ニシノユキヒコの恋と冒険

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 251
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104412037

作品紹介・あらすじ

ニシノ君とのキスは、さみしかった。今まで知ったどんなさみしい瞬間よりも。女には一も二もなく優しい。姿よしセックスよし。女に関して懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう…とめどないこの世に、真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、著者初の連作集。

感想・レビュー・書評

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  • ニシノユキヒコ=竹野内豊に脳内変換して読んだ。
    ニシノユキヒコ、どう考えたって女たらしのろくでもない男だ。でも竹野内だもんね、断然ありだ!
    映画は見ていないけれど竹野内が刷り込まれてしまっているせいか、初めからうっとりとしながら読んだ。

    あれ、川上弘美ってこんなに軽い文章だっただろうか。
    そもそも「蛇を踏む」くらいしか読んだことがない。
    不可思議な内容でずばり芥川賞という作品だった記憶がある。
    苦手かもと今まで避けていたのだが、この作品はこのかすかな記憶をいともたやすく覆した。なんて楽しいんだ。

    でもやはりニシノユキヒコに魅了されるだけの物語ではなかった。
    その裏には彼の抱える暗い過去、悲しみ、底知れぬ孤独などが隠されていてひたひたと迫ってくる。
    ニシノユキヒコのやわらかい明るさと救いようのない暗さが時折交差する様は切ない。
    つかみどころのないニシノユキヒコは不気味な存在と化す。

    映画はこの辺りをどこまで追っているのか気になるところ。
    機会があれば見てみたいな。
    面白かったです。

    • 円軌道の外さん

      vilureefさん、ホンマ遅くなってすいません!
      ボクシングの試合で怪我をして
      11月から先月まで入院してました~(^^;)
      あ...

      vilureefさん、ホンマ遅くなってすいません!
      ボクシングの試合で怪我をして
      11月から先月まで入院してました~(^^;)
      あと、いつも沢山のお気に入りポチ&あったかいコメントありがとうございます!

      コレ、映画館で観ましたよ~(^^)
      小説とは違って、あえてニシノユキヒコを幽霊として先に登場させて、ユキヒコの葬式に集まる女たちとの恋を回想で描いていく形にストーリーを変えていて、これがいい効果をもたらしてます。
      あと数々の名作映画へのオマージュや分かる人には分かるマニアックな遊び心が散りばめられていて、映画が好きであればあるほど楽しめる作品です。
      そしてニシノユキヒコを演じる竹野内豊が、
      飄々としていて時折見せる寂しげな微笑みに切なさを感じさせて、
      まさにハマリ役でした。
      あとは尾野真千子を筆頭に、麻生久美子や成海璃子や木村文乃、阿川佐和子、本田翼など女優陣がみんな上手かったし、
      ユキヒコとのイチャイチャする絡みも心地よく観ていられました。

      まったりとした空気感や淡々と流れる作りは観る人を選ぶだろうけど、
      個人的にはなかなかの傑作だと思ってます(^^)
      機会があればまた、レンタルででも観てみてくださいね(笑)

      あと、僕の本棚の『もぎりよ今夜も有難う 』にも返事書いてるので、またヨロシクお願いします(^^)



      2015/04/06
    • vilureefさん
      円軌道の外さん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます(*^_^*)

      それより、おからだ大丈夫ですか!?
      ずいぶん長いこと入院...
      円軌道の外さん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます(*^_^*)

      それより、おからだ大丈夫ですか!?
      ずいぶん長いこと入院されていたようですね。
      ご無沙汰だったのはそういうことだったんですね。
      無理なさらず養生なさってくださいね。

      さてさて、この映画評価分かれるようですが面白そうですね。
      以前公開前にアサイチに阿川さんが出演されていて、竹野内さんとのシーンはアドリブで撮ったようなことをお話されていて、それは面白い!と思った記憶があります。

      演技派の女優さんが勢揃いしていますから、機会があったら是非見てみたいと思います。

      ありがとうございました(^_-)-☆
      2015/04/09
    • 円軌道の外さん

      vilureefさん、こんにちは!
      いつも沢山のポチとコメントありがとうございます(^^)

      え~、怪我はですね~、
      顎と手の指...

      vilureefさん、こんにちは!
      いつも沢山のポチとコメントありがとうございます(^^)

      え~、怪我はですね~、
      顎と手の指4本と鎖骨を骨折して、
      あと拳と肋骨のヒビと大事な目を傷めてしまったので、
      入院中は携帯を握ることさえできずずっと寝たきりの状態でした(汗)
      今はリハビリしながら
      なんとか社会復帰しましたよ(笑)(^^;)
      ご心配ありがとうございます!

      おおーっ! アサイチは僕も大好きな番組です♪
      朝ドラの流れで見てしまうし、
      イノッチと有働由美子アナウンサーの夫婦漫才のように面白い絡みが絶妙ですよね(笑)
      あと作家さんもよくゲストで出たりするのでチェックして録画してます(笑)
      つか、阿川さんと竹野内さんとのシーン、アドリブやったんか~!?
      知らんかったぁぁ~( >_<)
      めちゃくちゃ自然な絡みでしたよ(笑)

      あと僕の本棚の「もぎりよ今夜も有り難う」にも返事書いてるので
      お時間あるときにまた覗いてみてください。

      ではでは~♪




      2015/04/25
  • モテ男ニシノユキヒコのことを語る短編集。
    欲しいものを欲しいときに与えることができる(しかも同時に)ニシノくんは、そりゃモテるだろうって思うけども、結局、一人のことをずっと愛せない時点で、とても不幸なのでしょう…。

  • 謎多き少年ニシノの恋の物語。
    愛とは何なのか考えさせられる不思議なはなし。

  • ニシノユキヒコくんの少年時代から死ぬまでの間、彼と関わりあった女性から見たニシノユキヒコ像を描く(フィクション)。

    女性の視点からしか描かれていないため、ニシノユキヒコ自身が本当はどんな性格なのかをいまいちつかめないが、そんなとらえどころのない人生を彼は歩んでいるような気がした。
    人を本気で、心から愛するということができない彼は、やっぱりいつも孤独感みたいなものを抱えているように見える。
    果たして彼は幸せだったのかな。

  • とにかくよくモテる男、ニシノユキヒコの人生を、ニシノユキヒコに関わった女性達が語る。

    女性に優しく、するりと心の中に入り込んでしまうニシノユキヒコ。「成程これは入り込まれてしまうなぁ」と思うが、同時に「確かに最後までは付き合えないなぁ」と思う。二股をかけるからとか重すぎるから、ではなく何かが違う感じがする。哀しくてザンネンな男である。
    よくあるチャラさとか好色とはまた別の人たらしとしてのキャラクター性のバランス、描き方が秀逸

    一人一人女性が出る度に「ああまた寄って行ってるよニシノのやつ」と思うのに、イライラするよりも寂しさ、物悲しさが浮かぶ。本人や女達がいくら満たそうとしても、いつまでも底無しで空白は埋まらないままだったんだろうな

  • 川上弘美さんの作品は初めて読みました。表紙に惹かれ、荷物が重かったからかもですが、少し他の本より軽い気がして貸し出しし、そのまま1日もしないまま読み終わりました。

    内容自体は10篇の短編集。別に他の短編集と変わりありません。ただ、話に出てくる共通人物でありおそらく主人公の「ニシノユキヒコ」と関係をもった女性たちによる一人称で話が進みます。

    女性といっても様々で、主婦からOL,学生など。幅広い年代、言葉の通り十人十色な性格。容姿についての描写はあまりなかったのですが、おそらく違うんじゃないでしょうか?

    ニシノユキヒコのほうはといえば、様々な年代の彼を文章で見る限りは好印象を持たせるように感じました。そんな彼に、女性たちは好意を寄せます。時に恋し、憧れ、愛します。
    でも幸せなのに切なくて、悲しいのにあたたかい。そんな不思議な印象を持つ作品でした。
    何よりも素敵な文章で感激。まっすぐに心に届くようなそんな言葉回しだったとおもいます。

  • 色々な女性が、ニシノユキヒコを通じて語られる物語。どの女性も身近に感じ、ニシノユキヒコみたいな人も、どこにでもいるように感じる。どの話も素敵で、心にグサグサ刺さる。

  • ミニコメント
    「ニシノユキヒコ」との思い出が語られる。彼の優しさ、軽さはなんだか切ない。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/396044

  • この男、好きになったらダメだよなー
    って分かってるのに
    好きになっちゃったら
    仕方ないよね、、、。

  • 図書館で借りたもの。
    男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが切なく胸にせまる、連作短編集。

    ニシノユキヒコは『するりと女の気分の中にすべりこんでくる』種類の男性。
    魔性の男だな~。
    でもちょっと関わりたいよね。。笑

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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