- Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104507191
作品紹介・あらすじ
な、なんと、病弱若だんなが遂に嫁取りだってぇ!? お相手は、いったい誰なの~? 上方で大活躍した若だんなの評判を聞きつけ、仲人たちが長崎屋に押しかけてきちゃった! けれど結婚したら、仁吉や佐助、妖たちとはお別れかもしれない。幼なじみの栄吉にも何かあったみたいだし……。いつまでも、皆で過ごすこの日々が続くと思っていたのにな――ハラハラな新展開にドキドキのシリーズ第13弾!
感想・レビュー・書評
-
安定のしゃばけシリーズ。今回は『すえずえ』のタイトルが表すように、若だんなや妖たち、栄吉の将来に関わることの話になっている。若だんなたちの話からは、今のままの楽しい時期がずっと続くわけではないという若い頃の思いが伝わってくる。妖たちの話は。時間軸が違う人間との関わりの中で、必ず別れが訪れるのを感じつつ、人と暮らしていく気持ちが少し切なく描かれていてよい。
長い年月を生きることでものを持つことはないはずの妖がものを持った時の感慨深さが印象的だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「しゃばけ」シリーズ、13作目の連作短編集。
ほのぼのと楽しいのはいつもですが~これまでと違う展開があり、いい出来だったと思います。
「すえずえ」というタイトルどおり、それぞれの将来のことを考えさせるような内容。
若だんなの一太郎は病弱で、長生きしないと思われているぐらいだし、立派に跡取りになれるのかどうかも、シリーズ当初は見込み薄な感じだったかと。
妖怪たちとの楽しい暮らしも、続くという保証はない‥
そのへんをうまくさばいています。
「栄吉の来年」
幼馴染の菓子職人・栄吉に縁談が。
話してもらえなかった一太郎はがっかり。でも、それには理由が‥? 結局、一肌脱ぐことになります。
栄吉は、ほほえましい組み合わせに。
「寛朝の明日」
寛朝は、箱根山の黒羽天狗から妖の封印を依頼されて、小田原まで出向くことに。ところが‥?
「おたえの、としこし」
若だんなの父・藤兵衛が大阪で行方不明に。
大阪の取引先が藤兵衛から証文を貰ったと、長崎屋を受け渡すよう、夫の留守を守るおたえに迫ってきます。
病弱な一太郎が何と、大阪へ。そして‥対決の行方は?
「仁吉と佐助の千年」
一太郎にも縁談が持ち込まれます。
そんなとき、仁吉はお銀の庭に呼び出されます。同時に佐助も‥
妖と人間のときは違う、その切なさ。
生まれ変わりを千年でも待つと、覚悟を決めるのでした。
「妖達の来月」
一太郎がいずれ結婚することになったら、妖たちがこれまでのように部屋に入りびたりというわけにはいかない。
その解決策として‥?
これまでの作品では、将来のことを考えるとただ寂しくなってしまって、今のささやかな幸せが貴重だけど、切ない、というあたりで止まっていましたが。
少しずつ成長して、意外にちゃんと解決策も見出していける(笑)
無理のない変化が起きていく様子が、とてもよかったです☆ -
栄吉や若だんなにお見合い話が。
江戸の皆のこれから先"すえずえ"を見つめるお話
外伝・えどさがしにもつながるエピソードもあったり。皆が一緒に居られる日が続くと良いのになぁ -
うーん、なんだかいまひとつ足りない感じ。
栄吉さんが嫁をもらうこととなったり、一太郎が上方まで行ったり、ついには許婚を迎えたり、仁吉と佐助が離れから出ることを決めたり、ちょっと新たな方へ展開してきました。
兄やたちの思いなんか切ないんだけどね、安定感からかマンネリなのか......
やっぱり長編が読みたいなーと思ってしまいます。
そろそろ終わりを迎えようとしている印象なので、次には更なる怒涛の展開を期待してる。 -
面白い
-
しゃばけシリーズ。
幼なじみの栄吉や若だんなのお見合いや馴れ初めの話、兄やたちの決断の話、寛朝さんやお坊さんとお弟子さんの話など短編集。
「仁吉と佐助の千年」が個人的には好きな話でした於りんちゃんが若だんなの許嫁になり(かなり年下だけど)、兄やたちも若だんなとこれからも一緒に生きていく決意をし、裏の長屋に妖たちと暮らすことに。将来に向け一歩前進したお話で、良かったです。 -
今回のしゃばけシリーズは、みんながちょっと将来のことを考えちゃうお話。
栄吉さんはお見合いしちゃうし、若だんなにも嫁取りの話が来ちゃうし。
若だんながお嫁さん貰ったら、妖たちが一緒に暮らせない~。
ずっと『このまま』がいいけれど、ずっと『このまま』でもいられないという状況や気持ち、よく分かります。
あと、猫じゃ猫じゃが見れて嬉しい。 -
【内容】「時」が題名に入ってる短編が五つ。若だんなに婚約者。はとんどの人が嫁候補No.1に考えていただろう人物。
【感想】いつかはこんな日々も終る。そんなことを考えさせられる巻でした。外伝の「えどさがし」を読んだばかりやったのでさらにその感強しでした。(2016年01月03日読了)