アフガニスタン敗れざる魂: マスードが命を賭けた国

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104538010

作品紹介・あらすじ

ニューヨーク9・11テロの2日前、アフガニスタンで一人の男が殺された。アハマッド・シャー・マスード。ソ連を破り、反タリバーン連合を率いた伝説の英雄。写真家・長倉洋海が、志半ばで倒れた親友マスードとの日々を回想し、おとずれた平和に甦る大地を駆け抜ける。

感想・レビュー・書評

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  • ビンラディンにとって都合の悪いアフガニスタンに2つの静直が存在していること。1つはビンラディンを受け入れてくれたタリバン政権、もう1つはパキスタンの強い支援を受けたアフガニスタン南部に多いパシュトゥ人を主に構成されている。
    アフガニスタンは多民族国家。
    パキスタンにいるパシュトゥン人はパキスタンにおいて人口の約9%でマイノリティで2級市民扱いを受けていた。
    ハザラを除くアフガニスタンの全民族はスンニ派。
    はざらとイランが進行するのはシーア派。ホメイニみたいな独特の指導者が出てくるのもシーア派の特徴。
    タリバンとは神学生を意味する。
    イスラム法をより厳格に人々に強要した。タリバンの政策はイスラム社会と一致するものではない。

  • アフガニスタンの英雄のルポルタージュ。祖国アフガニスタンに自由と平和をもたらすべく、ソ連、タリバンと戦い続けたマスード。他の勢力とは異なり、市民生活の安全を第一に行動する姿はチェ・ゲバラを彷彿させる。視点が偏っている感が否めないが、非常に読みごたえのある一冊。
    この本を読むと、いかにアフガニスタンが過酷な状況にあるかがわかる。地理的、民族的、宗教的な理由から戦争の火種を多く抱え込んでしまう国だ。最近では、タリバンが息を吹き返しはじめているばかりか、さらに莫大な天然資源の埋蔵が明らかになった。戦争の火種はいつになったら消え去るのだろう。

  • 2001年9月9日、アメリカ同時多発テロの2日前に、自爆テロによって亡くなったアフガニスタンの英雄マスード(反タリバン連合最高司令官)と行動を共にした日々のことが綴られた本です。

    長倉さん、写真に負けず劣らずの良い文章を書きますね〜。涙が出そうな優しい文章です。アフガニスタンの自然やそこに暮らす人々のことをいかに愛しているかが伝わってきます。マスードの一途な生きかたそのものにも感銘を受けました。

  • いつもアフガンの真の独立と世界の平和を願っていた”パンシールのライオン”マスード。彼の闘いの日々。

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著者プロフィール

1952年北海道釧路生まれ。写真家。同志社大学法学部卒、通信社勤務を経て1980年以降、フリーランス・フォトジャーナリストとして世界の紛争地を精力的に取材した。今日まで南洋から東南アジア、中東、シルクロードを踏破し、直近ではシベリアの少数民族ネネツなど極寒地の人々と暮らしを撮った。代表作にアフガニスタン抵抗運動の指導者マスードに密着取材した「マスード 愛しの大地アフガン」により国際的に高い評価を受け国内では第12回土門拳賞を受賞した。他に「エルサルバドル 救世主の国」(講談社出版文化賞)など著書、写真集多数。

「2020年 『女、美しく わが旅の途上で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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