ゆんでめて しゃばけシリーズ 9

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 239
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507122

感想・レビュー・書評

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  • 連作シリーズものの宿命で、キャラが成長していくとやはり別れもあるわけで…ちょっぴりビターになりましたね。

  • しゃばけ版パラレルワールド。

    些細なことが、その後の人生を左右するのだなぁ。
    得るものがあればその分失うことも、失わずにすめば得るものもなく。ひとは押し並べてその両手に見合うだけのものしか手にはできないということをしみじみと感じた。

  • 人生の分岐点・・・と言うには、ほんの些細な事。
    右へ行くか、左へ行くか、それだけなのに、
    誤った方向へ行くと、どうなってしまうのか?
    たぶん、生目神の眼で追った、
    逆行した若だんなの別人生の話で、
    一年ごとの大事な話を連作短編で綴っている。
    ゆんでめで・・・屏風のぞき
    こいやこい・・・恋心
    花の下にて合戦したる・・・皆が集う花見
    雨の日の客・・・おねと不思議な珠
    それぞれの行方&行く末で得るもの&失うものは、
    始まりの日・・・正しい道へ
    行くことによって消えてしまう。
    ・・・で、あっても、どちらの道へ行ったとしても、
    若だんなは事件に巻き込まれてしまうんだな~(^^;

  • ○ゆんでめて
    しゃばけシリーズ第9弾
    短編でそれぞれ独立してはいるが、屏風覗きがいなくなってのお話が前後し、知らない名前も出てくるので少々ややこしい。

    「ゆんでめて」
    屏風のぞきがいなくなった!
    あの日こうしていたら…その後悔を抱えた一太郎の元に、事触れの噂を耳にする

    「こいやこい」
    友七之助の元に幼馴染である許嫁がやってきたが、5人の中からあてなければならず…

    「桜の下にて合戦したる」
    庭で早く咲いた桜の花びらの化身のために満開の桜を見せるため妖たちと初めての花見へと出かけた先で、知らぬ妖に術をかけられてしまう。

    「雨の日の客」
    不思議な珠を持ち自分の記憶も持たない女性が一太郎と知り合い、大雨で避難する事になるのだが…

    「始まりの日」
    あの時こうしていればその後悔がなかった事になったら?
    どこからが無くなってしまったのか、どちらの結末になってもなんだか悲しい。

  • 読了、しゃばけシリーズ9作目。

    パラレルワールド的な作品。

    弓手馬手。

    いま「ゆんで」で文字変換したら弓手ともう一つ左手が出てきてびっくりした!

    「ゆんでめて」は「左手右手」という意味。

    第1~4話で馬手に行った場合のストーリー、最終話は弓手に行った場合のストーリー。

    10作目へは弓手へ行った場合のストーリから続いていく。

    パラレルワールドだから、1~4話で知りあった人たちとはすれ違ってしまうのが残念。

    それとも今後、別の形で再登場はあるのだろうか。

    3話目の花見の時の話が好きだった。

    狐と狸の化かし合いは森見登美彦の「有頂天家族」を思い出した。

    でもやはり、桜と言えば梶井基次郎。

    この本に収録されてるのはそんな物騒なのではなく楽しい宴会風景なのだけれどね。

    弓手を選んで守ったものと、馬手に行き出会ったもの、どちらが大事か。

    難しい問いだと思う。

    ストーリーは若干ネタ切れの感が否めず、技巧に走った気はするが。

  • 20160508

  •  今回は、いつものお話よりも数年先の世界。
     1話目の「ゆんでめて」が4年後、次のお話が3年後……というようにカウントダウンしていきます。
     1つずつのお話は結構ユーモラスなんだけれど、その下敷きにちょっと切ない出来事をはらんでいるから、ハラハラしながら読んじゃう。

     短編集で、1つ1つの話だけ読んでもそれで完結しているけれど、繋がっているので、最後まで読まないと。

  • 私は時々、畠中さんの本で迷子になります。
    理解力と物覚えの悪さから来るんだと思うんだけど。。。

    で、今回もあれれ? どういうこと???
    これは誰だっけ?ってなったわけです。

    でも、これが作者の狙いだったとは!?

    不思議な題名の「ゆんでめて」
    「ゆんで(弓手)=左」「めて(馬手)=右」
    がわかった途端、なるほどと膝を打ちました。
    とっても面白かったです。

  • 2014.9.27-10.06再読
    しゃばけシリーズ第9弾
    ifもしも あの時あの方に会わなければ……そんな時もあるかもしれない

    屏風のぞき好きな私には基本悲しい話ので評価は低めですが、こーゆーパラレルな事も有りだと思います。

    ・ゆんでめて
    あの時から4年。松太郎4才。
    消えてしまった屏風のぞきを探しに若だんな頑張ります。
    鹿島の事触れ 権太

    屏風のぞきファンは泣く。

    ・こいやこい
    あの時から3年。松太郎3才。
    小乃屋七之助の許嫁 千里 を見分けて、かなえさんを嫁に貰おう!
    若だんなの恋

    ・花の下にて合戦したる
    あの時から2年。松太郎2才。
    みんなでお花見!in 飛鳥山
    楽しいね〜
    生目神様の時間はどうなってるの?

    ・雨の日の客
    あの時から1年。松太郎2カ月。
    大雨増水避難避難。
    佐助vs禰々子河童=恋?笑

    ・始まりの日
    あの時の事。
    生目神の図らいでもう一つの道に進めました。
    そして、、
    あの日々が無かったことになりました。

    屏風のぞき達が戻ってきたのは もちろん嬉しいが 何か大事な出逢いを逃したような…むむう 複雑だ
    今後の4年間の歩みに注目!

  • 「町名主さん、早くこっちの話を聞いちゃくれませんかね。店とはもう関係ない男がしゃしゃり出てきて、鬱陶しくってならねえ」
    「どっちが八津屋と関係ない者か、誰でも知ってらぁな。そうでしょ、町名主さん」
    「きょわーっ」
    二手に分かれていたはずの言い合いは、今や混じってしまって、誰が誰に返答をしているのかも、定かではなくなってきた。

    今回のお話は、初めから残酷で、
    しゃばけシリーズ初の悪夢にも等しい。
    最後の大どんでん返しは、神の力の成せる技!
    少しずつ成長している一太郎と、家鳴りに注目です。

    2014.9.2

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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