ふむふむ: おしえて、お仕事!

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104541072

感想・レビュー・書評

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  • 以前から、三浦しをんという小説家は職業の伝道師である、と勝手に思っていたのですが、ついにその集大成とも言うべき本が出ました!

    その名も「ふむふむ : おしえて、お仕事!」。女性の職人、芸人さんとの対談集です。三浦しをんの小説では、主人公が特殊な職業についていて、その日常がこと細かに記述されていることがよくあります。読んでいると、自分も明日からその職業につけるのではないかと思うほどの詳細さとリアリティ。なんでここまで書けるんだろう、なんでここまで書くんだろう、と思っていましたが、この対談集を読んで少しその秘密がわかった気がします。「ある人物を知ろうと思ったら、仕事について聞くとよい」というのが彼女の言。確かに仕事を語るとき、自分の好み、社会との関わり方、物事の捉え方、など自然と出てくるような気がしますよね。人間を語るために仕事を語る、ということなのでしょう。

    それにしても、ここで対談している人々の職業はバラエティに富んでいます。染色家、靴職人、ビール職人、活版印刷職人、飼育係、漫画家アシスタント、編集者・・・。このセレクトはまさに三浦しをんという人物を物語っているとも思えます。そしてどの対談も面白い。工事現場監督をしている方(当然女性)との対談にはぐっとくるものがありました。

    ところで、私は彼女の小説を読むといつも、「新しく絆を結ぶ」ということが大事なテーマになっているな、と感じます。家族など生来の絆がもろくても、新しく絆を結んでいくことができる、という希望。ここで対談している人々も、職人、芸人という一見自分の能力さえあれば働いていけそうな職業についていますが、みなが他の人々とのつながりの大切さを語っています。自分の仕事をとりまく他の人と協力すること。他の人に自分の仕事を届けること。自分の仕事に満足してもらうこと。対談者が楽しそうに、そして真摯に自分の仕事に取り組んでいるその理由は、そのあたりにあるような気がします。

    「仕事」に関する本となるとすぐに「就活」と結びつけて考えてしまいがちですが、そんな目の前のことにとらえられず、もっと先を見て生きたらいいよ、と後押ししてくれるような、いやそんなことも吹き飛ばしてただ楽しみのために読めばいいんだよ、と思えるような、面白い本です。私も三浦しをんさんと語りあいたい!



    「2011年 私のオススメの1冊」
    (ライブラリー・ワークショップ)

    http://opac.lib.tokushima-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?materialid=211003171

  • あとがきに「 職業に対する、この異様な興味はなんなのか」と自分の事を書いてらしたけど、私もひとの職業にすごく興味があるので共感しきりでした。
    数多ある職業の中からなぜそれを生業としているのかが、その人を知る上で大切だと思うので。

    本書に出てきた女性たちはあんまり身近に居ない仕事の人だったけど、それぞれ物語をしっかり持ってらして、面白かった。

  • 2014 6/10

  • やはり、仕事に誇りを持っている人は素敵です。

  • 職業婦人へのインタビュー~靴職人・ビール職人・染織家・活版技師・女流義太夫三味線・漫画アシスタント・フラワーデザイナー・コーディネーター・動物園飼育係・大学研究員・フィギュア企画開発・現場監督・ウエイトリフティング選手・お土産屋・編集者~ま、書いていてもどってことがない職業だが、聞く人と応える人の個性があるから、読めるな。ただし、三浦さんのおたく振りはよく解らない

  • 突っ込みが甘いかな。

  • 色々な職業に携わっている女性へのインタビュー集。
    どの女性もキラキラしていて魅力的なのが伝わってくる。自分の仕事に対する考え方・姿勢についても考えさせられた。面白く、興味深く、いっぱいふむふむできた。
    写真がカラーじゃないのが唯一残念だったところ。。

  • 三浦しをんさんの仕事インタビュー本。この本を読む限り日本女性の社会進出は相当進んでるし、むしろ女性の方が楽しそうな仕事をしてるような気がした。仕事との関わり方はその人の生き方に近いのかもしれません。

  • どの方も仕事に対して誇りとこだわりを持っていて、しっかりと2本足で立っている。すごいなあと思う。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

三浦しをんの作品

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