むこうだんばら亭

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104393022

感想・レビュー・書評

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  •  乙川優三郎「むこうだんばら亭」、2005.3発行、連作8話。銚子の飯沼村にある「いなさ屋」。主の孝助と孝助に寄り添うたか(元遊女)、そして何人かの女たちの物語。第4話「男波女波」、第5話「旅の陽射し」、第8話「果ての海」がお気に入りです。6年の月日を経て、孝助とたかは夫婦になります。

  • 利根川の河口にある漁師町・銚子。激しい「だんばら波」が押し寄せる江戸時代の銚子を舞台として、荒くれ漁師たち、そして女郎屋の女たち。不幸な女たちの人生があまりにも救いが無い世界に思え、著者の作品にしては暗さばかりが目立ちました。奈落の底に落ちていく女たちに希望を与えて欲しいと思いました。

  • 人のあがく様に肯定的な乙川氏の作品は、読み終えるその都度ため息を漏らさずに居れない。

    『行き暮れて』『希望』『古い風』の終わり方に、それぞれ身をひさいで生きるしかない女性の
    行く先を案じてしまうのだが、彼女らの逞しさ故にか後味の悪さは殆ど残らない。
    また『散り花』の少女すがには哀れみを寄せ付けない凄み、
    『磯笛』の悪い予感しか残さない幕切れには老いた漁夫の情が胸に迫る。
    本書の中では特にこの二作がお気に入りである。
    そして『果ての海』では、かのの述懐に女の本当の強さという点に同性として非常に考えさせられた。

  • 読み終わるのがもったいなくて、少しずつ読んだ。
    これをおじさんが書いたってことが信じられないくらい女の人の描き方が良い。
    強さも弱さも限られた生き方も、その中で生きるしたたかさも。

  • 銚子という漁港を舞台に江戸を流れた女性の悲しい人生を切々と語る傑作

  • ひとの苦悩と明かりを描いた作品(未読)

  • 泣けた。地に足のついた人生。

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著者プロフィール

1953年 東京都生れ。96年「藪燕」でオール讀物新人賞を受賞。97年「霧の橋」で時代小説大賞、2001年「五年の梅」で山本周五郎賞、02年「生きる」で直木三十五賞、04年「武家用心集」で中山義秀文学賞、13年「脊梁山脈」で大佛次郎賞、16年「太陽は気を失う」で芸術選奨文部科学大臣賞、17年「ロゴスの市」で島清恋愛文学賞を受賞。

「2022年 『地先』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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