ニシノユキヒコの恋と冒険

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著者 : 川上弘美
  • 新潮社 (2003年11月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104412037

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ニシノユキヒコの恋と冒険の感想・レビュー・書評

  • ニシノユキヒコ=竹野内豊に脳内変換して読んだ。
    ニシノユキヒコ、どう考えたって女たらしのろくでもない男だ。でも竹野内だもんね、断然ありだ!
    映画は見ていないけれど竹野内が刷り込まれてしまっているせいか、初めからうっとりとしながら読んだ。

    あれ、川上弘美ってこんなに軽い文章だっただろうか。
    そもそも「蛇を踏む」くらいしか読んだことがない。
    不可思議な内容でずばり芥川賞という作品だった記憶がある。
    苦手かもと今まで避けていたのだが、この作品はこのかすかな記憶をいともたやすく覆した。なんて楽しいんだ。

    でもやはりニシノユキヒコに魅了されるだけの物語ではなかった。
    その裏には彼の抱える暗い過去、悲しみ、底知れぬ孤独などが隠されていてひたひたと迫ってくる。
    ニシノユキヒコのやわらかい明るさと救いようのない暗さが時折交差する様は切ない。
    つかみどころのないニシノユキヒコは不気味な存在と化す。

    映画はこの辺りをどこまで追っているのか気になるところ。
    機会があれば見てみたいな。
    面白かったです。

  • 川上弘美さんの作品は初めて読みました。表紙に惹かれ、荷物が重かったからかもですが、少し他の本より軽い気がして貸し出しし、そのまま1日もしないまま読み終わりました。

    内容自体は10篇の短編集。別に他の短編集と変わりありません。ただ、話に出てくる共通人物でありおそらく主人公の「ニシノユキヒコ」と関係をもった女性たちによる一人称で話が進みます。

    女性といっても様々で、主婦からOL,学生など。幅広い年代、言葉の通り十人十色な性格。容姿についての描写はあまりなかったのですが、おそらく違うんじゃないでしょうか?

    ニシノユキヒコのほうはといえば、様々な年代の彼を文章で見る限りは好印象を持たせるように感じました。そんな彼に、女性たちは好意を寄せます。時に恋し、憧れ、愛します。
    でも幸せなのに切なくて、悲しいのにあたたかい。そんな不思議な印象を持つ作品でした。
    何よりも素敵な文章で感激。まっすぐに心に届くようなそんな言葉回しだったとおもいます。

  • 沢山の女の人に言い寄られても本当の恋が出来ないアンドロイドのようなニシノ君に私も恋をしました。

  • ひさびさに恋愛モノを読んだ気がする。

    ニシノユキヒコ・・。

    読んでる最中は、
    まるで私もニシノユキヒコを好きになりそうな気がしたけど、

    読み終わる頃には、すっかり興味を失った。

    本の中に出てくる、
    たくさんのニシノユキヒコを好きになった女の人達と
    同じように。

    でも、
    だからといってニシノユキヒコが嫌いなわけではなく、

    やっぱりたくさんの女の人達のように
    何かの拍子にニシノユキヒコを思い出しそうな気もする。

  • 以前竹野内豊の映画を観たが
    原作を読むつもりはなかった。
    ふと気になり図書館で借りてみた。
    恋愛の甘酸っぱさを
    思い出したのかも知れない。

    P79
    かわいそうなユキヒコ、と思いながら
    わたしはユキヒコの腕を触っていた。
    かわいそうなわたし、とはなぜか思わなかった。
    かわいそうなユキヒコ、としか思わなかった。
    やがてユキヒコがわたしを捨てるだろうに。
    やがてユキヒコの方が私から去るんだろうに。
    わたしを捨てたあとのユキヒコが
    私から去った後のユキヒコが
    かわいそうでならなかった。
    ただただ、かわいそうで憐れだった。

    P77
    なめらかな上の空

    P84
    なぜ自分からユキヒコを手放して
    しまったのだろう、と激しく後悔した。
    けれど、手放すだの終わらせるだのいう
    考え方が、まちがっていることも知っていた。
    ただ、終わるのだ。ものごとは。

    P129
    そのひとの全部を好きになることに決めると
    いいだのよくないだの、そういう価値判断など
    しなくても、よくなるのだ。
    ただ、好きでいれば、いい。

    P171
    やりすごすことできた、と私は思った。
    上手に、やりすごせた。
    決して愛さず。愛さなかったから、
    傷つけることもなく。
    傷つくこともなく。

    P171
    波がやってきた。大きな、波がやってきた。
    ニシノくんが恋しかった。
    愛しているのではない。
    私は歯をくいしばりながら、思おうとした。
    愛なんかじゃない。ちょっと、なじんだのが、
    いけなかっただけ。そう思おうとした。

  • 捉えどころのなくて、女ったらしで、ほっとけない、ニシノユキヒコ。
    西野くん、西野さん、ユキヒコ、幸彦、ニシノ。その呼び方の数だけ明らかになる彼の姿。なぜか嫌いにはなれない。
    彼にとって人生は、愛を探す冒険だったのかしら。

  • 流れるように進んでいく

    好きだった

  • 川上弘美はわたしにはまらないらしい

  • 主人公についての連作短編。

  • 人を愛せない西野くん。付き合っても結局去られてしまう。夏美さんへのプレゼントが鈴ってなんて素敵なんだろう。動くたびに鳴る鈴の音。離れてもその音に呼ばれて戻れるような気がするから。そう思うのは私だけかな。

  • ひらがなの使い方が自然でいい。実はこんなの好きだ。

  • 連作短編10編。女性の目から見た西野幸彦の人生
    ニシノさん『パフェ』夏美とみなみ、死後のひと時
    西野君『草の中で』中学時代、山片さん
    ユキヒコ「おやすみ」上司で奇麗な真奈美さん
    幸彦『ドキドキしちゃう」大学時代カノコ
    西野くん『夏の終わりの王国」小説家例
    ニシノ『通天閣』昴とタマ
    ニシノくん「しんしん」同じマンションのエリ子さんとナウ
    ニシノくん「まりも」省エネ料理の会サユリさん
    西野さん「ぶどう」江ノ島の愛
    西野くん『好き銀体温計』土管の好きな御園さん
    呼び方がいろいろあって(同じのもあるけれど)、西野幸彦のその時の関係性が表れていて、まあ恋愛遍歴の時代が分かったりもするのが面白かった。

  • 映画は大事なところが抜けてたんだなということが判明。
    映画の後に原作という順番は正解だった。
    映画は原作を読む助けになった上に、原作の深みと切なさが。。

  • 基本的に、いわゆる、スケコマシの男性の話なのだけど、スケコマシ、としての名言がたくさん描かれています。
    西野さんは、○○(女性の名)のどこがいいの?と聞かれ、
    ああ、僕もそれを誰かにおしえてほしいんだよ、との返答。
    そんなこと言われたら、聞いた方が困ってしまう。

     決して、ギラギラとしたスケコマシ、ではありません。
    自然な、流れるような、爽やかなスケコマシです。
     さらに、自分が振る側には、決してならない。
    ならない、のか、なれない、のか、も微妙。
    女が放っておかない男、っていうのは、こういう人のことをいうのでしょうか?
    自分の周りにいないか考えてみたけれど、何度も考えてみたけれど、いないよなぁ…
    でも、いそうな気にさせてしまう、作者がすごいと思いました。

  • とらえどころのないニシノユキヒコ。いろんな女性が彼とつきあって彼のことを振り返るけれど、いったい彼はどんな人物だったんだろう。丁寧で礼儀正しく優しくて、いいとこばかりのように思えるのに、それでもつきあっているうちにきっとみんな寂しさに耐えられなくなるんだろうな。

  • 竹野内豊さんで映画化された一冊。

    ニシノユキヒコが付き合ってきた
    歴代の彼女たちが語る
    ニシノさんに関するお話。

  • おすすめいただいて読んでみました。
    図書館へレッツゴ〜

    最初のパフェーが川上弘美さん独特の世界がよく出てたなぁって思います。
    ニシノくん。私、あなたの気持ちがよくわかる。
    でも彼と付き合うと寂しいだろうなって思う。
    だけど・・・愛するって怖いよね。ホントよくわかる。
    ニシノくんの女の子版って、きっとなかなか受入れられないだろうな。
    男の子と女の子じゃ同じ事してても違うんだもんなぁ。
    ちょっと不公平。
    私も誰かを愛したいな。でも・・・愛ってなんだろ(笑)
    読みやすくてスラスラ読めちゃいました。

  • 映画の主役の俳優さんで脳内変換されているから、ステキに思える彼だけど、その情報なかったら、80ページ目あたりでハリタオサレロコノオヤジと思ってしまう。
    しかし、短編で読みやすいです。

  • 1人の男を数多くの女性がそれぞれの主観で語る物語。こういうオムニバス系の作り方は良くあるけれど、好きな方。人間の価値観、捉え方は一つじゃない事がじんわりと感じられる。

  • 敏感なようで鈍感だったり。明るいようで暗かったり。愛情深いようで冷めてたり。女の子はみんな好きになっちゃうだろうな。自分だったら…って考えてる時点で夢中になってる(°_°)おそるべし。。ニシノユキヒコ。

  • どうしても人をちゃんと愛することが出来ないニシノユキヒコの歪んだ恋愛事情の物語

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ニシノユキヒコの恋と冒険の作品紹介

ニシノ君とのキスは、さみしかった。今まで知ったどんなさみしい瞬間よりも。女には一も二もなく優しい。姿よしセックスよし。女に関して懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう…とめどないこの世に、真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、著者初の連作集。

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