べっぴんぢごく

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著者 : 岩井志麻子
  • 新潮社 (2006年3月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104513031

べっぴんぢごくの感想・レビュー・書評

  • ちょっと怖い話。岡山の田舎の旧家。女系家族。女の子が生まれると一代おきに別嬪と醜女が隔世で生まれるという。美しく生まれた女が必ずしも幸せとは言えない人生を送っている。本書は女の物語であり、構成としては、シヲの一生の物語となっている。明治、大正、昭和、平成と時代を経る。女の生き様をうまく表現していると思った。夫や家に従順なように見えるが、実は自由奔放である明治の女、対照的に表面上は自由な姿をしているが、空虚な平成の女。その時代の女を、自由に表現している。
    乞食板、乞食柱など、弱者への救済、死後の平等性の表現は、社会における循環を感じた。また、女は皆、若くして子を産むことにも、生への循環を感じる。
    さらりと読んでしまった、おとぎ話である。

  • あらすじ
    母を惨殺されて天涯孤独になった乞食のシヲは、村一番の分限者の養女となった。
    「ぼっけえべっぴん」と賞されたシヲだが、シヲの娘・ふみ枝は似ても似つかぬ醜女で、さらにその娘・小夜子は男を狂わす妖艶な美少女、
    そして初潮をむかえたばかりの小夜子が産んだのは、もはや“人とは呼べぬ”ものだった。


    おぞましい、独特で妙にリアルな描写で、
    すっきりさっぱりした読みものを好む私としては決して好む世界観でないのに、途中で読むのがとめられなかった不思議な本。
    次々に生まれる女。かならず美人と醜女の繰り返しで、大きく周囲を不幸にするでも、幸せにするでもなく、
    明治から昭和になっても、淡々と細々とただ続いていく。
    家系の女は本人が望まずとも、たった一度の性交渉でも必ず孕む。
    種が続いていく様には、シヲの母親の執念みたいなものを感じた。女は本質として、男より自分の種を残したいいきものなのかもしれない。
    だから産めるからだを持っているのも女なのかもしれない。
    岩井志麻子の描く「べっぴん」、というか、「女」は本当になまなましくて、なぜかうつくしかった。
    人間にもなれないのに、女にはなるんやなぁ、という台詞があったが、女であることを恐ろしいと思ったことを思い出した。
    初めて生理がきたとき、大人になってないのに、女になっちゃったんだ、と、とても気持ち悪い感覚に陥ったことがあった。
    岩井志麻子の作品は、ふたつ連続は読めないなと思う。静かだけれど、強烈な作品だった。
    この作品は、ホラー小説にも分類できると思います。

  • 女系一族のおぞましい話。
    初代シヲさんから五代目くらいの亜矢さんまでそれぞれの話に入り込んだ。
    地方の言い伝えって怖いのあるよなあ。
    桜庭一樹の「赤朽葉家~」も女系一族の話だけどこっちは救いがない。

  • ああ、またもや一晩(正確には3~4時間)で読んでしまった。
    もう面白過ぎ!禍々しさ全開、エログロ満載 でも汚くないのがいい。
    いい意味志麻子ワールド全開の 集大成となっていると思います。だからと言って友人に勧めるのかというとnoで これは
    岩井先生が好きな人が存分にこの世界観に浸って堪能する作品だと思います。

  • 可愛いものは、憎らしい。
    愛しいものは、おぞましい。
    恐ろしいものは……懐かしい。

    美醜を永遠に繰り返す、女の踏襲。
    因果は滅びず廻る。
    その家の女の誰もがどろりとした劣情を抱き、
    あの板の向こう側から男を招いて、輪廻を生きる。
    まだ大人には成りえないのに、女にはなってしまうという身体的・精神的なちぐはぐさを、どこかで感じている。

  • これは怖い! 今まで読んだ岩井さんの作品の中で一番怖い。何が怖いって……すべて、ですね。陰湿な雰囲気がなんともいえず、このタイトルもまた禍々しい。「じごく」じゃなくて「ぢごく」だもんなあ。なんとはなしに厭な語感。
    女性が読めば、自分が女だってことが嫌になるかもしれない。男性が読めば女性が怖くなるかもね。どこからどこまでもが、悲しくて禍々しい「女」の物語。ちょっとお薦めするにはためらうけれど、非常にインパクトのある作品だなあ。

  • ふむう…決してつまらなくはないけど、なんかこう…ひと味物足りない…
    やっぱり女性作家のこういう話は個人的に苦手です。
    ラストは、ちょっと背中にうすら寒いものを感じましたが。この先も続いちゃうのかあ…

  • 図書館で借りた。

    因縁のある乞食の女とその娘から始まる一族の話。

    淡々と話が進んで行く。
    乞食の娘の年齢が各章のタイトルになっていて、
    年表を読んでいる気分になる。
    女のいやらしさを強調して書いているのかな、
    とも思う。

  • 美女と醜女が交互に生まれる家系のおどろおどろしい話。
    一番初めの乞食の娘から金持ちの養女になりあがった美女が話の中心なので、後になるほどはしょった印象。ちょっと途中で飽きた。

  • 不気味な話だった。読んで気分の良くなる本ではないけど文章がきれい。

  • 美人と醜女が交互に生まれる家系の明治から平成まで百年にわたる因業奇談

  • 岩井志麻子さん、大好き。
    ホラー&明治なところが良いです。

  • こ、怖…ッ!
    読んでいる最中はストーリーに夢中だったけれど、読み終わってふと思い返してみるとぞっとします!
    久々に夜の暗闇が怖く思えた…。

  • スゲー、好き!

  • ホラーとはまた違う感じ。伝奇?
    そこはかとない怖さ。
    女の人の描写がよい。

  • まあおもしろかった。
    けど、いかにもなキャラと展開が「作り物」感を際立たせてしまっている気がした。小説=作り物なんだけど。
    可もなく不可もなく、というところかなぁ。

  • 岩井志麻子さんらしい作品です。田舎と女、全てがぢごくに繋がります。

  • 久しぶりに岩井氏らしさを見た気がします。交互に生まれる美しい子と醜い子。おぞましい血族の壮大な年代記。綺麗で汚い。華麗な地獄。そんな相反した表現が似合います。装丁もなんとなく不気味で、良いです。

  • 岡山という、ちょっと古い漆器のような器に所々色あせた極彩色の言葉の盛り合わせ。ねっとり溶液のような文章。みだらさんです。とてもよい。

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べっぴんぢごくの作品紹介

母を惨殺されて天涯孤独になった乞食のシヲは、村一番の分限者の養女となった。「ぼっけえべっぴん」と賞されたシヲだが、シヲの娘・ふみ枝は似ても似つかぬ醜女で、さらにその娘・小夜子は男を狂わす妖艶な美少女、そして初潮をむかえたばかりの小夜子が産んだのは、もはや"人とは呼べぬ"ものだった-。「書いてはいけないものを、書いてしまった」作家・岩井志麻子にそう言わしめた、女という生き物の哀しみに臨界点まで迫る暗黒大河小説、ついに登場。

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