私という病

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 324
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104567041

作品紹介・あらすじ

「ああ、お願い。誰か、私に欲情して。」女としての価値を確かめるため、私はデリヘル嬢になってみた。東電OLは私だ、と感じた女たち。女が分からない男たち。性に悩む全ての読者に捧げる究極の私ドキュメント。

感想・レビュー・書評

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  • 中村うさぎ、初めて読んだけど、いやあ、赤裸々ですね。実体験主義と作家が見事に融合してる。
    自分がぼんやり感じることが全て文字で書かれていて、読んだ後感想が出ないくらい。
    中村うさぎがデリヘルやった年齢は超えたけれども、この年頃って女どうこうよりもう体力が人生で一番低いから性的なことなんか考えられない。

    第二章の『男が考える女の下品さ』の考察は面白かった。男が、見知らぬ女のミニスカートにニヤニヤするのに自分に所属する女(恋人や妻や娘)がミニスカート履くのは怒るって現象。彼らには通りすがりの女のミニスカートは自分への性的誘惑に思えるので嬉しいが、自分の女がよその男を誘惑するのは許せんってやつ。

    でもうさぎさん、パワフルだな。書くこと全てに私は同意しかないけど、でも、きっと女性がこのことに気づく頃には、もう疲れた…って年頃だもん。性的強者と社会的弱者とを同時にこなして傷つけられたボロボロの自尊心を抱えて、でもそれを救済する道を選ばす、男を捨てて、最強の性的弱者として無敵のおばさんになるんだよ。世のほとんどの女性はそれを選んでいくと思う。諦めと体力の低下から、別の生き物になっていくと思う。

    読んだ後、はー、女が生きにくい世のはずだって心から思った。

  • 数年前に読んだ時より、筆者の当時の年齢に近づいた今の方が、刺さるフレーズがいっぱいだった。

    「女であることを楽しめない」感覚は、私にもすごくある。
    風俗で働いてみようと考えたこともある。
    私の場合、テレクラのサクラが精一杯だったけど、デリヘルで実際に働いたうさぎさんの行動力と、それを文章にできる表現力は本当に素晴らしい。
    勇気がなくて飛び込めなかったヘボい私が体験したかった『感覚』を、実際に体験して教えてくれているかのよう。
    もっと色々聞きたい。
    尊敬するお姉さん。中村うさぎさん。
    他の本も読まなきゃ。

  • エグいくらいにパワフルで全力

  • 俺、一生好きだな、この人。

  • 一人の♂として反論したいとこはあるが、一人の♀が人生経験を基に考察したことをストレートに書いてあるということにリアリティーと意味がある。それは間違っているんじゃないか、とつっこみを入れる段階で、我々の脳ミソはふるかいてんするから、刺激的である。彼女のような♀が書く♀とはなにか、みたいな本はもっとあってもいい。数が少ないから、希少価値でこの本の価値も上がってしまっている。いずれそれを♂とか♀とかでとどめないで、人間とはなにか、という部分まで広げられる書き手の本が読みたい。

  • うさぎさんと言えば、ゴクドーくんと買い物依存しか知らなかったんですが…すごい人だ。うさぎさん。
    デリヘル体験を元にした、女性性について、いや男性性に対する女性性について、と言った方がいいのかしら…ともかく、うさぎさん自身の体験を交えた、女性性についての考察です。
    デリヘルをやろうと思うまでの思考過程ももちろん、デリヘル体験そのものも面白いけど、うさぎさんが書いてるように「デリヘル後の周囲の男性からの視線のあからさまな変化」の方が、もっと面白い。
    風俗に来る男性は、そこで働くうさぎさんのような女性をきちんと「人間」として扱うのに、世間の男は妻や友人を人とも思わない扱いしかしない人がたくさんいるのは何故か、についての考察など、非常に興味深い。
    正直、男性がこれを読んでどこまで理解出来るかって怪しいと思うけど(難しくて抽象的な内容だし)でも、読んでおくと、女性に嫌われるような考え方がどんなかが分かるんじゃないでしょうかね。

  • 「毒婦たち:…」(http://bit.ly/1o2T800)を読んでいて読みたくなった本。
    うさぎさんほどの切実さは私にはないけど、十分共感できますねぇ。
    このうさぎさんを含め「東電OL事件」については、当の女性がかなり深く言及しているにもかかわらず、佐野眞一氏(だけではないが)のトンチンカンぶりは、まさに女を人間として見てないんだね。(いや、見れない、のか。)

  • デリヘルは身体を売る商売→実際に売買されているのは「性的幻想」、という筆者の認識の変化
    "人間はスレる。(中略)そうか、老いるとは、そういうことだったのだ。どんな刺激にも麻痺して、不感症になることだったのか。"
    通りすがりの女が性的鑑賞対象になるのに、自分に所属する女(彼女、妻、娘など)が他人の性的鑑賞対象になるのは不快である、という男性の心理(勿論独占欲や性的タブー感はあるだろう)→『鼻くそをほじくりながら歩く』下品と、『露出系』下品は、同じ下品でも違う
    放埒(ほうらつ)…勝手でしまりが無いこと
    そびやかす…肩などをことさらに高くあげること
    女衒(ぜげん)…女を遊女屋に売ることが職の人

    (筆者の、ストーリーや心情の妄想がすごい/主張の一貫性に欠ける)

  • 赤裸々やな

    この人の身を削ったような内容や書き方に
    共感することのほうが多い私は、やはり女なのだと思う

  • 一章はとても面白い。そこからは、ひたすら病について。女性をもっと理解しなければ。

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著者プロフィール

1958年2月27日生まれ。
エッセイスト。福岡県出身。
同志社大学 文学部英文学科卒業。
1991年ライトノベルでデビュー。
以後、エッセイストとして、買い物依存症やホストクラブ通い、美容整形、デリヘル勤務などの体験を書く。

「2017年 『エッチなお仕事なぜいけないの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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