純情エレジー

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著者 : 豊島ミホ
  • 新潮社 (2009年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104560035

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純情エレジーの感想・レビュー・書評

  • 「エロ」な豊島さんを読みたくて手に取った。官能的だけど、どこか冷めていたり青臭かったりな登場人物らのおかげで、重苦しくなりすぎず読めた。
    でも、個人的に心を動かされたのは、全編を通して舞台に描かれている「田舎」だ。これが裏テーマだろうか…舞台はおそらく東北だろう。県は違えど、豊島さん同様に北東北の片田舎に生まれ育った私には、描かれる田舎の閉塞感が手に取るように分かった。そこで暮らすことの息苦しさを振り切るように都会へ出る。嫌悪感を感じつつも、全てが嫌かといえばそうも言い切れない。それはまんま、私自身もそうだったから。田舎を捨て、東京でライトノベル作家として成功した照が、イラストレーターの彼女に郷里のテレビ番組を見せて言われた言葉。「っつーか、よくこういうとこ住んでいられたよね」「あたし無理。こういう文化レベルの低いとこ。」そのセリフには同意しつつも、なんだかうまく説明できない苛立ちを感じたのだった。照が言うところの、「わかっているけど、飲み込めないものがあった」。他の作品の登場人物も、皆どこかで自分を持て余している…田舎に留まるものも、出て行ったものも、出戻ってきたものも。余計なお世話だけど、豊島さん自身、書きながら揺れていたんだろうかと感じてしまう。
    それが如実に現れている最終話の「結晶」は、読んでいて胸が痛かった。読みながら、愛読していた豊島さんの連載エッセイで、東京から秋田に帰ると突然発表したときのことを思い出さずにはいられなかった。休筆宣言はその後だったろうか。
    「どっか届きたかった気がするのに、今じゃもうわかんない。あのまんまがよかった気がしてきたんだ。なんか。」
    「結晶」のこのセリフが、妙に心に残った。地方出身者だからこそわかってしまうコンプレックス…そんなものを勝手に感じ取り、「結晶」で、東京で再会した同郷の人間との方言での会話のような感覚で、私は豊島さんの小説に強烈なシンパシイを感じていた。できることならまた会いたい。彼女の小説に。

  • 夏の3日間だけ会ってひたすらセックスするだけの関係になってしまった元彼との物語など、どこかさみしくて不思議なラブストーリー短編集。

    普通じゃない恋と、沢山のセックスと、曖昧な別れ。女子中高生が大好きそうなお話だった。
    もうそんなに若くない私には、少し日現実的で、でも思春期の頃に憧れたのはこんな恋だったなあ、という感想。女の子視線のお話も男の子視線のお話も、高校生視線のお話も社会人視線のお話もあったけれど、どのお話にも妙に懐かしくて少しノスタルジックな気持ちにさせられた。

  • 17歳スイッチ(磐田と樋口、sex、高校生)
    あなたを沈める海(遥と照、遠恋)
    指で習う(西目と弓子、西目の結婚で別れ、書道教室)
    春と光と君に届く(万一さんと晴ちゃん、事故で植物状態)
    スイカの秘密を知ってるメロン(マーと澄果、不倫、妊娠)
    避行(あなたを〜照サイド)
    結晶(中学の同級生、故郷)

  • 40代のおやじにとってこの小説はすっごく懐かしさの感じる短編集でした。 
    すごく綺麗で胸がぎゅーっと締め付けられるような苦しみと切なさにたまらなくなってしまう。 
    「あなたを沈める海」と「避行」、男と女、違った視線から語られれば風景も違って見える。書き下ろしの「結晶」もよかった。

  • 2009.06.11. 女の子たちの、なかみは、空っぽなんだ。それが海のようであり、砂漠のようであり。

  • 思春期独特の感情が詰まっている。

  • 短編集。冒頭二作のみ読了。設定が好みじゃなかったので断念したが、文章はとても綺麗で読みやすい。この直後に村上春樹を読んだら、案の定胃のあたりが気持ち悪くなってきた。気持ち悪いのに読みたいと思う本と、気持ちよく読めそうなのに読むのを止めてしまう本の違いはなんだろう。装丁と挿絵の好みって、その作品を好きになれるかどうかの基準としてめちゃくちゃ大きいですよね。

  • これが純情なのかは置いておくとして…『あなたを沈める海』と『避行』が対になっていてよかったし話としても1番好き。その後の2人がとても気になるけど。性描写もたくさんあったけどとても綺麗というかうまく描けていて読みやすかった。他の作品も読んでみたいなと思わせる1冊だった。

  • 「十七歳スイッチ」
    同級生を見下してる磐田くんと、缶コーラ一本分でやらせる樋口さん。磐田くんは俯瞰型男子高校生なんだな。みんなバカに見えて、俺はあんな奴らとは違うんだって考えつつも、自分も他人とは違うアピールをしたいだけの一人だって分かってる、というか「お前も自分は他の奴とは違うんですよって言いたいだけじゃん」って言われた時のために予防線張ってる、あの感じ。すごい分かる。なんだかんだ流れで童貞切ったらやっぱ世界変わってんじゃん。優しくなれんじゃん俺、的な雰囲気で締められる。高校生の世界ってそういうもんなのかもなあ。

  • 会っている数日のあいだ、わたしたちはセックスしかしない。
    おぼえたての高校生のままみたいに


    性にまつわる短編集
    田舎と都会、だらだらと続く曖昧な関係
    ほとんどのストーリーの女性は、あっさりしている。
    田舎に心残りがある男よりも。
    各章の扉絵のイラストがエロくてきれい

    ライトノベルの作家が東京の彼女が
    田舎をTVで観て「よくこんなところ住んでられるね」
    みたいなセリフには思わずイラッとした。
    地方に幼い頃から住んでた人は分かるかも…。

  • 久々の豊島さんの短編集

    最初の「17才スイッチ」がタイトルも含めて一番好き
    この人高校生と田舎の人間を描かせたらほんとNo.1だと思う

    R15の描写がたくさんですが、すんなり読めるのでぜひ

  • エロティックな性愛に関する作品だけをまとめた豊島ミホ。正直こういう類の作品だと思ってなかったからビックリした。遥サイドから書いたお話と照サイドから書いたお話が少し離れたところに入っていて良かった。ただ、この作品好きかと言われれば「うーん」。文章は綺麗なんだけどね。心情描写もいいんだけどね。ちょっと理解できないとこが少々。2012/476

  • どの女性も、秘めた情熱があるけれど男性に多くを語らず、その時その時をなすがままに生きている感じ。

  • 田舎と都会と、男と女。
    官能というより、くすぐったいように気持ちよく、ああ、女子高生の時にこんなのが読めたら、と思った。

    どれもあっという間に読んでしまったけれど、遥と照の二人の物語を、私はきっとずっと忘れない。紡ぎ方がどうとかでなく、この二人の関係が余りにも羨ましく見えたから。照は、そうして、どうしたのだろうとふと思い出しては考えてしまう気がするなあ。

  • 豊島さんのファンになる

  • 豊島ミホさんの作品はいっつも大好きになるのですが
    これは…多分、もう読み返さない気がします。

    R18出身だからこういうのも良いんだろうけど、
    というか 決して悪い内容ではないんだけど、
    いつもの甘酸っぱい恋愛もののほうが似合う気がします。


    選ぶなら、
     指で習う
     春と光と君に届く
    この2つが特に、好きでした。

  • 目に見えるものはセックスだけで、
    湧いてくるのは性欲だけであろうとも、
    僕たち私たちはきっと純情なんです。
    ってゆー感じの物語。

    純粋すぎるセックスは、たまに痛い。
    こういう形でしか、愛を紡げない。

  • 表紙とタイトルにしてやられたかも(笑)。結構生々しかった。豊島ミホさんはこうなんだなと思える短編集。生々しいけれど、心理としては共感する部分も・・。ただ読後は落ちるのでもう読まないかも。

  • さらっと最後まで読むことが出来た。

  • 豊島ミホさんの作品では、少し苦手な部類かも。
    でも、やっぱり、時にはっとする表現や若さゆえの眩しさみたいなのがあって、ゆっくりと読み進めた。

    最後の書き下ろし「結晶」が良かった。

  • 都会と田舎が対象的に描かれます。1度でも田舎に飽き飽きした人ならわかるわかるってなるのかも。性描写はあるけど純粋で甘酸っぱいまだまだ「恋」のお話。「あなたを沈める海」「春と光と君に届く」「避行」がお気に入り。特に「春と光と~」はケンシロウさんを思い出して涙してしまいました。

  • 10代20代の子達のセックスがらみの恋愛短篇集。

    切ない話しが多かったかな。
    田舎暮らしの焦燥感がうまかった。
    若者は色々、焦るよね。

  • 文学的なエロ小説。ただ表現している事よりか、文面から想像をさせる。面白いな。

  • うわぁ。つまらなかった。

  • 恋愛小説は苦手だと思っていたけど、これは嫌いじゃない。

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純情エレジーの作品紹介

「会っている数日のあいだ、わたしたちはセックスしかしない。おぼえたての高校生のままみたいに」十七歳のわたしたちが互いに向けたのは、ただ、欲望だった。それから八年。上京した彼は年に一度だけ故郷に帰ってくる…。上京、就職、結婚と、人生で最初の岐路に立つ主人公が振り返る、忘れられないセックスの記憶。少女から女へ、少年から男へ。心と身体の移ろいを瑞々しく描きだす全七篇。

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