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著者 : 中村文則
  • 新潮社 (2003年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104588015

銃の感想・レビュー・書評

  • 中村文則のデビュー作。彼の作品を読むのは初めてでしたが「教団X」とか話題だし、少し期待しすぎたかも。

    主人公西川の一人称ですべて描かれていますが
    、この西川自身のキャラというか、考えや気持ちがイマイチよく分からない。
    「私は……だった。」「私は……と思った。」「私は……した。」「彼女は……した。」
    と、箇条書きの様な文章の作りで、読んでいてもそこに気持ちが全く入っていけないんですよ。
    さらに友達との会話になると、「マジで〜。…俺なんかさ〜」といきなり今どきの若者言葉になったりして、え?この人どんな人物なわけ?と戸惑ってしまいました。

    あと、村上春樹を意識してる?と思わせる様な雰囲気も少し気になりました。

    ストーリー自体は良かったと思います。拳銃という非日常的な物をたまたま手に入れてしまった事で、西川がだんだんと狂気に満ちていく様と、ラストの呟きはすごく印象的でした。

    主人公の内面と外見が違和感なく描かれていたら、文句なく素晴らしかったのではないかと思います。

  • おさまるところにおさまった、かなー。

    銃を他の何かに置き替えて、「私」を別の誰かに置き換えたら、無数。

    私と私を取り巻く世界に対してシナリオ書いて、その通りになって喜んでる「私」が気持ち悪かったけど、多かれ少なかれ、つきつめたら誰でも(自分も)そういうことしてんじゃんと思った。

    映画に向いてそう。

  • 銃を拾った大学生が、それに囚われ、それで人を撃ちたいという感情に支配されるが、そんな馬鹿げた行為をしてはいけないと思いなおすが、結局は衝動的に発射してしまい電車で居合わせた男性と自分の人生を終わらせることになる話。

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    主人公は、記憶にも残っていないほど昔に自分を捨てた父親と再会した時、父親がドラマの台詞のようなことを言ったことがおかしいと笑った。テレビドラマでよくある親子の再会のテンプレートみたいな会話をそっくりそのまま再現されたのが馬鹿らしかったんだと思う。
    ”チェーホフの銃”というルールがある。”物語に登場した鉄砲は発射されなければならない”という掟のようなものだ。
    主人公はまんまとそのルールに従ってしまった。自分の人生に突如登場した銃を不必要なことに使ってしまった。彼だって父親と同じ。
    親子の再会、という場面でありきたりなことを言ってしまった父親。
    手に入れた銃、にかき乱されどうでもいいことに使用してしまった主人公。
    どちらも浅はかでどうしようもなくて、自分や自分の周りにいる人たちみたいだと思った。

    電車のなかで発砲していまい、「これは、なしだ」と主人公が呟く最後の場面。ああ、この感覚だ、と読んでいて震えた。
    自分の悪さや失敗が明るみになった瞬間、今日を一日やり直せたら、30分前に戻れたら、とかそういうことを考えてしまう自分と全く同じだった。自分は衝動で誰かを殺したりしない人間だといいな。

  • 死をもって、生を感じる。そのギリギリのバランスが、全編に緊張をみなぎらせている。主人公の乖離した心理状態が迫真の描写だ。最後は悪夢としか言いようがない。

    心に大きな空白を抱えた人、例えば人格障害や依存症のような。そういう人に、この物語は他人事ではないのではないか。

  • 図書館で借りた本。

    銃に取り憑かれたような話。

  • ひょんなことから銃を手に入れた主人公がその興奮を元に変化していく話。
    さっきも見たぞというくらいしつこい同じような心の葛藤があるのですが
    そこにちょっとした変化が加わっていく様が面白いですね。
    そして最終的には救いのある方向へ行くと見せつつ破滅へ向かってしまうという
    ちょっと救いの無い話なのですが物語の重点は
    あくまでしつこい心の葛藤にあると思うので味わい深さはありますし
    読後感もあまり悪いものではありません。

    銃についてそこまで考えた事は無かったし
    銃というものはよくテレビとかで見て知っているものの
    実物を見た事も触った事も無いのですが、
    実際に撃つことの出来る本物を手に入れた時
    人を狂わせる何かがあるのかもなと感じさせてくれる作品でした。

  • 徐々に狂っていく様が気持ち悪かった。
    猫を撃って刑事に問い詰められたところから狂気が加速した。描写がくどくなり、一人称が頻出した。
    銃を磨いているだけで何故満足しなかったのか。
    ケチな喧嘩をして相手の頭を吹き飛ばす。身の破滅。
    「やってはいけない」ことをやってしまうのか。
    そこまでの魅力があったのかは分からなかった。

  • ゴロウデラックスに中村文則さんが出演していて、中村さんの作品を読んでみたいと思った。かなり衝撃的。これがデビュー作とは凄い。他の作品も読んでみたい。

  • 凄いわ。これがデビュー作なんて。
    拳銃に憑かれた男の行く先は‥。
    作品を覆う空気感が、いい。
    淡々とした中にのぞき見える、ぐろぐろとしたエネルギーが、いい。

  • 中村文則さん初読み。こんなにも引き込まれるとは・・・。主人公の内面をこっそりとずっとのぞいていたような気持ちになり、現実との境がわからなくなりそうな不思議な読書体験だった。コーヒーをやたらと飲む主人公に影響されて、わたしもやたらとコーヒーを飲んだ。中村文則さんの作品は全作読みたいと思う。

  • これだ。これこそ中村文則だ。
    たぶん中村さんの初期作品であるこの本には、すべてがつまっていると言ってもいいのではないだろうか。
    ほんの偶然から銃を手に入れた大学生が、それに魅入られて破滅していく過程を驚くほど丹念に描き切っているこの本に、そして僕も魅入られてしまった。
    ただ一言で言えば「疎外感」であり、それは社会からの疎外感、他人からの疎外感、自分からの疎外感である。中村作品のほとんどすべてに通底しているこの感覚を、今までで一番強く感じた作品だった。
    とにかく素晴らしい。本当の傑作だ。

  • 図書館本 第34回 新潮新人賞 著者の処女作。
    生死を扱う物(武器)を手に入れた優越感から狂気に変わっていく様。遮光と内容は同じものではあるが物を違う事にすることでアプローチを変えている。

  • 銃をたまたま手にするといった非現実に、
    坂道を転がるように蝕まれていく様子が怖すぎました。

    人からみても明らかにおかしくなっている姿を自身が把握出来なくなっていく様が克明に描かれていて。
    決して読後感は良くないのに
    もやもやとしたものやじわじわと恐怖が募ってきて、ある意味で印象深い作品だったのかと。

  • 以前読んだ中村文則の本がちょっと意味不明だったので、ブクログで見つけて気になってたこの本でリベンジ。
    たまたま手に入れた銃に魅入られ、取り憑かれていく大学生を描いたもの。
    最初は淡々とした描写が続いて退屈だなぁと読んでいたのですが、警官に目をつけられたあたりから面白くなってきて、徐々に狂気に蝕まれていく主人公から目が離せなくなり、一気に読んでしまった。
    実際に人を撃とうとしたシーンの心理描写は鬼気迫るもので、こっちまで心臓が痛くなった。172ページの「私は気がつくと地面を見ていた。」から、思考があっちこっちに飛んでる様子が明らかに精神の均衡を失っているようでぞっとした。読み終わった瞬間よりも、時間が経ってからじわじわ効いてくる。
    他の作品も読んでみよう。

  • 面白かった。銃を手に入れた主人公が銃にトリツカレていく様子が淡々と描かれている。
    本当の両親じゃない設定とかは微妙だなぁとか、いろいろ気になる部分はあるのの、文章も読みやすくてどんどん読み進められた。
    読了感のよい小説ではないが、とても好きな分類の小説でした。他の本も読んでみたいと思った。
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    雨が降りしきる河原で大学生の西川が出会った動かなくなっていた男、その傍らに落ちていた黒い物体。圧倒的な美しさと存在感を持つ「銃」に魅せられた彼はやがて、「私はいつか拳銃を撃つ」という確信を持つようになるのだが…。TVで流れる事件のニュース、突然の刑事の訪問―次第に追いつめられて行く中、西川が下した決断とは?新潮新人賞を受賞した衝撃のデビュー作。

  • 銃に魅入られた大学生の話。銃が頭の中心にあって、その他の全てがぼんやりと過ぎていく様子は淡々と無機質で得体の知れない不気味さに満ちていました。大学に行き、講義を受け、コンパに行き、友達と話し、女の子と付き合い…学生なら当然のことなのに、銃が中心になることで異空間の出来事のように読み手にまで伝わってきます。猫を撃ち、刑事をはぐらかし…1度は銃の魔力から解放される方向かと思いきや…。でも、彼はずっとずっと前から狂っていたのかも知れない。おかしいな、と呟く彼はその後上手く弾を籠めることが出来たのか気になります。

  • 銃を偶然にも手に入れるとはどういうことなのか、丁寧に描写されている。この主人公の若者の行動は、特殊といえばそうなのかもしれないけど、人間の深層心理としてこういうこともあり得るかもしれないと思わせる説得力がある。

    徐々に段階を踏んで猟奇化していく過程、非現実でありながらも引き込まれる。


    2015.8.5

  • 20150215

    文体とか雰囲気とかかなり好きだけど、後味悪かった。
    銃に取り憑かれた男の話。
    ラストシーンが忘れられない。
    どんどん正気を失っていって、ダメ男な主人公が一度殺人をやめることによってまともになるのが印象的。

    それから銃にあそこまで入れ込んでしまうというのは、自分を支える確固たるものがないせいだと思った。
    しかし主人公を含む多くの人間がそうなんだろう。
    取り憑かれる対象が銃ではなくて恋愛とかであるだけで。

  • 文章は粗削り。だけどパワーがすごい。読み終わった後のこの充実した疲労感はなんだろう。

  • ある日、偶然拾った銃に、翻弄されていく大学生の話。

    昨日、私は銃を拾った。

    もともと何事にも冷静、客観的な「私」が、銃を手にしたことによって壊れていく狂気にゾクゾクした。

    半分〜ラストは、ゾクゾク感に押されて一気に読んだ。
    決して後味は良くないけど、狂気にハマった。

  • ★2014年6月10日読了『銃』中村文則著 評価C
    ある日夜中の散歩で大学生である西川は、川岸で拳銃自殺している中年男性を発見し、銃だけを持ち去る。そこから、彼の精神は躁状態になり、次第に拳銃を使いたいという思いに囚われていき、周辺を捜査していた刑事の推測による彼への親切なアドバイスにもかかわらず、精神は狂っていき、、、

    なんとも、私には面白くもない物語。読む人によってはその精神的な内面の描き方を評価するかもしれないが、私には全く訴えるものがない。前回読んだ作品も暗くて、この作品も読むことを躊躇した。久しぶりに途中ギブアップしそうになったが、我慢して読み通した。
    普通の人にはあまりおすすめできないです。

  • 「おかしいな」「おかしいな」ヾ(・ω・`;)ノ

    何の変哲もない大学生活を送っていた大学生が銃を拾ったら?でも、この主人公は最初から変哲だらけだと思うんだ。「変哲」って何なのかよく分からないけど。

    刑事「撃つなよ!絶対に撃つなよ!」
    最後はお決まりの展開で安心しました。

  • 私は心理描写がすごいものが好きなんだなーと再確認。
    決して気持ちの良い話ではないけど、どんどん目が離せなくなって一気に読み終わった。
    町田康の「告白」を何となく思い出した。
    精神の均衡を欠いていく過程で、私も拳銃に愛情や同情を抱いているような気もした。
    自分だったらどうするか、敢えて心の中で確認しておかないと怖くなって、私は大丈夫、と言い聞かせる。そんなことを考えてる自分が不安。
    あぶないあぶない。又吉さん、こわいよこれ。

  • 衝撃。
    最初は、中村さんどんな危険な思想をお持ちなんだと思ってしまったけど、だんだん読み進めるうちにこういう可能性は誰もが持っているものではないかと感じた。なんて言ったらいいかわからないけど、何でもできてしまう時代だからこそ怖いと思った。一度拳銃を捨てると覚悟したにも関わらず、突発的にまたかつての気持ちが沸き起こってしまうというのは、拳銃に限らずあることであり、主人公にとってそれがたまたま拳銃だったというわけで、なんというか人間の不安定さや脆さを感じた。
    直接メインの話とは少し別だが、実の父親に会いに行くところや同級生の女性に対する態度にも恐怖心を覚えた。
    しかし極めつけに怖いのは、やっぱり一番最後。「もう少しなんだけどな」などリアルすぎる終わり方が天才的。中村さんすごいです。

  • 心理描写がよく書かれてるのかもしれないけど、ストーリー事態はあまり面白くなかったかも。。。

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