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みんなの感想・レビュー・書評
先月・今月本読めなかったのはこの本に時間をとられたのは大きい。でももうわたしも、量より質の読書にシフトする時期なのかも知れない。趣味じゃないけれど。何も起こらない。淡々とだらだらと続く描写。まったく入り込めなんかしないのに、そのうつくしさには目がくらむ。そしてゆるやかに絡められた伏線。小さな、閉ざされたコミュニティ。そこですら時は、確実に、刻々と流れてゆくのだと。
タイトルや著者の記憶は曖昧だけど、
空気や手ざわりをとてもよく憶えている、
という本にときどき会います。
これはちょうどそういう本。
80点。共感はできない。というよりすべきではない。主人公の生き方に共感したからといって彼が大切だと考える事の理解に近づくとは思えない。むしろ共感は理解の邪魔になる。
「無意味さ」を人から教えてもらって理解したことになるか。ならない。それはどこまでいっても「有意味」でしかない。じゃあどうすればいいの。そんなのわかりません。
戸惑いや躊躇いは一つの決断というよりは、決断の集積である。戸惑いや躊躇いは一つの選択肢ではあるが戸惑うことを選択するというのはまた違う。この人いいわ♪ではなく、こいつなんなんだ、よくわかんないけど理解したい、っていう感じ。然るに、いや然るが故にP32に(゜д゜)ハァ?っとなったら続きは読まなくていい。
相手の嗜好を探りたいがためにオススメしたくなる良書。
たゆたうことの意味なんて、そこまで突き詰めなくてもいいんじゃないかと今の私は思います。
結局、たゆたい、ためらい、その場にい続ける勇気がないから、そうしている自分を正当化するために言葉にせざるをえないのだ。そういう生活を繰り返しながら、誰よりも認めきれない自分を直視しない「彼」の自己愛と逃避につき合わされている気がしてなりませんでした。うーん疲れた。
老人が公園で倒れているところを助けたところ 彼の所有する繋留された船で暮らすことになった。 彼を外界と繋ぐのは日本にいる枕木さんからのファックスと 時折やってくる郵便配達員と少女。 配達員から以前ここに女性が住んでいたと聞いて 大家にそのことを尋ねるが彼は逆に小さな女の子の存在を聞き返す。 謎が解けないままコーヒーや音楽に囲まれて暮らしているうちに 大家の病気が芳しくなくなってきた。... 続きを読む »
異国の都市郊外の河川端でモラトリアムな暮らしに籠もる語り手の、逡巡の軌跡。限られた人々と言葉を交わしながらあちらこちらととりとめなく漂う主人公の思念はけれど、思いがけずひと綴りに繋がっていく。しかしまあ……こんなに回りくどい人物が近くにいたらしんどいな、きっと。
淡々と毎日の風景が描かれてゆきます。ストーリーはあるのですが、なにかとてもドラマチックなことが起こるわけではありません。ただこの人の描く風景はとても静かでどこか哲学的です。川岸に停泊するボートの中に住む男の物語。そしてそのボートのオーナーの話。
2008.10
眠れない夜に最適。
この主人公の孤独に重ねる。
船に住み、読書とコーヒー、ごく限られた人との交流の日々。
ディノ・ブッツァーティの『K』の話が印象的。
運命付けられた物事はどんな形でも、その人に付いてまわるということだろうか。
こういう人生っていいなあ、と。全体に主人公の不安感は漂いつつ、予定がないことに焦らず、一つ本を読んでは関連の話題に思いをめぐらせ、音楽を聴いては昔のできごとに回想し、日常の些細に些細がかさなってできる非日常。まあ、そもそも非日常から出発しているからそうなんだけど。
この人の文章はワインのようだ。しみじみとそう感じた。ここ最近の作品はどうも三人称で書いているようだけど、一人称の時のドライブ感が若干欠けてしまっている反面、何かそれがこの作品ではいいふうに働いているようにも思えた。読んでいるはしから砂のように僕の頭の中から内容が抜け落ちていく。あー、これは小島信夫の作品を読んでいる時に感じるあれと同種のものだ、と直感した。現在形の中でしか内容が存在しない読書。最高の体験。(07/9/2)
「つらいときには甘いものを食べます。糖分が身体中に染み込んで、右か左かの固着した考えを曖昧に、まったりと溶かしてくれるからです」
ためらいつづけることの、なんという贅沢―。けして航行することはなく、河岸につなぎ止められた船。そこで暮らす主人公「彼」は、その船と同じように、航行することはなく、船が河岸につなぎ止められているのと同じように、船につなぎ止められている。船の大家、郵便を届けにきて珈琲をのんでゆく配達夫など登場人物は最小限に限定され、日々の何気なさが際立ちストーリーにされいる。






