- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104577019
作品紹介・あらすじ
謎の男娼、その名は「ギニョル」。純白の肌に口を開けた真紅の傷跡が、平凡な中年男だったはずの「私」の中の何かを壊した。甘美な嗜虐と官能の日々。しかし、「邪悪ナル世界」に本当に監禁されたのは、実は私だった…。第3回ホラーサスペンス大賞。
感想・レビュー・書評
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ギニョルと世界観が美しくて好き。だけど期待が高すぎたのかエロティックさや耽美さや嗜虐性は思ったより感じなかった。主人公があちらとこちらの中間で留まるのもギニョルが何者か分からないのも読了後モヤっとした気持ちを残す、突き抜けるなら突き抜けてほしかった。
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さくさく読んでしまいました。
でも、装丁やタイトルで思っていたより、妖しさもエロティックさも残酷な美しさもなく、うーん中途半端と思いながら読みました。
ギニョルを苛む主人公がまともでまともな感覚の持ち主なので向こう側へ行くことが無く、悪でも優しさでもないところが物足りなかったのかも。
ギニョルは良かったです。刺青によって呪われて?いるのに相応しく、向こう側にいました。
痛そうだけど、フィクションと現実を混同することはないので、もうちょっと逸脱してほしかったです。
ずっと読みたかったので、期待値が高まり過ぎたのかもしれません。。 -
世界観は好みでした。
独特の魅力がある物語だと思います。
けど、せっかくキャラクターが出て来ても、その良さや設定を描ききれてない気がする。
張った伏線も拾いきれてないように思います。
暴力や猟奇的な描写は凄絶に緻密に書かれているので、痛い部分だけが際立って届きがち。
もう少しキャラクターの内面や、設定を奥深く書いてくれたら良かったなぁと個人的に感じました。 -
謎の多い作品でした。ギニョルと呼ばれる少年が可愛くて憎たらしくて魅力的です。監禁したくなるのも分かる。
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なんかもう…とんでもないもん読んじまったとしか…
美しく妖艶な少年を監禁する大人たちの物語。
誰にも見つからないように、少年に対して繰り広げる暴力の世界。
どんどん過激になっていく凄惨な折檻はエグくてグロい。
謎は謎のまま終幕していく終わり方だった。
読み手の心に引っかき傷を残したまま。
世界観が艶っぽくて倒錯していて惹き込まれた。
でも読む人を選ぶ小説だなぁ、と。
てかこの作者様、ホラーサスペンス大賞を受賞したのにこれ以外の本を出してないの!?
そしてマレーシア在住!?!?
この本も既に絶版!?!?!?
一体どんな人なんだろう…作者様が何よりも謎すぎる笑
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大御所が絶賛しているが、内容はというとそれほどではないというのが正直なところ。
インモラルな世界で出会った美少年と大人が堕ちていく過程はサクサク読めはするもののそれだけで緊張感などはなく、予定調和的な世界観だとしか思わなかった。 -
ずっと記憶に残ってる本
これのせいで男を狂わすオムファタルとかサディズムを呼び起こさせる蠱惑的マゾが好きになったのかもしれん
もう一回読みたい -
ギニョルがまさに私好みだった。
醜さと美しさが混在していた。
星を一つ少なくつける理由としては、読むと新たな扉を開けてしまいそうになることと、人には大っぴらに薦めたり、この本が好きだと公言したりできないことが挙げられる。
でもわたしは好きだ。内心では星5⭐️ -
浮遊はこういうのを読む女子高生でした
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ほら
蔭間
少年 -
発想はとてもよいが、それに見合うだけの文体や構成力がいまひとつ。
特に結構大事なグラン・ギニョル座のふたりがないがしろになっているのには首をかしげる。
しかし、「ギニョル」という言葉は素晴らしく美しい響きをもつなー。 -
胸くそ系。悪口なんだけど褒め言葉になっちゃうかな、この作品においては。
SM小説家の主人公が最初変態じゃない、って言うんだけどギニョルに会って変態になっちゃってからがもうやばい。生意気とかそんな理由で罰を与えるとか、心配と言って監禁し、自分の立場が上と教える必要があるとか何理論?理解不能。登場人物誰も好きになれない。途中何度も放棄しかけました。おぞましいとかじゃなくてとにかく変態の主人公が理解出来なくて胸糞悪い。まあ私がグラン•ギニョレスクな話には向かきませんでした -
意外とすんなり読めた。
何より主人公が「生ぬるい」のと、描写があっさりしているのと、セックスシーンがないからかな。
途中ほのぼの監禁生活になっていてちょっとマヌケ、というか終始お耽美ではないところも
バランスは良いのかも。
主人公が向こう側への憧憬を抱いているも、
劇場に置いてけぼりにされてしまう結末はなかなか良かった。
冒頭に出てくる男も伏線に活かして欲しかったけど。 -
謎の美しき少年男娼ギニョル(人形)に出会ったとき
主人公の男の人生は狂い始める
ソフトなエログロという感じ?
主人公は結局向こう側へは行けなかったんだな。
そして友人のカメラマンは、帰ってこない世界へ行っちゃったんだな・・・と
ギニョルがすさまじい -
グロエロ耐性低い人にはおすすめしません。
自分は一線を越えたと錯覚する、『普通』な小説家。
本当に向こう側に行ってしまったカメラマン。
天使のような生きた人形。
物語が展開するにつれて『想定内』なグロさになっていくけど、あえてそうしてる感じ。
じゃないと商業誌では売れないと思う。
なにより、この作家がこれ一冊しか書いてないというところが作品の神秘性を高めている。
ラストシーンのグロテスクさとスピード感に引き込まれる。 -
狂気の一線を越えたと驕り錯覚した男と、それを線の向こう側から見守り続けていた少年の話。女性とまともな男を全く出さずによくまあこれを広げて、さらにきれいに畳んだものだと感心する。…なんて醒めた/冷めた感想書けるのは、読み終わって小一時間も落ち着いてから。魔的なまでの暴力衝動を催させる性質とどこか退いた視点を併せ持つ人形によって紡がれていく物語に、慄然、という言葉の意味を体感できたように思う。ラスト、バンちゃんへの感情は、嫉妬か羨望か、あるいは挫折感か諦念か。決して美しくはないが、切なさだけは共感できる。
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売れない小説家が拾った小汚い美少年。誘拐し監禁し責め立てる。仲間も増え、責め立てる内容はどんどんエスカレートしていくのだが…。
もっと別の角度からの切り込みを期待していたのに、似たような小説はごまんとある。倒錯的でお耽美好きな女性向けといった感じ。
あ、これってホラー大賞取ったんだ。ホラー? -
友人には読まないほうがいいと言われるも、図書館で借りる。
内容が予定と違い好みだったので、購入。
ちょっと暗めの内容は大好物なのでよかったです。
ラストがまた・・・予定外で好きでした。 -
ホームレスらしき傷だらけの美少年の男娼を
拾い軟禁し、少年とそっくりの球体関節人形を
織り交ぜながらの残酷劇場を撮影しつつ……
少年の尻にある残酷なタトゥは何なのか。 -
ギニョルの言う通り、主人公が生ぬるい。まっとエログロ要素があってもいい。
ラストの続きが気になる。
ギニョルはどこまで体を痛めつけるのだろう。 -
冷めてロウソクみたいなポテトがおいしいんだっていうシーンのギニョルが好き
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臀部におどろおどろしい警告文の書かれたホームレスの謎の美少年、SM、監禁、人形とか色々なエログロ要素があるのに妙に薄味ーな小説だった。でもたまに、たまーに読み返したくなるのはなんでかなー。
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サドの残酷描写は苦手なんだけど、主人公の少年に不思議な引力があって読み通してしまった。衝撃的なラストシーンが効いてる。
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身体中に凄惨な傷を持つギニョルと呼ばれる男娼を監禁した男の物語。
結局ギニョルは何を求め、男はどこへ行きたかったのか。
終盤にさしかかってから動悸が止まらず、読み終わっても、放心。
男の愛も拷問もギニョルには生ぬるかったのか。
自ら指を落とす痛みの先に、彼が何を見たのか 誰にもわからない。
半端な情をいだいて読むと、後味は大変によくないです。 -
読みやすい。すぐ読める。
かなり後味が悪い。引きずる。 -
中盤までのあの勢いは何処へやら。
期待していただけに、中途半端な終わり方で非常に残念です。
結局ギニョルは何者だったのか。
核心的なところにはあまり触れられずフェードアウト。
意図的に暈したのか、広げすぎて処理出来なかったのか。本当のところは著者にしか分かりませんが、せめてもう少し丁寧に終わらせてほしかった。
テーマや前半の雰囲気はすごく好きだし、文章力もあるのに。勿体無い。 -
生ぬるい
作中でギニョルが発言してる通り、生ぬるすぎたんでしょうね
一線を越えてはいなかった男の物語
それを考えれば、最後までギニョルの正体などがあやふやになってるのは仕方ないのカナ?
あくまでも、主人公のためのお話だったから
最後、ギニョルは自らの手で生ぬるくない事をし始める
どこまでいくんでしょうか?
男は今度はどうするんでしょうか?
オチはそこでしめてほしかったナ~って思います -
自身の妄想での秘めた“趣味”のために、妻子を失い、仕事を辞め、薄汚い一室で日々SM小説を書き続ける中年作家“私”。“私”は決して想像世界と現実を混同することなど有り得ないと思っていたが、ある日、「人形(ギニョル)」と名乗る男娼を知る。ギニョルは身体中を凄惨な痣と傷と火傷で覆われた、西洋人形のような少年だった。彼を監禁した“私”とカメラマン坂内は次第に、「あちらの世界」と「こちらの世界」の境界を曖昧にする人形劇──グラン・ギニョルに呑み込まれていく──。第三回ホラーサスペンス大賞受賞作。
意外と、登場人物の異常性や状況の閉鎖性のイメージが薄く、端整で普遍的な世界の組み立てだった気がします。この世界観が苦手でも物語として楽しむ余地がある。そして何より、愛がある。これが個人的には大きかったかもしれません。 -
ホラーサスペンス大賞(2002/3回)