、どれをとっても共感の嵐である。自分ならこうはならないわと思うこともある一方で、もし自分もこういう状況に置かれてしまったら、おそらく同じように行動してしまうのではと思えることもある。そこが、怖い。

    デビュー作のせいか文章表現に未熟さが見えるが、女心の描写は秀逸で、心の、すごく微妙で痛いところを突いてくる。とくに、うれしいのに哀しいラストにはやられた。胸が痛い。結局、自分と似ている人間のことは許せなくなるものなのだ。たとえ後悔することになっても。

    読了日:2007年6月12日(火)

  • 図書館本。余り女性作家は好きではないのだが表拍子に惹かれて何となく借りてみた。「調子のいい女」に振り回されるオンナの話。スマートそうな女性なのに何でこんなに「調子のいい女」に振り回されるのか全く理解出来ず、結構イライライラ。結果最後は捨てられてるし。何だかみじめな本だった。

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調子のいい女の作品紹介

ジコチューで、ワガママで、都合よく頼ってくるくせに、こちらが頼りたいときは、冷たいオンナ。それが「調子のいい女」。銀座のナンバーワンホステスが、男どもを騙しつつ、懸命に貯めたお金をもとに、アメリカへ留学した。ボストンの学校で出会った日本人の女は整形で塗り固めた、「調子のいい女」だった。第6回小説新潮長篇新人賞受賞。

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