子供たち怒る怒る怒る

著者 :
  • 新潮社
3.21
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本棚登録 : 411
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104525010

作品紹介・あらすじ

過去の呪縛から逃れるため転校した神戸の小学校では、奇妙な遊びが流行っていた。「牛男」と呼ばれる猟奇連続殺人鬼の、次の犯行を予想しようというのだ。単なるお遊びだったはずのゲームは見る間にエスカレートし、子供たちも否応なく当事者となっていく-(表題作)。新世代文学の先鋒が描き出す、容赦ない現実とその未来。ボーナストラックとして書き下ろし二編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • うわーーーーーーーーーーーーーーーーー気持ち悪かった!!!!!!!!!!!!!

    なんて言うんだろう…なんか偏執的だった……

  • 初読:2005年5月9日(ハードカバー)
    再読:2017年12月20日(文庫)

    (再読時の感想です)
    学生の時以来の再読になる。普段再読というのをあまりしなのだけれど、なんだか無性に読み返したくなったので。
    当時はエラく感動したものだったけれど、こうやってそれなりにいろんな本を読んで、年をくって再読すると、やはりある種の青臭さというか、もっと言ってしまえば「未熟」な感じは否めないな、と思う。
    やっぱり、「中高生向き」なのだろうなあ。だけれどもこういうしたり顔で了見を話す「大人」に対して反抗することが、一番のこの小説の主張なのだろうけれども。
    まあとにかく分かりやすい不幸なシチュエーションのオンパレード、グロテスクのパーティ、青臭さ満点の主張、という感じだった。あとやっぱり(もうずっとそんな感じだけど)改行文体はいかがなものか(これは初読の時にも強く感じた)。
    結局のところ佐藤友哉の純文学短編集って今のところこれしか出てなくて、勿体無いなあ、と思うんだけど。これを載せてた当時の『新潮』はなかなか懐が広いね。

    『1000の小説とバックベアード』も再読しようかな。

  • 無意味な死と暴力。僕らはそれにどうやっ立ち向かっていけばいいんだろう? という話。どんなに苦しい状況でも決して絶望に屈しないという意志の強さに憧れるけど、同時に〈どんなに苦しくても絶望に屈しない〉ということはそれ自体絶望なんじゃないかと思える。短編集でわりとどれも好きだったけど、表題作の中編が良かった。連続殺人事件の予知ゲームをする子どもたちのお話。

  • 【190】

  • 読むの疲れた。こういう狂気系のに当たったの久し振り。今はこういうの気分じゃないなぁ。狂い方が筒井康隆せんせいっぽい?ぜんぜん違ったらすみません。

  • 「死体と、」が個人的に面白かった。
    ぶっ飛んだ内容の話が多いから、この短編も非現実的な現象が起きると思っていたが、結局は死体は死体のまま何も起きず。
    けれど、それが逆に予想外で他の話と違い、特に後味の悪さも感じなかった。

  •  短編集。なんつーか、まぁ初めからわかってはいたけれど、ミステリじゃないな。そもそもこの人ミステリ作家ではないしね、おそらく。やっぱり違うんだよな、ミステリ作家じゃなくてもミステリを書こうと思えば書ける、でも書き続けることができるのはミステリ作家じゃないと無理、みたいな。
     純文学というわけではないと思う、そんなこと言ったら純文を読む人に怒られそう。舞城とかもそうだけれど、一体彼らをどの分類に突っ込めば良いのか。一般文学? 江国かおりとかと一緒? どっちかってと町田康と一緒。
     面白くないわけではないと思う。うん、やっぱり佐藤、好きだし。徹底的に破壊的で性的で、コンプレックスの塊が書いてますみたいな文章も世界観も嫌いではない。舞城みたいなどぎつさはないし、西尾みたいなライトさもなく、適度に読みやすい。
     何処までも子供が主人公で、しかもどこか壊れてる子供がたくさん。
     表題作より一作目の「大洪水の小さな家」が好き。ただ、高柳があの話を書くならラスト、(一応ネタバレになるので空白反転処理。あまり意味は感じられないけど。)「兄貴が一人でも「完結」していることに気が付いたのと同じように、屋根の上で弟も同じことに気がついて「完結」してしまった」ことにするな。そうすれば「気付いてそのまま死ぬ兄貴と気付きながら生き続ける弟」で、より兄貴が報われなくて良い感じ。
     抜粋。表題作「子供たちは怒る怒る怒る」より。
     どうしよう、殺しそうだ。
    05.08.13

  • 短編集
    リカちゃん人間だけすっごく面白かった
    それ以外は生意気な子供と近親相姦ばっかでつまんなかったです(>_<)

  • 短編集。全部が全部後味の悪いおはなし。
    正直、子供が世界を呪詛しちゃうのもわかるんだけど、でも、周りの人たちだって頑張って生きてるんだからお前らの呪詛で殺されたらたまんねえよ、と思った。
    とくに最後の「リカちゃん人間」は、そこまできておいてなんでその結末を選択するか!!もっと大人を頼れ、ますます袋小路に迷い込むだけじゃないか!!!と怒りすら覚えた。

  • あとちょっとが読めない。グロい。

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著者プロフィール

1952年北海道釧路市生まれ。
1974年に北海道教育大学札幌分校特設美術課程卒業(美学・美術史専攻)。1976年に北海道教育庁北海道新美術館建設準備室の学芸員、翌年には北海道立近代美術館学芸員となる。1985年北海道立旭川美術館学芸課長。1990年からは北海道立近代美術館に戻り、2004年同館学芸副館長。2012年から2022年まで札幌芸術の森美術館館長を務める。この間、それぞれの美術館で数多くの北海道ゆかりの作家の個展や現代美術展を企画開催。
現在、AICA国際美術評論家連盟会員、北海道芸術学会会員、北海道美術館学芸員研究協議会会員。また旭川市中原悌二郎賞、札幌市本郷新記念札幌彫刻賞、ニセコ町有島武郎青少年公募絵画展、北海道陶芸展などの審査員を務める。

「2023年 『北の美術の箱舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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