遺言: 桶川ストーカー殺人事件の深層

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104405015

感想・レビュー・書評

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  • この事件を機にストーカー規制法ができたという事くらいで、詳細についての知識はなかった。被害者の友達の話から経緯を知るにつれ、もっと早く警察が動いてくれていたらと思わずにはいられない。また事件後の警察の捜査にもやるせなさが募るとともに、怒りさえ感じる。著者が取材を進めていなかったらと考えると恐ろしい。

  • 清水さんの本はとにかく読みやすい。臨場感もあるからどんどんページが進む。
    桶川ストーカー殺人事件は犯人の異常さが際立つが、警察のあまりの怠慢ぶりに開いた口がふさがらない。全ての警察署がそうではないことを祈るばかりだ。最後の砦だと思って駆け込んだ警察が、この状況下で何もしてくれないのではどこに助けを求めたらいいのかと思ってしまう。

  • 【遺言 桶川ストーカー殺人事件の深層】 清水潔さん

    1999年10月にJR桶川駅で起こった女子大生殺人事件。
    当初、警察は通り魔の犯行と考えていたが、被害者は
    以前から自分が殺された場合の犯人を言い当てていた。

    遅々として進まない警察の捜査。
    警察よりも先に犯人にたどり着いたのは
    記者クラブにも加盟していない、写真週刊誌の記者だった。

    記者は取材を続けていく内に、信じがたい警察の対応に驚愕する。



    被害届の黙殺、告訴状の改ざん、被害者の人格を貶める
    ミスリードのリークや記者発表。

    この事件で明らかになった警察組織による犯罪行為が氷山の一角であることは
    事件後にも、引きも切らずに起こる警察官の不祥事を見ていてもよく分かる。

    最近、内田康夫さんの浅見光彦シリーズをよく読んでいるんですが、
    毎回毎回、警察の怠慢や思いこみによる手落ちなどに、光彦が嘆く場面が
    書かれているんですが、小説の中でもこの事件ほど露骨な怠慢や手落ちは
    書かれていません。
    「事実は小説よりも奇なり」といいますが、小説にもならないような
    現実はシャレにもなりません。
    二度と、こういう事件は起きて欲しくないです。

     

  • 被害者の再三の訴えに対し、いかに警察が動かなかったか、また、当時報道されていた「被害者は派手な女子大生だった」的な表現に被害者家族がどれだけ心を痛めたかがよくわかる。

著者プロフィール

昭和23年生。皇學館大学学事顧問、名誉教授。博士(法律学)。
主な著書に、式内社研究会編纂『式内社調査報告』全25巻(共編著、皇学館大学出版部、昭和51~平成2年)、『類聚符宣抄の研究』(国書刊行会、昭和57年)、『新校 本朝月令』神道資料叢刊八(皇學館大學神道研究所、平成14年)。

「2020年 『神武天皇論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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