恋愛小説

  • 新潮社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104412518

作品紹介・あらすじ

恋を読む。恋に酔う。甘くせつない痛みが胸に広がるひそやかな時間-。5人の名手による、心うるおう極上の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 川上弘美さんの「天頂より少し下って」を読みたかったのだが、同時掲載の小池真理子さん「夏の吐息」、篠田節子さん「夜のジンファンデル」、乃南アサさん「アンバランス」、よしもとばななさん「アーティチョーク」全てよかった。サントリー社とのキャンペーン企画に掲載されたものらしい。「アーティチョーク」の中のおじいちゃんの持論、「朝が来るたびに、人は神様にその日使っていい分の力をもらう、それを一日精一杯よく使って、汚れなく、悔いがないように一日を終えて、神様に借金もしなかったら、気持ちよくお酒を飲んで眠ることができて、明日はまた明日の分のエネルギーがちゃんと天からやってくるのだ」が心に残った。

  • 好きな作家が増えるといいなと思って手に取りました。
    しかし乃南アサさんがやっぱり好きだなと再確認したのに終わりました。
    小池真理子さんもこの中の話よりももっとドロドロした掛け合いのある話のほうが好きでした。
    他はとりあえず読みすすめたカンジでした。

  • 5人の作家さんのオムニバス。
    サントリーとのキャンペーンだったから、どの話にもお酒が出てきます。よしもとばななさんのお話がとてもお気に入り。
    よいお酒を、よい飲み方で味わいたいと思いました。

  • 川上さん目当てで手に取ったけれど、想定外によしもとばななの小説が面白かった。お酒が美味しそうに描かれる小説は好きだ。

  • お酒が出てくる五つの話。お酒に小さな本がついていて、親が買ってきたそれは『アーティチョーク』で今でも持っている。まとめて読んでみると『夜のジンファンデル』も好み

  • サントリーとコラボレーションで、5人の方の短編集です。
    お酒やバーを起点としてのお話でした。
    川上弘美さんは、年下の恋人と自分の息子を囲んだ物語。
    小池真理子さんは、突然失踪した恋人をしのぶお話。
    篠田節子さんは、友人の旦那様とのランデブー。
    乃南アサさんは、結婚前の二人の住居をめぐるサスペンス???
    よしもとばななさんは、おじいちゃんのたたずまいを色濃く残した、
    女性の恋人との決別をめぐるやりとり???

    個人的によしもとばななさんの、おじいさんのお酒を飲むたたずまいが芯が通っているようで好きだった。

  • 恋愛小説は幸せな内容が好きだけど
    これはどれもちょっと大人な、やりきれない恋愛。
    最後のお話がハッピーエンドで良かったな。
    どの話もさらりと読めたけど、特に印象に残ったものもなし。

  • 2011.08.24

  • どの作品も、恋愛小説としてのクオリティ高し。

    川上が頭ひとつリード。
    そうそう、「あきらめるのもいいこと」なんだよね。

    装丁もうつくしい◎

  • てっきり ハッピーエンドの話ばっかりなんだろうと思っていたら
    どれもこれもせつない話ばかり。。。
    恋愛小説でしょぉぉぉ~~orz

    よって結論

    『恋愛とは 成就しなくても恋愛。 そしてせつないものである』

    ・・・ハッピーエンドが良かったなぁ。

  • 離婚をしてから何度か恋愛をしている真琴だが、
    プールに入る瞬間やからすみを食べるときのような
    ためらいを恋愛に感じることはなくならない。
    今つきあっている年下の靴屋の涼とのことを
    ふと気づくと過去形で考えてしまうのがいけない。
    息子の真幸と涼を愛しながら静かに生活を送る。
    ウイスキーをモチーフにした恋愛小説5編。

    なんで全部ウイスキーが出てくるのかと思ったら
    サントリーのキャンペーン小説なんですね。
    しかしそれにしては顔ぶれが豪華だと思う。
    川上弘美、小池真理子、篠田節子、乃南アサ、よしもとばなな。
    川上弘美のが一番雰囲気があって好きだなぁ。
    よしもとばななは少しウイスキーに捕らわれすぎている気もします。
    乃南アサは恋愛を味わうというかすれ違いの妙を楽しむ感じ。

    「夜のジンファルデル」に挿入されたぶどうの絵がいい。

  • 大人の女性による大人の恋愛小説という感じ。
    どの作品にもウイスキーが出てくるな、と思ったら、サントリーのキャンペーンのためにかかれたもののよう。
    私もウイスキーは大好き。
    味の違いはよく分からないけれど、ウイスキーの香りと味わいは、いつのまにか厚くなった心の膜をゆるゆると溶かしてくれるよう。

    5つのストーリーの中では、川上弘美さんの「天頂より少し下って」が一番素敵。
    早くに子どもを生んで、こんなシングルマザーになりたかったなあ。。なんて憧れてしまう。
    篠田節子さんの「夜のジンファンデル」と乃南アサさんの「アンバランス」もよかった。

    よしもとばななさんだけは、どうも苦手。
    この人の文章の書き方が合わなくて、一度で最後まできちんと読めたことがない。
    何度かかけて読み終えたけど、ストーリーが素敵なだけに残念。。
    「~した」「~だった」の文が続いて、単調だし説明的。会話も文語的でぎこちなく感じる。
    人気のある作家さんなので、単に私が合わないだけなのだろうけど。。

    この本の装丁も素敵でした。どなたのデザインなのかなあ。

  • セキユリヲさんの装丁が素敵。

  • 川上弘美、よしもとばなな他、
    今の日本を代表する女流作家たちの描く「恋愛」小説。

    内容はまぁ、なんというか浮き立ってくるものがあんまりなかったけれど。
    中でも、
    よしもとばなな「アーティチョーク」はよかったかな。

  • 5人の女流作家によるFive Love Stories。
    ああそうね、なるほどねと思いながら読んだけど、さてさっぱり覚えていない。

  • もっとはっぴーな本が読みたい気分です。

  • 短編集。川上弘美「天頂より少し下って」、小池真理子「夏の吐息」、篠田節子「夜のジンファンデル」、乃南アサ「アンバランス」、よしもとばなな「アーティチョーク」。

    小池真理子の小説が泣けた。涙が止まらなかった。
    篠田節子の夜のジンファンデルも良かった。

  • 大人の恋愛・・・というと、どのようなイメージがありますか?
    生活というもののシガラミがない、純粋な恋愛でしょうか。
    それとも、どろどろの不倫でしょうか。

    この小説に取り上げられている5つの作品は、静かな・・・表面的には穏やかな恋愛です。

    でも、ずっと心に残る人。

    川上弘美の「天頂より少し下って」は母子家庭の母と母と息子のお話。
    息子がいつの間にか、彼女と肉体関係を持つほど成長してたことに気がついた母の気持ちが、淡々と語られています。

    息子を持つ母の気持ちって、こんなことを思うこともあるのかなぁと、まだ幼い王子様たちを見て思いました。

    小池真理子の「夏の吐息」は突然失踪した男性を6年間、男性の実家で、男性の母と待っていた女性の話です。

    彼女はずっと同じ場所で待っていたけれど、そうでない道を見つけます。

    「昌之、私は待つと思うのです。この先も永遠に待ち続けると思うのです。世界のどこに行っても、地の果てにいても、私はあなたを待っている。・・時空を超えてあなたを待とうと決心した。そして今、その決意は、何か壮大な、きらきらした、真新しい夢のようになって私を包み込もうとしている。しかもその夢は同時に、夏の午睡のようにけだるく、おとなしく静まり返ってもいるのです。」

    他の3篇も、同じように静かで深い作品ばかりです。
    一時の熱情だけの恋愛だけでなく、こんな男女の恋愛関係を、改めて文章で読むのも悪くないかもしれないですね。

  • 恋を読む。恋に酔う。甘くせつない痛みが胸に広がる、ひそやかな時間――5人の名手による極上の物語。サントリーとのコラボレーションで超話題、売り切れ店続出のミニ本「新潮ハーフブック」が一冊に!    乃南アサ、よしもとばなな特に良く、川上弘美及第点、残る2人が最悪

  • 「夏の吐息」は最初読んで …?って思ったけど、なんだかこうゆう救われるようなそうじゃないような話もいいなあ。お酒が飲める歳になったら、もう一度さらっと読んでみようかな。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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