やなりいなり しゃばけシリーズ 10

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507146

感想・レビュー・書評

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  • お江戸人情ファンタジー「しゃばけ」シリーズ10作目。(ビジュアルブックを除く)
    「こいしくて」「やなりいなり」「からかみなり」「長崎屋のいなり」「あましょう」の各章ごとに、まず食べ物の作り方が出ている趣向。

    「こいしくて」は小豆粥。
    長崎屋のある通町(とおりちょう)では、恋の病が流行っていた。
    若だんなの一太郎の元へは、なぜか疫神たちが集まり、この異常事態を何とかしてくれと言う。
    様子を見に出ると、京橋川にかかる京橋のあたりの結界がゆるくなっていた。結界を守る橋姫がいない…
    橋姫が恋に落ちていたのだ?!

    「やなりいなり」
    守狐たちが若だんなの見舞いに、やなりいなりを差し入れる。
    細長い小さめのおいなりさんに、海苔でやなりの顔が描いてある。
    食が細くても口に入りやすいだろうと思ってのことだが、鳴家(やなり)達は自分のものと信じて疑わない。
    そのやなりいなりを食べようとする手が現れ、護符を貼ると、幽霊をわかる。
    なぜ、長崎屋にさまよい出たのか?兄や達と身元を当たる若だんなだが…

    「からかみなり」
    若だんなの父の藤兵衛が3日も帰らない。
    女房のおたえに惚れきっている入り婿の藤兵衛が連絡も寄越さずに家を空けるなど考えられないこと。
    一体どんな理由がと想像を巡らす一同。
    若だんなは自身番屋に父がいると推理する…

    「長崎屋のたまご」
    若だんなが夕焼け空をのんびり見上げていると、空の一角がめくれ、綺麗な青い玉が落ちてきた…?!

    「あましょう」
    幼なじみの栄吉とちょっとお喋りがしたくて、奉公先のお菓子屋まで出向く若だんな。
    おりあしく忙しくて喋る間もない。こうして、だんだん離れていくのだろうかと寂しくなる若だんな。
    店へ来ていた客の新六と五一も幼なじみの友達らしいのだが?

    いつも通り、読みやすく、ほのぼの。心温まります。
    今回は長さもあまり違わないので、粒が揃った雰囲気。
    前作の少しもの哀しい気配がちらっとよぎります。
    若だんなの記憶にはないはずなんですけどね。
    2011年7月発行。

  • 2014.10.11
    しゃばけシリーズ第10弾

    どうした?まさかのお料理本
    読むとお腹へっちゃうよ〜(>x<;)
    前作の ゆんでめて とちょっとリンク

    ・こいしくて
    通町に 病の神様 大集合!
    でも、流行ったのは 恋の病
    橋姫と時花神
    ( 千里 かなめ 屏風のぞき )

    ・やなりいなり
    長崎屋の離れに幽霊がでた
    幽霊 熊八 猪吉 猪熊?

    ・からかみなり
    藤兵衛旦那が行方不明になったよ
    皆でアレコレ推測するよ
    雷小僧
    ( 屏風のぞき )

    ・長崎屋のたまご
    空の欠片の玉子は跳ねるよ飛ぶよどこまでも…
    ひそかに大黒様登場!

    ・あましょう
    栄吉と若だんな 友情に遭遇する
    安野屋で出会った新六と五一のケンカを見届ける

    あましょう がいっちばん
    友情とは何か考える

  • 祝!しゃばけシリーズ10年!
    若だんな一太郎、あまあまな二人の兄やん、今回も大活躍の家鳴くんたちなどいつものメンバーと、今回はそれほど絡みがなかったけれど、きっと次回作以降登場していきそうな神様まで登場。
    チラッと恋バナも登場したけど、まだまだ一太郎くんには遠いお話なのか。まわりはぼちぼち縁談も決まってきているというのに、大丈夫?と言いたくなってしまいます。なんせ相変わらず病弱ですから、そりゃあ5個ぐらい病気にならなくたって大してかわりません。それだけが原因じゃないと思うけど、でも、恋愛にメロメロの一太郎くんはちょっとみたくないかも・・・まだまだ、兄やんに甘やかされている一太郎くんが見ていたいと思ったのでした。

  • 死と生の狭間・・・・。
    神と人の領域・・・・。
    なんか不思議な話が揃っていましてね、
    その、それぞれの内容にちなんだごちそうレシピも良い。
    なんかホロリとさせるのは、もはや達人?
    ただ、最近ちょっと、やなりがうっとうしいな(^^;

  • 話が面白いのはいつもどおり。

    レシピ付きが面白い。

  • シリーズ10作目。

    話の最初に食べ物のレシピが書いてある。

    やはり、鳴家いなりが可愛くて実物が見て見たい気になる。

    10作目でストーリーが少しだれている感がある。

    キャラクター色がより強くなっている。

    鳴家が相変わらず可愛い。

  • 10周年の本で、何か新しいことをしたいという作者の試みにより、一作品ごとに作品の中に登場する美味しそうな食べ物のレシピがついている。
    このレシピは、若だんなの家で食べられているものだが、『鳴家五匹が、順番に六十数える間(五分)』や、『用心するもの、やなり稲荷は、全て己達のものだと思い込んでいる鳴家達。守狐らとの喧嘩に、注意すべし。』など、母屋で作られているものではなく、妖たちの手によって作られていることが伺える。
    レシピを見ながら作り、食べながら作品に想いを寄せることのできること、間違いなし!

    2014.11.27

  • レシピ付のお話。
    一品は作ってみたいですね。いなりずしかな?
    毎回病弱な若旦那を取り巻く妖たちが面白い。

  • あいかわらず、面白い。軽い読み物。レシピつきなんだが、ひとつも作ってない。

  • しゃばけシリーズ

    「いつもの」面々の安定感と安心感(笑)

    今回は1編1編に、可愛らしい「長崎屋」レシピが♪
    これ、誰が書いてることになってるんだろう?
    もしかして若旦那の将来のお嫁さん?とか
    ワクワクしながら考えました(笑)

著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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