ちょちょら

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507139

感想・レビュー・書評

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  • しゃばけシリーズ以外は個人的にはイマイチだったが、これはぜひシリーズ化して欲しい
    新之介の江戸留守居役としての成長が楽しみ

  • 兄の自刃を受けて多良木藩の江戸留守居役に任命された間野新之助の奮闘記。望まぬ職に就かされて日々接待や幕府との連絡調整、他藩とのおつきあい等に駆けずり回る。。ってなんか自分の今の境遇と重ね合わせてしまった。でもこの新之助、ちゃんと成長していくんだよねえ。続編があったら読んでみたいかも。

  • 面白かった。余分がいっぱいあった気がするが読後感よし。

  • 禄は少ないが、藩の金を使って人脈を作り、情報を探り、藩の不利益を避け、利益を掴むキーパーソン江戸留守居役。自刃した兄の死の理由と消えた憧れの女性の行方を探しつつ、藩のお手伝い普請を避けるため奔走する新之助の活躍を応援したくなる。
    どうやって人を動かすかというと、まあ基本は付け届けな訳だが、まっすぐで真面目な新之助が、色々な方法で広げた人脈や得た信頼をフル活用して事を成してゆく過程は、ドキドキさせられるが痛快である。兄の死の理由や女性の行方は結構あっさりわかり、女性の行く末もえーっ!という感じなのだが、まぁとにかく面白かった。
    妖怪は、出ません。イケメンは、出ます。

  • 財政難の弱小藩の
    新人 江戸留守居役が主人公。
    同部屋、他藩の先輩留守居役たちに
    かわいがられ(?)ちょっとずつ成長。
    現代に負けず劣らずの
    情報戦が繰り広げられる。
    なかなかおもしろい。
    江戸版お仕事小説。

  • 優秀な兄、千太郎が死に、主人公であるその弟、平凡凡な新之助が兄の「江戸留守居役」を引き継いだ。「江戸留守居役」とは藩のマネジメントおよび交渉が仕事のサラリーマンである。突然の江戸留守居役の拝命に戸惑いながらも奮闘するうちに兄の謎の死の真相に迫まっていく。。

    兄の千太郎が目立っていたために目立たなかった(目立とうとも思わなかったし目立てるとも思わなかった)新太郎が、お話が進んで行く程にどんどんその機転がきくようになっていく。読んでいて新之助がんばれー!!と応援したくなるお話。

  • 優秀な兄の後を埋めるように江戸留守居役に任ぜられた新之助。続編出ないかな〜♪( ´▽`)

  • 時は文政、播磨の小藩、二百石取りの武家次男として生まれた新之助は、家老曰く「平々々凡々々」な男。
    美丈夫で才があり武芸にも秀でた兄とずっと比較されてきた彼は、江戸留守居役を勤めていた兄の突然の自刃により、その役職を受け継ぐことになった。

    本の帯には「戦場は、江戸城に高級料亭。飲んで、踊って、付け届け。接待こそが留守居役の職分!?武士の仕事も楽じゃない―――」
    めっちゃ軽いその文句と、ほのぼのな表紙絵から、バブル期サラリーマン物語の江戸版?みたいなノリのお話なのかと思いました。

    が、どっこい。
    文章は軽くて読みやすいけれど、内容はなかなかシビアでした。

    留守居役は上と横に顔をつないでナンボ。情報を得るためにはお金も使わなくてはいけない。
    が、財政逼迫の藩からは必要経費もろくに出ず。
    幕政上層部に伝手も作れなかった新之助の藩は、申し付けられたら藩が倒れるしかない巨額の費用がかかるお手伝い普請を逃れる術がなくなっていた。

    藩が倒れる=全ての藩士は浪人=生活ができなくなる
    これがどんなに怖いことか。
    それを目の前にしつつ、崖っぷちでの新之助の大奮闘。
    帯の煽り文句では、ちょっと軽すぎるなぁと思いました。

    必死に(でもどこかほのぼの)頑張る新之助のキャラクターは、とても好き。
    追い詰められても、ああ、新之助ならなんとかするんじゃないかと感じさせる、安心感。
    どんな手を使って?次はどう出るの?ああ、そう来たか!
    ハラハラどきどき感も絶妙。

    続編もありそうな終わり方なので、期待しています。

    他藩の留守居役で「ちょちょら」な岩崎さん(美形・武芸OK・そつがなく性格悪)の過去も、今後出てきそうです。

  • 優秀な兄と比べて自らも劣ると思っている弟が、出来そうもないことを成しとげる。次作にも期待できる面白い内容。

  • 江戸留守居役ってなんだ?!
    と思って読み始めたけれど、大変なお役目なんだなーと。
    切迫した状況なはずなのに、なぜかのんびりしているように感じる新之助に好感☆
    人の良さや誠実なところが、周りの人の協力を得たりするんだよね。これ大事。
    最初は全く頼りなかった新之助がどんどん立派になっていくのが、すごく気持ちよかった。

著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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