太陽がイッパイいっぱい

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 85
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104568017

作品紹介・あらすじ

汗、恋、喧嘩、ツユだく大盛りの青春成長小説登場。第8回小説新潮長篇新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 三流大学に籍をおくイズミ。彼女から旅行をせがまれ、資金を貯めるため工事現場で日雇いのバイトを始めた。
    彼女と破局した後もバイトを続けた理由は、肉体労働そのものが楽しくなってきたからだ。
    大学も、友人との付き合いも、コンパもナンパも、現場での日々に比べたら絵空事に感じる。
    現実に蓋をしたイズミは、アナクロでアナログな世界にどっぷりとつかってゆく。

    身体を酷使して腹を空かす。腹が減れば飲み、喰い、酔っ払い、そして眠る。
    清々しいまでにシンプルな世界。そして周りのメンツもあったかくて個性的でいい感じ。
    近寄りがたくちょっと怖い人達ですが、悪いところも引っくるめて、いいキャラになっている。
    生き生きと働き、時にやんちゃが過ぎる彼等。かっこ良く見えて仕方ありませんでした。

  • 2017/3/24
    お久しぶりの三羽さん。
    お下品w
    私は肉体労働は無理だと思うけど、スコーンと単純に体動かして疲れてご飯食べて寝る!という生活に憧れもある。
    現実にはそうもいかないだろうな。

  • 大阪を舞台に土方の兄ちゃんたちのやんちゃな人情物語。ありきたりな感じもするけど安定の内容。

  • 京阪大和田の解体屋さんで働く大学生のお話。
    青春というにはあまりにも汗臭すぎるし、登場人物を囲む風景もディープすぎる。
    物語の最初と最後で状況の変わったことなんてすごくちょっとしかないんだけど、読んだ後になぜか不思議な爽快感があった。
    自分のできない「本音だけで生きる」人達の生活だったからかな。
    タイトルがとても良い。

  • H23.7.20

  • 汚い関西弁炸裂の汗まみれの小説です。
    気持ちええッス。おもろい。

  • アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」やマット・デイモンの「リプリー」とは違います。いや少し関係あるかな?
    「イレギュラー」があまりにも面白かったので、同じ作者のデビュー作です。そして小説新潮長篇新人賞受賞作。

    やっぱり登場人物のキャラがたってていいです。

    痛快!じゃりん子チエとかナニワ金融道の世界・・・もうちょい哲学的要素も入るかな?

    関西人やったら、かなりおもろいと思うで!!
    関西人以外もどうぞ(笑)

  • 大学生活よりもガテン系の充実感に解体屋の組で働くイズミ君を主人公にちょっと個性的な若者たちが生き生きしている。ちょっと下品なくらいあっけらかんとした恋や喧嘩や、そして働くという事、生きていくという事がテンポよく進んでいく。肩がこらずに読めるのだが、読んだあとちょっと働くことってヤッパリ大変、どんなことでも生きていくって大変と思ってしまう。下流社会の中でこんなことっていっぱい合って、それでも一番居心地のいいところ見つけようとするのは大変だよね。この文章からっとしていて明るくっていいねえ。

  • 新・プロレタリア文学。・・・かな?
    建築現場の解体作業を請け負う「マルショウ」組のコテコテ浪花なガテン物語だ。
    三流大学生活にリアルを見出だせず、土方のアルバイトにのめり込むイズミを中心に、短気で単純、ちょっと(かなり?)おバカなメンバーがそれぞれ好き勝手に、色恋沙汰から暴力沙汰までさまざまな騒ぎを繰り広げる。
    登場人物はしょうもないヤツらばっかりだけど、不思議に憎めない。
    悪意がないからだろう。
    ちょっと理屈っぽかったり、感情の説明が詰め込まれすぎている箇所がところどころにあって痛快な流れをせき止めているのが残念。全編このバカっぷりで突っ走ってほしい。

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著者プロフィール

1968年岡山県生まれ。2002年、第8回小説新潮長篇新人賞を受賞した『太陽がイッパイいっぱい』でデビュー。06年『厭世フレーバー』で第27回吉川英治文学新人賞候補、09年『太陽がイッパイいっぱい』で第5回酒飲み書店員大賞受賞。12年『Junk 毒にもなれない裏通りの小悪党』で第33回吉川英治文学新人賞候補。『ニート・ニート・ニート』は18年に映画化された。他の著書に『イレギュラー』『タチコギ』『Y.M.G.A 暴動有資格者』『路地裏ビルヂング』『ヘダップ』『俺達の日常にはバッセンが足りない』などがある。

「2021年 『共犯者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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