神に追われて

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104387014

作品紹介・あらすじ

根間カナに突然神が乗る。宮古の根、先祖の根を掘り起こせと神は命じる。カナは狂気のごとく「御岳」(神を拝する聖地)を経巡るが、神の苛烈な試練は止まるところをしらない。-民俗学の権威の筆は、理性や知性を超えた彼方に存在するもうひとつの真実をわれわれに突きつける。

感想・レビュー・書評

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  • 毎日新聞の書評欄で俵万智が紹介していたのを読んで興味を引かれた。これはリアル「千年万年りんごの子」ではないかと。

    谷川健一って名前は聞きつつも今まであまり気にしたことがなかった(どうでもいいがプロ野球の谷沢健一とごっちゃになる)。折口信夫系かなと漠然と思っていたが大体OKみたい(折口信夫もよく分かっていないが・・・)。

    本書は聞き書きによるものだろうか。幻想と事実がないまぜになったような内容で何とも言いがたい。しかし、これは語り手たちの主観的な記憶の中ではこういう世界になっているのであろうと思わせる。中井久夫の「創造の病い」を髣髴とさせた。

    なんか人間ってもともとはこういうリアリティの中で生きていたのかなと思うとけっこうコワイ。

    でも最後は沖縄の伝統行事保存とか環境保護みたいな日常的な風景の中にオチていて、夢から醒めたようでちょっとホッとした。

  • 宮古などを舞台とした作品です。

  • おそらく実話から書かれている。小説のような書きくちなので読みやすい。
    ユタは救われたり報われたりする仕事ではなく、ただひたすらに神に使われる存在であるということが書き記されている。

  • 沖縄が舞台となる、かみんちゅの衝撃な体験など、私が、天より身魂起こしの時に、読んだ本、天命をすごく考えさせられたました。衝撃的な神人となるよう神に要求される壮絶な体験のお話しが、神の道を歩むものにとっては考えさせられる体験談でした。
    便乗して呼んだ友人の一言、
    『あんたがもしも、変人として見られることがあっても、私だけは信じてあげようと思った』でした(笑)

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著者プロフィール

1921年、熊本県水俣市生まれ。東京大学文学部卒業。 「風土記日本」「日本残酷物語」、雑誌「太陽」の初代編集長を経て、文筆活動に入る。「南島文学発生論」で芸術選奨文部大臣賞・第2回南方熊楠賞受賞。「海霊・水の女」で短歌研究賞受賞。 1981年以来、日本地名研究所所長として現在に至る。文化功労者。 冨山房インターナショナルより「谷川健一全集」(全24巻)を刊行した。

「2013年 『谷川健一全集 全二十四巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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